子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

小児科医にとってのスクープ

2023/06/21

記事【小児科医にとってのスクープ】

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

#私的スクープ #小児科医 #湯浅正太 #しょーた #Yukuriーte

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。

気づいたら僕のYukuri-teという法人が設立二周年を迎えていました。色々な方から、子どもの支援相談をいただいたり、一緒にコラボして活動するご相談もいただいてきました。今後もマイペースに活動していきたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします。

先日もYukuri-teの方にご相談のメールを送ってくださった方がいますが、そのお返事はこの週末のVoicyで取り上げますね。ちょっとお待ちください。

そんな今日は、「小児科医にとってのスクープ」というテーマでお話ししたいと思います。

あなたには、これまでに何か「えっ」と感じたスクープはありますか?僕には、小児科医として働く中で、そんなことが山ほどあります。

例えば、感染症に対するマスクの効果です。昔は、「外来に出るのにマスクなんて必要ないよ」、そんな風におっしゃる先生がいました。でも、僕はマスクをしないと頻繁に患者さんから感染症をいただいていたんですね。だから、小児科の外来に出る時には、いつもマスクをしていたんです。それは比較的珍しい光景でした。

でも、このコロナ禍になって、飛沫対策にマスクは欠かせない、そういった意識が強くなりました。だから、発熱のある子どもを診察するのに、マスクを着用することが当たり前になりましたね。それは、僕にとっての一つのスクープですね。

あとは、例えば、学校の特別支援「学級」を担当する先生が、他の先生に比べて特別な資格が必要ないということでしょうか。特別支援「学校」で働く先生には、そのための教育課程というものが存在します。

でも一方で、一般の地域の学校にある特別支援「学級」で働くには、他の先生に比べて特別な資格は必要ないんですね。

そうなるとどんなことが生じると思いますか?それは例えば、子どもの支援に対する理解の不一致です。支援「学校」の先生であれば、「そりゃそうですよね」と言って阿吽の呼吸で理解いただける子どもの様子について、支援「学級」の先生ではそうはいかないこともある。そんな現実があります。

でも、これは支援「学級」で働く先生への批判ではありません。勘違いしないでください。これは、国の制度への批判です。

なぜなら、子どもたちの支援にあたって、子どもたちの様子を分析できないと、どんなことが起こると思いますか?それは、子どもが困ることはもちろんのこと、その先生自身も困るんです。先生自身が困り果てて、精神的にまいってしまう現場も見てきました。そういう現場って、決して珍しくないんです。

それを、国は把握していますか〜〜〜〜〜〜!!!!!!と訴えたいということです。

形だけ整えようとしてもダメなんです。支援には、支援の知識が必要なんです。支援「学級」を担当するようになった先生が、以前校長先生のキャリアを務めていたことがある人であっても、です。

僕は、支援「学級」を担当する先生には、それなりの実地研修の機会を国がしっかり設けるべきだと思っています。付け焼き刃的に対応したって、ダメなんです。それは、子どもを守るためにも、教師自身を守るためにも、とても大切なことです。

今日は「小児科医にとってのスクープ」というテーマでお話ししました。

だいじょうぶ。

まあ、なんとかなりますよ。

湯浅正太(ゆあさしょうた)

PROFILE
2007年 3月 高知大学医学部 卒業。小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。

一般社団法人 Yukuri-te(ゆくりて)

『みんなとおなじくできないよ』

障がいのある「おとうと」がいる小学生の「ボク」。おとうとのことを好きだけど、ちょっと恥ずかしく、心配にも感じている。複雑な感情と懸命に向き合って「ボク」がたどり着いた答えとは?「きょうだい児」ならではの悩みや不安、孤独な気持ちが当事者の視点から描かれた絵本。湯浅正太著/1760 円(日本図書センター)

『みんなとおなじくできないよ』

診察する, 治療する, 命と向き合う, …医師として働くとはどういうことか, 患者さんにどう接するか, “正解”はなくとも「考えて答えを出していかねばならない」倫理的なテーマについて医学生/研修医に向けて解説。小児科医であり絵本作家でもある著者が, 医療現場のエピソードに沿った「物語」を提供し, 読者に考えてもらいながら倫理観を育んでいく。「明日からの診療に役立つ一言」も記載し, 躓いたとき, 迷ったときに心の支えとなる書籍。湯浅正太著/2420 円(メジカルビュー社)

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