記事【きょうだい児がいつから将来のことを考えるか】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもに関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。
病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹を、ひらがなで「きょうだい」あるいは「きょうだい児」ということがあります。今日は、そんなきょうだい児がいつから将来のことを考えるか、というテーマで短くお話ししたいと思います。
知的障がいや自閉症、注意欠如多動症といった障がいは、現在はまとめて神経発達症と言ったりします。僕の外来には神経発達症の子どもたちが来てくれますが、時々そのきょうだい児も一緒に外来に来てくれます。
そんなきょうだい児がやってきてくれた時には「一緒に来てくれてありがとうね」なんてお礼を伝えたりします。時には、個別にきょうだいの子どもたちとお話をしたりもします。
そんな風にきょうだいの子どもたちとコミュニケーションをとると教えてくれるのが、将来への不安な気持ちです。「僕たちだけで、一緒に生活していけるかな?」とか、「僕/わたしは、結婚しないで頑張らないといけないかな?」なんて教えてくれます。
いつ頃から、そんなことを考えていると思いますか?僕の経験では、早くて小学1年生からそんなことを相談してくれるようになります。
あなたは、この事実をどんな風に捉えますか?多くの人はこう思うんじゃないでしょうか。「そんな幼い時期から将来への不安を抱えることがあるのか」。そうなんです。そんな幼い時期から、きょうだい児は真剣に家庭のことを考えはじめます。
子どもたちは不安を抱えた状態でいると、生活への不適応をきたすことがあります。自分の気持ちを押し込めて、心を閉ざしてしまうきょうだい児もいます。不登校になるきょうだい児もいます。ストレスのあまり落ち着きなく学業に集中できなくなるきょうだい児もいます。
その生きづらさを、きょうだい児自身のせいにしてしまう現実がある。それは、きょうだいという立場の子どもたちにあまりにも申し訳ない。そんな風に思いながら、きょうだいという立場の子どもたちに将来の見通しを伝えるために、僕はきょうだい(児)支援の活動をしています。
きょうだいに、「キミだけで頑張る必要はないんだよ」「社会が一緒に支えるから大丈夫だよ」「結婚もしていいんだよ」、そんなことを伝えながら、きょうだいという立場の子どもたちの「生きる」ということを真剣に考えたいと思います。
今日は、きょうだい児がいつから将来のことを考えるか、というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ、
まあ、なんとかなりますよ。
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