記事【努力不足ではない苦手】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもに関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。
今日は、努力不足ではない苦手、というテーマで短くお話ししたいと思います。
あなたは、計算をすることは得意ですか?あなたは、文章を読むことが得意ですか?人には、得意な分野もあれば苦手な分野もあります。もちろん僕にもあります。
小児科医として子どもたちの様々な能力を見ていますが、社会にぜひ知っていただきたいことがあります。それは、通常以上の努力をしなければ学習できない子どもたちがいる、ということです。
こんな簡単な計算問題なら解けるでしょ。こんな短い文章なら理解できるでしょ。そうやって大人が判断してしまう結果、子どもが問題を解決できないと、その子の努力不足と評価してしまう。そんなことが実際にあります。
しかも厄介なことに、子どもに困難がある場合、勘違いされてしまいやすいシチュエーションに陥ることがあるものです。例えば、子どもは困難があると、その困難を避けようとします。それは、子どものSOSです。
でも、子どものその困難を避ける姿勢を見て、努力不足と判断してしまう大人がいるのです。
人の能力は本当に色々です。一回説明してスッと頭で理解してしまう子どももいれば、何度教えても頭で理解できない子どももいます。子どもたちの「苦手」があった際には、努力不足以外の困難がないかどうか、今一度注意してみてください。
それに、面白いことに、そうやってなかなか学習できなかった子どもでも、ある分野ではどんどん理解し先に進んでいくことだってあります。そして大人になって、社会で活躍している人がたくさんいます。
今日は、努力不足ではない苦手、というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ、
まあ、なんとかなりますよ。
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