記事【子どもに手にとってもらいたい一冊】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。
皆さんは、「この本、読んでいてよかったなあ」という本はありますか。何かのきっかけをくれた本とも言えるかもしれません。僕の場合は、「地球の歩き方」という本ですね。書店でよく旅行のコーナーに置いてある本です。
僕は大学生の時、「地球の歩き方」の本をリュックに入れながら、カナダやアメリカ、オーストラリアを旅しました。病院で研修をさせていただいたり、時にはバックパッカーをして、バックパッカー用の安い宿を転々としていたこともありました。そうやって海外で生活する中で、必ず「地球の歩き方」という本が近くにあったのですね。
ただ、そんな身近に持っていた「地球の歩き方」という本ですが、この本を見ながら歩くことはしませんでした。そういうことはせずに、その本をある程度宿で読み込んでおいて、出発したらリュックにしまっておく、というような感じで持ち歩いていました。
それは、何でだと思いますか?それは、道端でそういった本を見ていると、見知らぬ土地を初めて旅行している観光客と思われて、盗みの被害にあいやすくなるからです。それに、あまり綺麗な格好もしないで、「この子はお金を持っていないのだろうなあ」と思われるような格好をして旅行をしていました。
僕は確かに右も左もわからない観光客だったからこそ、そうやっていつもある程度警戒しながら旅行をしていました。でも、そうやって少し緊張感を持ちながらも、毎日が本当に楽しかったのです。
そんな思い出の「地球の歩き方」ですが、それは歴史や地理の教科書のようであったり、英会話の教科書のようでした。文化や宗教のことも含めて旅行先のことが色々書いてあるし、旅行先の英会話でも使えることが書いてあったり、本当に勉強になりました。「この本の編集者の方々は、きっと旅行が好きなんだろうなあ」と思いながら、感謝しながら、その本を使っていたものです。
今はコロナの流行でなかなか旅行がしにくい世の中ですが、そんな時代でも「地球の歩き方」のような本を持っていれば、頭の中で色々なところに旅ができます。色々な制限の中で暮らすことを余儀なくされている子どもたちですが、こんな時代だからこそ、旅行コーナーの本も利用しながら世界各地を旅するのも一つの方法と思います。
そこから得られるものは、たくさんあるはずです。そうやっているうちに、「こんなところ、行ってみたいなあ」という好奇心を持てるだけでも、子どもの心にとっていい影響があります。
今のコロナ禍を、「できないことが多い時代」と捉えるよりも、「暮らしが変わったからこそ、面白い発想が生まれやすい時代」と思ってしまうくらいがいいのかもしれません。ぜひ、子どもたちに色々な世界を見せてあげてください。
こんな時代でも、だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。
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