子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

短命な子どもへの愛の話

2022/07/15

記事【短命な子どもへの愛の話】

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

#短命な子どもへの愛の話 #子育て #小児科医 #湯浅正太

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

僕は小児科医として、様々な親子の愛を目の当たりにしてきました。医療現場では、震災や事故などの様々な事情によって亡くなってしまう命、あるいは短い人生であることがわかっていながら生まれてきてくれる命もあります。

そういった、一緒に生きたくてもそれが叶わない中での愛の形を知っていただきたいと思って、ずっと前に書いた詩があります。それを次のチャプターでご紹介したいと思います。その愛の形に触れていただきながら、普段の何気ない日常の素晴らしさを理解していただければと思います。

色々あるかもしれませんが、

だいじょうぶ。

まあ、なんとかなりますよ。

*****

【なみきみち】(短命な子どもへの愛の話)

ちょうど いまごろの きせつだった

なみきみちが きいろに いろづきはじめたころ

あなたが おなかの なかに いることに きづいたの

びょういんからの  かえりみち

パパと てを つなぎながら

おみせが たちならぶ なみきみちを

こうやって あるいたわ

なみきみちの けしきは はずんでみえて

なみきの このはは

ひらひら くるりと おどっていた

そんな なみきみちの いっかくにある ショーウィンドウ

そこに かざられた ちっちゃな ふくを ながめながら

おなかの あなたを おもったの

「あなたに にあうかな」って

それから

なみきみちを とおるたびに

そうやって ショーウィンドウを ながめたわ

そんな ママを よそに

なみきみちの いろは

すこしずつ かわっていったの

すこし こごえる かぜが なみきみちに とどくように なったころ

ママは しったの

あなたは

うまれても  みじかい いのち・・って

そのかえりみち

なみきみちの けしきは かわってみえて

なみきを すりぬける かぜが

ママの こころに ささったわ

すれちがう  ひとかげも

かれて おちた このはも

すべてが あいそなく かんじられたの

だから・・

しばらく なみきみちを あるけなかった

なみだが  かれるくらい

なんども  あなたを おもったわ

そう なんども

そうやって なみきみちを わすれかけていた あるとき

くもった まどがらすを ふくと

そこには こなゆきが おりていた

いつのまにか もう そんな きせつに なってたの

そうやって

なみきみちの いろは

すこしずつ  かわっていったわ

ようやく ママが あなたに あえたのは

なみきみちに あたらしいめが かおを だしたころ

ちっちゃい からだに

ちっちゃい おめめ

ゆぶねに つかる あなたを てのひらで ささえながら

いのちの おもみを かんじたわ

かわいい あなたの おしりを ふきながら

あなたと きもちも かわしたの

そのまいにちが ただ ただ いとおしかった

でも それも あっというまだった

なみきみちが ふたたび きいろに いろづきはじめたころ

あなたは さいごの きせつを むかえたの

あなたの おでこに

ママの くちびるを あてたまま

あなたの さいごの ぬくもりを かんじたわ

それは あまりにも しずかな きせつだった

あれから なんねん たったかしら

あなたには いもうとが できて

そのいもうとは もう ようちえんせい

おゆうぎかい おおきな こえで うたっていたわ

かけっこで ころんじゃったりも してたけど

たのしそうに はしゃいでいたわ

みんなで うみにも いったのよ

あのこ さいしょは うみの みずも さわれなかったけど

さいごには たのしくて かえりたくないって うみべで ないてたの

おかしいでしょ

そう

みんな げんきに すごしているの

きょうは こうして みんなで なみきみちで おかいもの

サラサ サラサと はっぱの ねいろが きこえてくる

キラキラと こもれびも ふりそそぐ

そうやって いやされながら

こうして また なみきみちを あるく ママたち

そこは なみきみちの いっかくにある ショーウィンドウ

そこに かざられた ちっちゃな ふく

「あなたに にあいそう・・」

ふと そうおもったら

もう なみだが あふれて とまらなかった

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