子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

気が散ってしまう子どもへの関わり方

2022/07/27

記事【気が散ってしまう子どもへの関わり方】

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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

#気が散ってしまう子どもへの関わり方 #子育て #小児科医 #湯浅正太

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今日は、注意を切り替える力について考えてみたいと思います。皆さんの周りには、こんな大人や子どもはいませんか。周りの刺激にいちいち反応してしまう人。何かが通り過ぎたら、すぐにそっちに視線を移してしまう人。何かが聴こえたら、すぐにその音に気を取られてしまう人。いますよね。

そんな他の刺激への注意の引き込まれやすさを「転導性」と表現したりします。「転導性が高い」というと、他のものへ注意がそれやすく、次々と興味が移ってしまう状態を指します。

そんな子どもは、暇な状態だと特に注意を何かに持続することが難しいのですね。じっとしていることが難しくて、周りのお友達や兄弟にちょっかいを出してみたりして、人の嫌がることを生み出しながら刺激を作り出していきます。そうやって相手を怒らせてしまうことから始まって、いつの間にかちょっかいを出した本人が逆ギレしていたりするものです。

そういった転導性が高い子どもは、運動会や合唱コンクールなどの行事の練習に参加することが苦手です。同じことを何度も何度も繰り返す練習が苦手なのですね。ですから、なんだかグダグダしてみたり、注意散漫で真剣に活動に参加していないように見えてしまうことが少なくありません。そうなると、周りからも注意されてしまうものです。

でも、そういった転導性が高い子どもが本番にうまくできないかというと、意外とそういうわけでもないのです。繰り返しの練習の時は気が散ってしまってしょうがなかったけれど、「今しかない!」という本番になると本領を発揮することも珍しくありません。

そんな様子を見て、「やればできるなら、練習でもちゃんとやれよ」と思う人がいるかもしれません。でも、転導性が高い子どもって、そういうものなのです。練習でも本番でも、どこでもちゃんとやるということが苦手なので、その特徴をまずは理解してあげてください。

そのうえで、「あなたは、本番はちゃんとやれる子って知っているよ」なんて言ってあげる心の余裕を持ちながら、その子に関わってみてください。そんな心の余裕を周りの大人が持ちながら、練習でその子に求めるもののハードルをちょっと下げてあげるくらいがいいかもしれません。

特に練習で本人を追い詰めてしまっては、もったいないのですね。そういうことがないように、「本番を期待して、練習はソコソコに」くらいの気持ちが良いものです。そんな気持ちを抱きながら、本番で一生懸命行動してくれたら、「やっぱり、できるんじゃない。知ってたよ」、そんな風にその子を評価してあげてください。

転導性が高い子どもは、大人の指示に従いたくないわけではありません。みんな本当はうまく行動したいのです。そういった特徴を理解しながら関わってあげると、その子の心は健全に育っていきます。

だいじょうぶ。

まあ、なんとかなりますよ。

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