記事【家庭の機能とキーパーソン】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。
今日は「家庭の機能とキーパーソン」というテーマで短くお話ししたいと思います。
あなたは、適応障害って言葉を聞いたことはありますか?この言葉は何か一つの特別な病気というものではなくて、うまく生活できていない状態を指します。例えば、学校に行けていない不登校も、この適応障害に当てはまります。
子どもが生活へ適応できていない時、その修復には家庭の健全な機能が欠かせません。つまり、子どもの困難に立ち向かう時、家庭が機能しているかどうかは重要なポイントなんです。
この家庭の機能を考えた時、生活を維持するための中核となるキーパーソンが重要な役割を果たします。このキーパーソンは、通常親ですが、親が高齢になれば、その子の兄弟姉妹がそのキーパーソンの役割を担うかもしれません。
例えば、子どもに病気や障害があったとして、その小児期には、愛着形成はもちろんのこと、生活を支える主な役割を親が担います。しかし、子どもが成長するとともに親は高齢化し、親がそれまでの役割を担えなくなる時期を迎えるでしょう。すると次第に親なきあとに向けて、キーパーソン役割をその兄弟姉妹が担うようになるものです。
そして、この家庭の機能の維持を考えた時、家族の各メンバーの健康が欠かせません。家族という集合体では、心が相互的に影響を及ぼすものだからです。キーパーソンの心身の健康はもちろんですが、その他のメンバーの健康状態も、家族機能に大きな影響を及ぼすものです。
子どもが困難な状況にある時、「家庭が機能しているか」「キーパーソンは誰なのか」、ぜひ考えてみてください。
今日は「家庭の機能とキーパーソン」というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。
湯浅正太(ゆあさしょうた)
PROFILE
2007年 3月 高知大学医学部 卒業。小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。
『みんなとおなじくできないよ』
障がいのある「おとうと」がいる小学生の「ボク」。おとうとのことを好きだけど、ちょっと恥ずかしく、心配にも感じている。複雑な感情と懸命に向き合って「ボク」がたどり着いた答えとは?「きょうだい児」ならではの悩みや不安、孤独な気持ちが当事者の視点から描かれた絵本。湯浅正太著/1760 円(日本図書センター)
『みんなとおなじくできないよ』
診察する, 治療する, 命と向き合う, …医師として働くとはどういうことか, 患者さんにどう接するか, “正解”はなくとも「考えて答えを出していかねばならない」倫理的なテーマについて医学生/研修医に向けて解説。小児科医であり絵本作家でもある著者が, 医療現場のエピソードに沿った「物語」を提供し, 読者に考えてもらいながら倫理観を育んでいく。「明日からの診療に役立つ一言」も記載し, 躓いたとき, 迷ったときに心の支えとなる書籍。湯浅正太著/2420 円(メジカルビュー社)
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