記事【お金のかからない子どもたちへの投資】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。
2023年2月19日の今日は、お金のかからない子どもたちへの投資、というテーマで短くお話ししたいと思います。
あなたは子どもたちへ投資をしていますか。例えば、塾へ通わせたり、ピアノを習わせたり、教育資金を積み立てているという方もいるかもしれません。でも、今日はそういったお金をかけた投資の話ではありません。お金をかけることよりも、もっともっと大切な子どもたちへの投資のお話です。
そんな話をするにあたって、あなたに教えてもらいたいことがあります。あなたは、笑えますか?あなたは、人が話をしてくれた時に頷くことができますか?どうでしょう、この質問にあなたはどんな風に答えるでしょうか。
では、もうちょっと聞いてみたいと思います。あなたのお母さんあるいはお父さんは、あなたが話をしている時に笑ってくれましたか?あなたが話をしている時に、「そうだね」といって頷いてくれましたか?
僕が小児科医として親御さんを見る時、こういった点を気にしながら、実はとても厳しい目で見つめています。顔では笑っているかもしれませんが、心ではとてもセンシティブに親御さんたちを観察しています。
こちらが話をした時に、どんな反応を返してくれる親御さんなのか。表情が変わらないのか、あるいは表情が豊かに変わり反応を返してくれる人なのか。そういったことをつぶさに観察しています。
なぜだと思いますか。
それは、目の前の親御さんがお子さんたちにどんな反応を示すのかを知りたいからです。
子どもたちは親御さんとの会話を通して、感情を学びます。どんなシチュエーションで、楽しい気持ちになるのか、悲しい気持ちになるのか。そんな喜怒哀楽を学びます。
それに子どもたちは、自分たちが楽しい気持ちの時に、共感してくれ存在を求めます。子どもたちは、自分たちが悲しい気持ちの時でも、ふと笑顔で癒してくれる存在を求めます。その重要な役割を担うのが、親です。
子どもたちがその感情の表し方を身につけていないと、どうなると思いますか。楽しい時に楽しい気分をお友達と共有できないと、集団での生きづらさが生まれます。困った時に困ったその感情を他人に伝えられないと、いつの間にか心が病んでしまいます。
子どもの頃に身につけた感情表現の方法は、一生ものなのです。その子どもの一生を左右するのです。勉強のスキルを身につけても、社会での感情の表し方を知らなければ、大人になってから必ずつまずきます。社会人としてつまずくかもしれませんし、子育てでつまずかもしれません。そういうものです。
子どもたちへの色々な投資がありますが、豊かに感情を表現できるように、親御さんの笑顔を子どもたちにしっかり見せてあげる。子どもたちの気持ちをわかっていることを親から子どもにしっかり示すために、親が頷いて反応してあげる。それは、どんな習い事よりも価値のあることです。
今日は、お金のかからない子どもたちへの投資、というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ、
まあ、なんとかなりますよ。
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