記事【小児科医が解説する心に届く皮膚のケア】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
#小児科医 #湯浅正太 #しょーた #Yukuriーte
こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。
今日は「小児科医が解説する心に届く皮膚のケア」というテーマで短くお話ししたいと思います。
あなたの皮膚って、どんな様子ですか?カサカサしていますか?それとも、しっとりとしていますか?そんな皮膚の状態が、あなたの心に作用するって知っていましたか?
小児科医として発達外来をしていると、落ち着きがないということで外来を受診される子どもたちがいます。「日中にイライラして、勉強にも支障が出るんです」、そんなコメントを親御さんから伺うことがあります。でも、そんな子どもの中には皮膚のカサカサした様子が目立ったり、皮膚が痒くて掻きむしった痕が残っている状態の子どももいるものです。
そんな風に皮膚の状態が芳しくない子どもには、積極的に皮膚のケアをお勧めしています。
子どもの皮膚が痒かったり痛いと、それは気づかないうちに子どものストレスとなって蓄積していきます。夜間も寝ている間に皮膚を掻いてしまって、熟睡ができないこともあるものです。美容的な観点から、人の目を気にしてしまい、自己肯定感が下がってしまうこともあります。
このように、皮膚の状態はあらゆる方向から心へと作用するものです。
子どもたちの心を治そうとする時、一つの物事だけを修正すれば心が改善するなんて甘いものではありません。親からの関わりだったり、その子の物事の認知パターンだったり、その子の皮膚の状態、そういったいくつもの物事に手をつけていきます。そうやってジワリジワリ治していく。その粘り強さが欠かせません。
「え、そんなことが子どもの心に影響しているんですか?」なんてコメントもいただくことがあります。子どもの手を握ってあげたり、子どもと言葉を交わすことなんて、子どもの心にとてもいい影響を及ぼすものです。そして、カサカサした子どもの皮膚に笑顔で軟膏を塗ってあげる親の姿は、子どもの心を温かくするものなんです。
今日は「小児科医が解説する心に届く皮膚のケア」というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。
湯浅正太(ゆあさしょうた)
PROFILE
2007年 3月 高知大学医学部 卒業。小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。
『みんなとおなじくできないよ』
障がいのある「おとうと」がいる小学生の「ボク」。おとうとのことを好きだけど、ちょっと恥ずかしく、心配にも感じている。複雑な感情と懸命に向き合って「ボク」がたどり着いた答えとは?「きょうだい児」ならではの悩みや不安、孤独な気持ちが当事者の視点から描かれた絵本。湯浅正太著/1760 円(日本図書センター)
『みんなとおなじくできないよ』
診察する, 治療する, 命と向き合う, …医師として働くとはどういうことか, 患者さんにどう接するか, “正解”はなくとも「考えて答えを出していかねばならない」倫理的なテーマについて医学生/研修医に向けて解説。小児科医であり絵本作家でもある著者が, 医療現場のエピソードに沿った「物語」を提供し, 読者に考えてもらいながら倫理観を育んでいく。「明日からの診療に役立つ一言」も記載し, 躓いたとき, 迷ったときに心の支えとなる書籍。湯浅正太著/2420 円(メジカルビュー社)
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