記事【正義と不義は紙一重】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。
今日は、正義と不義は紙一重、というテーマで短くお話ししたいと思います。
あなたは自分が正しいと思っていることにどれだけ自信を持っていますか。人は自分の信念に沿って行動し、そこに安心感を感じます。一方で、自分の正義に反するものに対しては嫌悪感を抱くものです。だから、人は自分の正義を主張し安心感を得ようとします。
でも、人の社会では多くの場合、一つの正義があるとは言えないからこそ、一つの正義ばかりを主張するとうまくいかなくなる。状況によってはAが正解だったけれど、その状況が変わればBが正解ということが起こる。そういうものです。何が正しいか、それは、時代、環境などによって変わりうるものです。
一つの正義ばかり主張することで、場合によっては宗教弾圧や戦争にも発展しかねない。そういう危険性がありますね。だからこそ、自問自答しながら、自分の正義が暴走しないかどうか注意を払う必要があります。正義と不義は紙一重ということですね。
それは、子育てでも同様ですね。
小児科医としてよく受ける相談に、「子どもへの対応について、それはダメ!と注意を受けるんですが、そうやって言われると、ただただしんどくなるだけで何も前に進まないんです」という相談を受けることがあります。
つまり、支援者からアドバイスを受ける際に、その支援者の正義を押し付けられてしまって、窮屈な思いをするということですね。アドバイスを受ける側も、そのアドバイスが正しいことは承知しているけれど、それを実行できないから困っている、ということですね。
実際に医療現場・支援現場で働いていると、「それは言い過ぎではないかなあ」「その指摘は正しいかもしれないけれど、それをできないから困っているんじゃないかな」と思うことは珍しくありません。「正義ばかり主張しては解決しない」ということですね。
そういう色々な経験を積んで思うことは、正義を主張するよりも、例えば、困っている親御さんと一緒に考える姿勢の方が子どもの生きやすさを導き出せる、ということです。
そして、このお話にはさらに先があります。それは、子どもに対しても同様のことが言える、ということです。大人の正義を子どもに押し付ける。それが子どもの生きづらさを助長しているケースは少なくありません。
やはり、子どもと一緒に考えるスタンスは大切ですよね。一つの正義を押し付けるわけではなくて、目の前の困っている子どもと一緒に課題を考える。そういう身軽なスタンスが最も大切であると強く感じます。
今日は、正義と不義は紙一重、というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ、
まあ、なんとかなりますよ。
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