子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

子どもの自己効力感を考える

2023/06/14

記事【子どもの自己効力感を考える】

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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

#自己効力感 #小児科医 #湯浅正太 #しょーた #Yukuriーte

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。

今日は、「子どもの自己効力感を考える」というテーマでお話ししたいと思います。

あなたは、「自分はできる!」、そんな気持ちをどれほど持っていますか?あなたの周りにも、自信がある人もいれば、自信なさげな人もいると思います。その人がどんな気持ちを抱きやすいかによって、社会での生きやすさ、もっというと人生が変わります。

子どもの中にも、色々な性格の子どもがいますよね。新しい出来事に遭遇した時に、「よしやってやる!」なんて、新しいことにチャレンジしてみようとする子。あるいは、「自分にはできない」なんて、新しい物事にチャレンジせずに引っ込んでしまう子。色々な子どもたちがいます。

人は、小さな課題を一つずつクリアして、自分のできる範囲を広げていきます。それは、自分の世界を広げるとも表現できるかもしれません。新たな成果をどんどん重ねていって、自分の生きる社会をどんどん広げていきます。

カナダの心理学者アルバート・バンデューラは、「自分にもできるだろう」と思うこの感覚を「自己効力感」と呼びました。子どもたちが社会で色々なことを成し遂げるためにも、この自己効力感を手にしてもらいたいですよね。

では、どうすれば、この自己効力感を手に入れられるのでしょうか?つまり、どうすれば子どもたちに「自分はできる!」なんていう自信を持ってもらえるんでしょうか?そのことを考えてみたいと思います。

この自己効力感を生み出すために必要なものが、いくつか示されています。それには例えば、成功体験があります。自分で行動し成し遂げ達成感を味わう、ということです。でも、これには、そりゃそうだよね、と思いますね。色々な成功体験を経験することで、自信を手に入れる。そりゃそうだと思います。

この成功体験を積むのは、子どもたちが行動する必要があります。つまり、子どもたちに行動してもらって、子どもたち自身に成功体験を経験してもらうわけです。子どもたちに主体的に動いてもらう必要があるということです。もちろん、子どもたちが物事を成功するために、周りの大人はお膳立てする。そんなことがあるでしょう。でも、実際にその物事をやってもらうのは、やっぱり子どもたち本人ということです。

この考え方には、「そりゃそうだけど、子どもたちに成功体験を積ませることが、そもそもなかなか難しいんだよ」、そんな感想を抱く方もいるかもしれません。自分とは違う他人である子どもたちに成功体験を積ませてあげたい。だけれど、それがなかなか難しい。だからこそ、親は歯がゆい思いをするんだと思います。

では、子どもたちにさせるというのではなくて、親自身が行うことで、子どもの「自分はできる!」という気持ちを作り出す方法はないんでしょうか?実は他にも、こんな方法が挙げられています。

それは、「代理経験」です。代理経験とは、子どもの周りにいる人が何かを達成することで、それを見ている子どもも「自分もできる」という気持ちを持つ、ということです。

このことについて、親が行動すれば、子どもに自己効力感を抱いてもらえるということです。つまり、親が何かを達成する姿を子どもに見せてあげる。他の言葉では、親の背中を見せるという言葉で表現できるかもしれません。

親と同じ職業に就くというのも、この「代理経験」の影響もあるかもしれません。政治家の家に、政治家の子どもが誕生する。医師の家系に、医師の子どもが誕生する。そんな風に、身近にいる親を見ているからこそ、親の職業を身近に感じて、「自分も親と同じ職業であれば働ける」と思うのでしょう。

親が生活での課題について、「どうしよう、どうしよう」という態度でいるよりも、「大丈夫、まあどうにかなるよ」という態度でいること。その姿は、子どもたちの自己効力感を高める要因になるでしょう。

僕も、ラジオでは「だいじょうぶ。まあ、なんとかなりますよ」なんて言っていますが、そういう人が身近にいれば、日々の課題を乗り越える姿勢が保てる、そんなものです。

今日は「子どもの自己効力感を考える」というテーマでお話ししました。

だいじょうぶ。

まあ、なんとかなりますよ。

湯浅正太(ゆあさしょうた)

PROFILE
2007年 3月 高知大学医学部 卒業。小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。

一般社団法人 Yukuri-te(ゆくりて)

『みんなとおなじくできないよ』

障がいのある「おとうと」がいる小学生の「ボク」。おとうとのことを好きだけど、ちょっと恥ずかしく、心配にも感じている。複雑な感情と懸命に向き合って「ボク」がたどり着いた答えとは?「きょうだい児」ならではの悩みや不安、孤独な気持ちが当事者の視点から描かれた絵本。湯浅正太著/1760 円(日本図書センター)

『みんなとおなじくできないよ』

診察する, 治療する, 命と向き合う, …医師として働くとはどういうことか, 患者さんにどう接するか, “正解”はなくとも「考えて答えを出していかねばならない」倫理的なテーマについて医学生/研修医に向けて解説。小児科医であり絵本作家でもある著者が, 医療現場のエピソードに沿った「物語」を提供し, 読者に考えてもらいながら倫理観を育んでいく。「明日からの診療に役立つ一言」も記載し, 躓いたとき, 迷ったときに心の支えとなる書籍。湯浅正太著/2420 円(メジカルビュー社)

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