記事【出版社の方との対談】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
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「大学卒業後、地方から東京に引っ越しをしたため、頼れる友人や知り合いが誰もいなかった。嫌なことや悩みごとがあってもなかなか話せずにいた」という声に対して
湯浅:
そういうこと、ありますよね。知らない土地に行く、初めての場所で働く。とても緊張して、悩みをなかなか話せなくなりますね。
考えてみると、人って子どもの頃から同じような経験を何度も何度も積んでいますよね。例えば、今回の悩みを教えてくれた社員さんにも、きっと子どもの頃があったと思います。
その子どもの頃に新しい環境を経験していますよね。例えば、新しい学校に入学したり、新しい学年になったり、そうやって新しい環境を経験しているはずです。でも、意識せずにそこを乗り越えてこられたのは、何でだろうということを考えたいと思います。
その答えは、そういった新しい環境で抱える不安があっても、それを克服するための安心できる存在があったから、ですね。その安心できる存在として重要なのが、子どもの頃は、親御さんですね。
大人になっても同じですね。大人になっても、一人で不安を乗り越える必要はないですね。新しい会社に入ったら、親御さんに連絡してみるのもいいですね。でも、親に連絡したがらない若者の方が多いですね。僕もそうでした。
そうであれば、自分にとって都合がいい、安心できる存在をもっておくのがいいですね。例えば、それは人でなくってもいいんですよ。物でもいいわけです。古いアルバムだったり、大切にしているグッズ、なんでもいいんですね。
何かちょっと落ち着けるものをもっておいて、新しい環境での不安が生まれたら、安心できる存在に触れながらちょっと落ち着く。そんなことを繰り返しているうちに、新しい環境に慣れるものです。
これからの社会生活では、きっと新しい場面なんてたくさんありますからね。その度に、安心できる存在とつながれれば、色々な場面を乗り越えていけますね。
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