記事【社会における正解】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。
今日は、社会における正解、というテーマでお話ししたいと思います。
あなたは学校で正解のある問いを何度も何度も解いてきたと思います。でも、社会に出てみるとよくわかるのは、正解のない問いが圧倒的に多いということです。しかも、その問いに正解がなくても、場所やそこに関わる人物によってその正解が決まっていくことだってあります。時には、その人の気分によって正解が変わることだってある。
それが、人間の社会です。
子どもたちは、大人の決めた正解に左右されながら、その子なりの価値観を身につけていきます。そうやって手に入れた価値観をもとに様々な決断をするわけです。その判断が、吉と出るか、凶と出るか。それは、その子の価値観、さらに遡ると、大人が決めた正解によって左右されると言っても過言ではないわけです。
子どもたちへの支援の現場の正解も同様です。子どもが問題行動を起こした時に、どんな風に支援者が関わるかは、その支援者の価値観によって若干異なります。子どもの専門家と言われる集団の中でも、やはりそれぞれの支援者によって、子どもたちへのアプローチが少しずつ違うものです。
子どものある問題行動に対して、「A」というアプローチをする支援者もいれば、「B」というアプローチをする支援者もいます。そうやってそれぞれがプライドをもって子どもの支援にあたっていますが、時にはそのプライドが邪魔をして、自分の正解を主張して支援者同士が対立してしまうことだってあるものです。
でも、繰り返しますが、人間の社会では正解のないことの方が多いものです。「A」のアプローチをしたって、「B」のアプローチをしたって、そこに子どもへの思いがあれば子どもは成長することが少なくありません。
そういった柔軟な姿勢をもつためには、支援者同士がもつ共通の思いを意識する必要があります。それは、「子どもたちに成長してもらいたい」という思いです。そういった共通の思いをもっていることを支援者たちが意識できることで、支援者同士がお互いを認め合いながら協力できる支援体制ができあがるものです。
今日は、社会における正解、というテーマでお話ししました。
だいじょうぶ、
まあ、なんとかなりますよ。
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