子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

障害を持つという言葉をあなたはどう考えるか

2023/06/11

記事【障害を持つという言葉をあなたはどう考えるか】

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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

#障害 #発達障害 #小児科医 #湯浅正太 #しょーた #Yukuriーte

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。

今日は、「障害を持つという言葉をあなたはどう考えるか」というテーマでお話ししたいと思います。

今週水曜日に、「小児科医が話す発達障害を理解するために知っておきたい知識」という有料放送を流す予定でいます。今日は、昨日に引き続き、その放送と少し関係のあることをお話ししたいと思います。

昨日は、障害はどこにあるのか、なんて話をしました。「障害はその子の中にあるわけではなくて、その子どもと社会との間で反応として現れてくるもの」ということでした。

コメントをくださった方、ありがとございました。どんな人にも間違いなく個性があって、その個性と社会との間で障害は生じますね。あなたは、障害そのものではないんです。ですから、社会との間で生じる障害がどうであれ、唯一無二の個性を大切にして生きてください。

そんな昨日のお話に続いて、今日は「障害を持つ」という言葉について考えてみたいと思います。

僕は障害児医療の分野で働いています。もちろん小児科医なので、感染症やら、喘息やら、なんでもみます。そういった診療はするけれども、一生を通じて行いたいことは、障害児に関わるということです。

そんな僕のところには、障害に関わる執筆依頼が届きます。そんな執筆にあたって編集者さんたちと話し合う時に、時々こんなやりとりをすることがあるんです。

「『障害を持つ』という表現にしますか?それとも、『障害のある』という表現にしますか?」、そんなやりとりです。このやりとりは、障害に長年関わっている方であれば、必ずしたことのあるやりとりと思います。

あなたなら、どう思いますか?

障害者の支援に関わっていらっしゃる方の中には、「障害を持つ」という表現に否定的な意見をお持ちの方がいらっしゃいます。「『障害を持つ』(という表現)なんてけしからん!」、そんな風に語気を強めておっしゃる方もいます。

それは、障害はその人が意図的に持ちたくて「持っている」ものではなくて、その人の意思によらずに「ある」ものだからです。ですから、その人が意図的に「持っている」かように、「障害を持つ」なんて書くのはけしからん、ということです。

この意見に対して、あなたはどんな風に思いますか?

おそらくこの言葉の捉え方は、今後時代とともに変わっていくだろうなと思います。色々な支援者に接していると、各年齢層で、この「障害を持つ」という表現への反応が少しずつ違うように思います。

僕も、「その人の個性と障害とは別物」という意識さえ守られていれば、時代と共にどんな表現になろうとも納得できるだろうと思うんですね。何が正解で、何が間違い、ということはないのだろうと思います。

ただ、間違いなくそこに共通してあるのは、「障害の診断を受けたその人をその人として大切にしたい」という思いでしょう。

僕がこのお話をした趣旨も、その表現が正しいとか間違っているとか、そんなこと言いたいのではありません。僕が共有したいのは、その発言に込められた「思い」です。

「『障害を持つ』なんて表現はけしからん!」、そういう発言に込められた思いって、「その人をその人として大切にしたい」という思いなんだろうと感じるんですね。僕は、その思いが大好きなんです。

僕が小児科医として生きていて救われると思う瞬間があります。それは、「他人のことを思いながら生きることも良しである」、そんな思いに出会えた瞬間です。差別や偏見が横行している世の中で、色々な個性と共に生きようとする姿勢に出会えた時には、なんだかホッとするんですね。

先日も、こんなことがありました。息子たちと妻の誕生日プレゼントを選びに行ったんですね。どれがいいかなあなんてお店の中をウロウロしていたら、息子たちの姿が見えたんですね。彼らは真剣に妻へのプレゼントを探してくれていたんです。色々検討してくれて、結局「これがいいよ」って勧めてくれた服をプレゼントとして買いました。

そんな風に自分たちのお母さんを思いながら、一生懸命にプレゼントを考えている息子たちをみて、とっても嬉しくなりました。自分ではない相手の喜びのために行動する。そういう姿を見て、父親としてとても胸が熱くなったんですね。

今日は「障害を持つという言葉をあなたはどう考えるか」というテーマでお話ししました。

だいじょうぶ、

まあ、なんとかなりますよ。

湯浅正太(ゆあさしょうた)

PROFILE
2007年 3月 高知大学医学部 卒業。小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。

一般社団法人 Yukuri-te(ゆくりて)

『みんなとおなじくできないよ』

障がいのある「おとうと」がいる小学生の「ボク」。おとうとのことを好きだけど、ちょっと恥ずかしく、心配にも感じている。複雑な感情と懸命に向き合って「ボク」がたどり着いた答えとは?「きょうだい児」ならではの悩みや不安、孤独な気持ちが当事者の視点から描かれた絵本。湯浅正太著/1760 円(日本図書センター)

『みんなとおなじくできないよ』

診察する, 治療する, 命と向き合う, …医師として働くとはどういうことか, 患者さんにどう接するか, “正解”はなくとも「考えて答えを出していかねばならない」倫理的なテーマについて医学生/研修医に向けて解説。小児科医であり絵本作家でもある著者が, 医療現場のエピソードに沿った「物語」を提供し, 読者に考えてもらいながら倫理観を育んでいく。「明日からの診療に役立つ一言」も記載し, 躓いたとき, 迷ったときに心の支えとなる書籍。湯浅正太著/2420 円(メジカルビュー社)

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