記事【着目したいのはその子らしさ】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。
今日は、着目したいのはその子らしさ、というテーマで短くお話ししたいと思います。
あなたは、子どもたちのその子らしさがわかりますか?僕は小児科医として働く中で、診断名によってその子のことがわかるかのように思ってしまっている社会を感じます。
例えば、知的障害とか、発達障害とか、その診断名があったからと言って、その子らしさはわかりません。同じ発達障害があっても、その子その子で生きやすさ・生きづらさは違います。
診断名にこだわるあまり、その子らしさを無下に扱ってしまう。そんな社会を感じます。子どもに関わる専門家であっても、そんな傾向がないわけでもない。色々な現場を見ていてそう思います。
もしもインクルーシブで色々な個性を同じ環境で育てようとするなら、これまでの評価とは違った角度でその子らしさを認める教育が必要でしょう。そうでなければ、個性的な子どもたちが辛い目にあうだけです。
これまでのような国語・算数などの科目の評価よりも、人を笑顔にしてくれる、人を傷つけない、そういった社会で共に生きる上で大切なものをしっかり評価できる環境が必要です。そうでなければ、みんなで一緒に学ぼうとするインクルーシブは実現しません。
先日、子どもたちを支援する団体の方々と一緒にお話をした時のことです。ある職員さんが、子どもの頃の通知表の結果が大人になった時の生きやすさを反映していないことを指摘してくれていました。
本当に必要なのは、その子らしさを正しく評価できる社会です。そういう社会であれば、子どもだけでなく、大人にも、もっともっと生きやすさが生まれるんじゃないでしょうか。
今日は、着目したいのはその子らしさ、というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ、
まあ、なんとかなりますよ。
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