子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

子どもの能力をみるときに欠かせない視点

2022/08/23

記事【子どもの能力をみるときに欠かせない視点】

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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

子どもたちには色々な能力がありますが、小児科医として子どもたちの能力をみる時、どんなところを最も気にしているか、ということについてお話ししたいと思います。

人には色々な能力があります。物事を覚える能力。計算するという能力。相手の気持ちを理解する能力。そんな色々な能力をもちながら、生活の様々な場面でその能力を生かします。

でも、人は様々な能力をもつけれど、全ての能力が均一に長けているという人はまずいません。どこかの能力が長けていれば、どこかの能力はそこまで長けてはいない、ということがほとんどです。

例えば、知能検査の結果でもそうです。知能検査を行うと、その子の得意不得意が分かります。ある能力は長けていて、ある能力はそうでもない。いわゆる能力の凸凹が見えるわけです。でも、それでいいのです。

時々勘違いされる方がいて、「知能検査で能力の凸凹が明らかになりました。発達障害でしょうか?」なんて言っている方がいます。いいえ、人の能力って、そういうものなのです。

そんな風に凸凹があって当然な子どもたちの能力を見る時、あなたならどんなところに注目しますか?小児科医として注目する点は、どこだと思いますか?それは、「生活に支障がないように、お互いの能力がカバーしあっているか」という点です。

長けていない能力があったとしても、他の能力でカバーする。そうやって、人は生活を維持しています。ですから、子どもたちに苦手な分野があったとしても、それが他の能力によってカバーされて生活が成り立っていればいいのです。

逆に、長けている能力があったとしても、不得意な能力をカバーすることができずに生活に支障がでるようなら、その子を支援してあげる必要があります。

このように、小児科医として子どもたちの能力を見るうえで大切にしていることは、「生活に支障が出ないようにお互いの能力でカバーできているか」ということなのです。

子どもたちの色々な能力を感じてください。仮に苦手な分野があっても、他の能力でカバーするという視点を大切にしてください。人って、そういうものですから。

だいじょうぶ、

まあ、なんとかなりますよ。

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