子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

つながるだけで本当に変わるんです

2022/07/23

記事【つながるだけで本当に変わるんです】

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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

#つながるだけで本当に変わるんです #子育て #小児科医 #湯浅正太

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今日は再び受診されたお子さんのお話をしたいと思います。その子は、以前にうまく生活できないということで、僕の外来を通院してくれていました。少し自分の気持ちを相手に伝えるのが苦手だったので、その特徴を親御さんと共有しながら、本人との面談も重ねて、その後普通に生活できるようになったので、通院を終了したのですね。

その後2年くらい経ったある時、学校に行けない状況になったということで、久しぶりに僕の外来にやってきてくれました。しばらく会っていなかったら、背は大きくなっていて、それはうらやましい限りでした。でも、表情はちょっと暗くて、下を向いて自信がなくなっていることがよくわかりました。

そんな子どもたちの中には、うまく生活できていないことについて、自分を責めてしまう子もいるものです。受診するのも、何だか申し訳なさそうに受診されることも少なくありません。だから、久しぶりに受診してくれた子どもたちには、まずは「久しぶりだね、来てくれてありがとうね」なんて軽く挨拶をします。重くもなく、威圧的でもなく、サラッと、「久しぶりに会えて嬉しいよ」という気持ちで挨拶を交わします。

その子は、その後面白い経過をたどります。外来に再び来てくれた後、早々に学校に行けるようになりました。子どもたちがみんなそんな風なうまい経過を辿るわけではありません。通常は半年以上かけてジワジワという感じです。でも、おそらくもともとその子との安心できるつながりができていたので、心の回復が早かったのかもしれません。

実は、同様のケースは案外あるものです。同様のケースというのは、一旦心の状態が良くなって通院を終了するのだけれど、数年後にまた不調が現れて再受診されるというケースです。そういうケースをいくつも経験するからこそ思うのは、やはり安心できるつながりを子どもたちに提供することが何よりも大切ということです。

もちろん僕は薬を使うこともありますが、薬よりも何よりも大切と思っているのが、子どもとの安心できるつながりです。

ちなみに、子どもあるいは大人の中には、「僕/わたしは、一人でいる方がいい」という人がいます。「人とつながっているよりも、一人の方がいい」という人がいます。僕も一人で音楽を聴いたり、本を書いたり、自分の好きなことをしている空間は大好きなので、「一人でいる方がいい」という感覚は理解しています。

でも、人の心を治療する立場を続けていると理解することは、「一人でいる方がいい」という人は、たいていやはり安心できる誰かあるいは何かとつながっている、ということです。「僕/わたしは、一人でいる方がいい」という人も、やはり安心できる誰か/何かとつながっているものです。

本当の孤独に耐えられる人はいません。人って、そういうものなのです。

今日本では不登校の子どもたちが増えています。そんな日本はこれから、少子高齢化へと突入していきます。僕はそんな日本だからこそ、不登校の子どもたちの心を改善させる試みができると、密かに思っています。

もしも日本社会に「不登校の課題を改善させよう」「子どもたちの心のカラクリを理解しよう」という気持ちがあるのなら、ぜひ人生経験豊富な高齢者と言われる方々に、子どもたちと接する機会を設ける試みを始めてほしいと思います。

子どもたちが人生経験豊富で心穏やかな高齢者の方々とつながりやすいコミュニティがあるだけで、子どもたちの心は安定しやすくなるのになと思っています。医療機関を受診しなくても、子どもたちにとってそういった安心できる場所があるだけで、子どもたちはうまく生活できるようになるものです。

そんな風に思うからこそ、病院を受診しなくても、家庭や地域で子どもへの関わり方を工夫できるように、こうやって子どもの心のカラクリを発信しています。安心できるつながりがあるだけで、子どもたちは本当に変わります。

だいじょうぶ。

まあ、なんとかなりますよ。

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