記事【小児科医による言葉の発達への視線】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。
今日は「小児科医による言葉の発達への視線」というテーマで短くお話ししたいと思います。
小児科医として健診を担当していると、単語がまだ喋れないんです、という相談を受けることがあります。そんな言葉って、どんな風に獲得されると思いますか?
ざっと理解しやすく説明すると、1歳台で単語を獲得、2歳台で2語文を獲得します。獲得するとは、喋れるようになるということです。単語というのは、「ママ」とか「パパ」といった意味を表す一つの言葉のことです。二語文というのは、「ママ、行く」とか、「パパ、いいよ」とか、二つの言葉が続くことを意味します。そんな大まかな発達を覚えておくと、子どもの成長を把握しやすくなるものです。
また、1歳台に「ママ」という言葉を獲得しても、パパのことを「ママ」と言ってしまうこともあるものです。あらゆるものが「ママ」になる。そんな時期もあります。
このように、言葉を獲得する過程では、子どもが言葉を発しているかどうか、を目安にその発達を確認しますね。そして、親の側も子どもに言葉を発して言葉を覚えてもらおうとするものです。
もしも、余裕があれば、ぜひ意識していただきたいことがあります。それは、表情です。日本語を使った子育てをする時、そのコミュニケーションでは表情はとても重要な要素になるんです。それは、日本語が言葉だけでコミュニケーションをとろうとする言語ではないからです。
子どもにどれだけ笑顔を浴びせられたか。それを意識しながら、子どもの笑顔を確認してみてください。子どものコミュニケーション能力の発達を理解すると、言葉だけ気にしていては勿体無い、そんな風に思います。
今日は「小児科医による言葉の発達への視線」というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。
湯浅正太(ゆあさしょうた)
PROFILE
2007年 3月 高知大学医学部 卒業。小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。
『みんなとおなじくできないよ』
障がいのある「おとうと」がいる小学生の「ボク」。おとうとのことを好きだけど、ちょっと恥ずかしく、心配にも感じている。複雑な感情と懸命に向き合って「ボク」がたどり着いた答えとは?「きょうだい児」ならではの悩みや不安、孤独な気持ちが当事者の視点から描かれた絵本。湯浅正太著/1760 円(日本図書センター)
『みんなとおなじくできないよ』
診察する, 治療する, 命と向き合う, …医師として働くとはどういうことか, 患者さんにどう接するか, “正解”はなくとも「考えて答えを出していかねばならない」倫理的なテーマについて医学生/研修医に向けて解説。小児科医であり絵本作家でもある著者が, 医療現場のエピソードに沿った「物語」を提供し, 読者に考えてもらいながら倫理観を育んでいく。「明日からの診療に役立つ一言」も記載し, 躓いたとき, 迷ったときに心の支えとなる書籍。湯浅正太著/2420 円(メジカルビュー社)
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