記事【子どもに影響する感謝の気持ち】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
#小児科医 #湯浅正太 #しょーた #Yukuriーte
こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。
今日は「子どもに影響する感謝の気持ち」というテーマで短くお話ししたいと思います。
あなたはお盆をどのように過ごしていますか?僕は今週末に家族で兵庫県の淡路島に行ってきました。その淡路島で海の上のアスレチックパークに遊びに行ってきたんです。その名は、「フロリックシーアドベンチャーパーク淡路島」というところです。
その感想は、とっても楽しかった、です。1時間海の上に浮いたアスレチックで、ウェットスーツを着た状態で遊ぶんですね。そのために、まずは浜辺からアスレチックの浮いているところまで泳ぎます。泳ぐと言っても、ウェットスーツもあるし、浜辺から海の上のアスレチックまでロープが張ってあるので、そのロープをつたっていけば目標地点には到着します。
アスレチックの現場に到着すると、そのアスレチックの上を行ったり来たりして遊びます。でもそのアスレチックの上を移動しようとすると、途中のアトラクションで海の中に落ちたりします。それが面白いんですね。高台も用意されているので、そこから海へ飛び込んだりもします。そんなアトラクションで、参加者はみんな笑顔です。
そんな風に遊ぶ中で感じるのは、ただ単に楽しいという気持ちばかりではありません。親として子どもと参加して特に感じるのは、スタッフの方々への感謝です。存分に楽しめていい思い出を作るためには、安心して安全に遊べる環境が必要です。その環境を提供してくれているスタッフの方々に感謝します。
おそらく参加者の皆さんも同じ気持ちだったと思います。そのことがよくわかるエピソードがありました。1時間存分に遊び終わった後は、スタッフの方からのさようならのアナウンスがありました。そんなスタッフの方に向けて参加者も拍手をして返します。「今日は楽しませてくれてありがとうございました」、そんな参加者の気持ちが伝わってくる場面でした。参加者がみんな、スタッフの方々に感謝していたということです。
小児科医として子どもの支援にあたっていると、保護者がこの感謝の気持ちを表現できるかどうかは、とても大切な要素と思っています。なぜなら、そのことと、その保護者が育てる子どもの様子は関係することを実感するからです。
例えば、子どもを見てくれている保育園・幼稚園・学校の先生に感謝できるどうか。時々「子どもを見てくれて当たり前」かのような横柄な態度をとってしまう保護者がいるものです。そんな親御さんの子どもを見てみると、心が穏やかでない傾向があるものです。おそらく、子どもへ向かう保護者の態度も、どこか穏やかでないのでしょう。
感謝できる親の元では、子どもに豊かな心が育つ。小児科医として、そのことをつくづく感じるのです。
「フロリックシーアドベンチャーパーク淡路島」のスタッフの方々、どうもありがとうございました。おかげで楽しい夏の思い出ができました。
今日は「子どもに影響する感謝の気持ち」というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。
湯浅正太(ゆあさしょうた)
PROFILE
2007年 3月 高知大学医学部 卒業。小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。
『みんなとおなじくできないよ』
障がいのある「おとうと」がいる小学生の「ボク」。おとうとのことを好きだけど、ちょっと恥ずかしく、心配にも感じている。複雑な感情と懸命に向き合って「ボク」がたどり着いた答えとは?「きょうだい児」ならではの悩みや不安、孤独な気持ちが当事者の視点から描かれた絵本。湯浅正太著/1760 円(日本図書センター)
『みんなとおなじくできないよ』
診察する, 治療する, 命と向き合う, …医師として働くとはどういうことか, 患者さんにどう接するか, “正解”はなくとも「考えて答えを出していかねばならない」倫理的なテーマについて医学生/研修医に向けて解説。小児科医であり絵本作家でもある著者が, 医療現場のエピソードに沿った「物語」を提供し, 読者に考えてもらいながら倫理観を育んでいく。「明日からの診療に役立つ一言」も記載し, 躓いたとき, 迷ったときに心の支えとなる書籍。湯浅正太著/2420 円(メジカルビュー社)
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