記事【小児科医が解説する非言語表現の大切さ】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。
今日は「小児科医が解説する非言語表現の大切さ」というテーマで短くお話ししたいと思います。
小児科医として発達外来を担当していると、自分の気持ちを言葉で伝えることが苦手な子どもたちにたくさん出会います。中には、「自分の気持ちを口で伝えるよりもメールの方が楽です」なんて言う子どももいます。そんな子どもたちに発達障害があるかどうかは置いておいて、小児科医として気にしていることがあります。
それは、言葉ではなく、表情や身振り手振りを使った表現の乏しさです。自分の気持ちを相手に伝える際に、言葉ではない、非言語表現を使えるかどうか。それは、特に日本人にとってはとても大切なことです。
例えば、英語と日本語を比較してみましょう。英語では主語もきちんと入れて表現する一方で、日本語では主語が省略されることが少なくありません。英語は言葉で伝える部分が多い一方で、日本語では言葉以外の表情・姿勢、そういった非言語表現で伝える部分が多いものです。
では、そんな非言語表現って、どこから学ぶんでしょうか。それは、身近な親御さんや学校の先生など、普段関わりのある大人から学びます。お母さんやお父さんの嬉しい時の笑顔、悲しい時の表情、その様子から「どんな感情の時に、どんな表情をするのか」、そういったことを学ぶわけです。
言葉では伝えづらいところを非言語表現で伝えられるか。空気を読んだり、おもてなしの心を伝える日本人だからこそ、子どもたちが非言語表現を獲得できるかどうかは、とても大切な課題なのです。
今日は「小児科医が解説する非言語表現の大切さ」というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。
湯浅正太(ゆあさしょうた)
PROFILE
2007年 3月 高知大学医学部 卒業。小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。
『みんなとおなじくできないよ』
障がいのある「おとうと」がいる小学生の「ボク」。おとうとのことを好きだけど、ちょっと恥ずかしく、心配にも感じている。複雑な感情と懸命に向き合って「ボク」がたどり着いた答えとは?「きょうだい児」ならではの悩みや不安、孤独な気持ちが当事者の視点から描かれた絵本。湯浅正太著/1760 円(日本図書センター)
『みんなとおなじくできないよ』
診察する, 治療する, 命と向き合う, …医師として働くとはどういうことか, 患者さんにどう接するか, “正解”はなくとも「考えて答えを出していかねばならない」倫理的なテーマについて医学生/研修医に向けて解説。小児科医であり絵本作家でもある著者が, 医療現場のエピソードに沿った「物語」を提供し, 読者に考えてもらいながら倫理観を育んでいく。「明日からの診療に役立つ一言」も記載し, 躓いたとき, 迷ったときに心の支えとなる書籍。湯浅正太著/2420 円(メジカルビュー社)
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