記事【新しい時代の新しい言葉づかい】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。
今日は「新しい時代の新しい言葉づかい」というテーマで短くお話ししたいと思います。
子どもの心を育てる上で、子どもとつながることは大切ですが、そのつながる手段には、例えば言葉がありますね。その言葉の楽しさについて、今日は触れたいと思います。
ある時、学生さんと話していたら、学生さんが「そろそろウバろうかな」なんて表現を口にしたんですね。あなたは、この学生さんの表現を聞いて、この学生さんが何をしようとしているか、わかりますか?僕には全く何のことやらわからなかったので、「今なんて言ったの?」って聞いてみたんです。
そしたら、「え?何か変なこと言いました?」って返事が返ってきました。何もおかしなことを言っていないですよ、と言わんばかりの返事でした。「ウバなんとかって言わなかった?」と聞くと、「あ〜、『ウバろうかな』って言ったんですよ。UberEatsで注文するってことですよ」、なんて教えてくれました。食事を頼むサービスのUberEatsで注文することを「ウバる」なんて表現していたんですね。
そんな若者の面白いエピソードを、別の機会に定年退職された学校の先生に話したら、「最近の子はねえ、何だか訳のわからない宇宙語を話すんだよ」って笑っていました。面白いと捉えるか、言語を正しく使わないと呆れるか、あなたならどんな反応をしますか?
実はこの名詞の後に「る」を付ける表現は、今に始まったことじゃないんです。例えば、江戸時代にはお茶漬けを食べるという意味で「茶漬(ちゃづ)る」という言葉が使われていたそうです。それに働いていても、「コピる」とか、「サボる」なんて言葉を聞いたことがあると思います。
どうやら「名詞+る」の表現は何かと便利なようなんですね。今後も新しいサービスが開発されれば、新しい「名詞+る」の表現も開発されるでしょう。それは、その時代を表していると言えるかもしれません。
新しい時代の子どもたちにつながるには、その時代の新しい表現を知ることも大切でしょう。ぜひ新しい言葉を楽しみながら、子どもたちにつながってあげてください。それは、日本に代々続く言葉遊びなんだと思います。
今日は「新しい時代の新しい言葉づかい」というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。
湯浅正太(ゆあさしょうた)
PROFILE
2007年 3月 高知大学医学部 卒業。小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。
『みんなとおなじくできないよ』
障がいのある「おとうと」がいる小学生の「ボク」。おとうとのことを好きだけど、ちょっと恥ずかしく、心配にも感じている。複雑な感情と懸命に向き合って「ボク」がたどり着いた答えとは?「きょうだい児」ならではの悩みや不安、孤独な気持ちが当事者の視点から描かれた絵本。湯浅正太著/1760 円(日本図書センター)
『みんなとおなじくできないよ』
診察する, 治療する, 命と向き合う, …医師として働くとはどういうことか, 患者さんにどう接するか, “正解”はなくとも「考えて答えを出していかねばならない」倫理的なテーマについて医学生/研修医に向けて解説。小児科医であり絵本作家でもある著者が, 医療現場のエピソードに沿った「物語」を提供し, 読者に考えてもらいながら倫理観を育んでいく。「明日からの診療に役立つ一言」も記載し, 躓いたとき, 迷ったときに心の支えとなる書籍。湯浅正太著/2420 円(メジカルビュー社)
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