記事【子どもたちに学ばせるリフレッシュ】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
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こんにちは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。
今日は、子どもたちに学ばせるリフレッシュ、というテーマで短くお話ししたいと思います。
あなたは気持ちが切り替わる瞬間を感じることはありますか?例えば、なんだか少し疲れていたのに、あることをきっかけに気持ちがシャキッとなる、とか。そんな心の切り替えを意識できると嬉しいものです。
もしも意識的に自分の気持ちをふっと楽になる方向に持っていくことができると、私生活も、仕事もとても楽になります。
でも心や身体をリフレッシュするには、まずは自分の心や身体の状態を察する力が必要です。
「あ、自分は今疲れているんだな」とか。「自分は今興奮しているんだな」とか。そういった自分の気持ちや身体の様子に気づけるか。
大人になるまでに色々な経験を重ねると、そういった「心と身体のバランス」を理解できるようになるものです。できるようになりたいものです。
でも、大人になってもまだまだそのバランスを認識しにくい人もいます。ましてや人生経験の浅い子どもたちはそうもうまくはいきません。
小児科医として働いているとこんなことをよく経験します。ちょっと学校生活でつまづくことが多かった子どもが、ある時お友達と遊園地に遊びに行った。でもそうしたら、遊園地から帰ってきた翌日から数日間以上寝込んでしまうことがあった。
こういった普段の様子からはかけ離れた生活を送ることで、どっと身体に負担がかかり、その後静養を余儀なくされる。心は張り切っていても、身体がついていかないということですね。
こんな風に、心と身体で感じているものにギャップがあるからこそ、うまく生活できなくなってしまう。そんなことがあるものです。これは珍しいことかというと、全然そんなことはなくて、小児科医としてよく耳にするエピソードなのです。
そしてさらに言うと、そういった経験が悪いかというと、そういうわけではないのですね。色々な失敗を経験して、子どもたちは学びます。「ちょっと無理してみたら、身体がついていかなかったな。じゃあ、次はちょっと工夫してみようかな」、そんな風に失敗を経験に変えていくわけです。
この「子どもが失敗を経験に変える」上で大切なものが、親の言葉かけです。
「ほらーダメじゃない」なんて否定的な言葉かけばかりするのではなくて、「疲れるほど、よく楽しんだのね。まあゆっくり休みなさい」くらいの、失敗もちょっと肯定してあげるくらいの姿勢。その関わりが大切です。
この言葉がけで大切な点は、「今回の経験がどうして起こったのか」を言語化してあげること、そして「それはたいしたことではなくて乗り越えられる事柄であること」、この2点を共有している点です。それらを伝えることは子どもたちの成長にとって大切なことなのですね。
そうやって子どもたちに心と身体のリフレッシュのきっかけを作ってあげられるかどうか。それが、その子の人生に大きな影響を与えます。
どんな困難も、うまいこと乗り越えられる心と身体を準備してあげる。そのためには、やっぱり意識した関わりが欠かせないのですね。
今日は、子どもたちに学ばせるリフレッシュ、というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ、
まあ、なんとかなりますよ。
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