子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

こんな思いを抱える親御さんは珍しくない

2022/07/14

記事【こんな思いを抱える親御さんは珍しくない】

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

#こんな思いを抱える親御さんは珍しくない #子育て #小児科医 #湯浅正太

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今日は、テーマにも「こんな思いを抱える親御さんは珍しくない」と書いたように、小児科医として他でも受けるご相談内容をコメントでいただいたのでご紹介したいと思います。今回いただいたコメント内容については、同じような悩みを抱えている親御さんはいるのですね。でも、一人で自分を責めながら生活している親御さんがいることを知っているので、大切なことと思いご紹介させていただきます。

ラジオネーム「マル」さん。コメントどうもありがとうございます。

「はじめまして。voicyで湯浅先生を知り、毎日過去の放送を含めて聴いております。

voicyのコメント欄ですと分割されて読みにくいかと思い、こちらから(LINEでYukuri-teのLINEへ)メッセージを送信させていただきます。

一人息子が生まれた時から、子どもを愛せず悩み続けています。息子は赤ちゃんの頃から環境が違うところ(例えば、子育て広場や他の子がいる公園です)へ行くと大泣きするなど、育てにくさを感じることが多かったです。

育て方が悪いのかと自分を責め続けるうちに、私はうつ病を発症しましたが、運よく保育園へ入れていただくことができ、回復しつつあります。

息子は5歳になった現在も繊細な面は変わらず、進級のタイミングや行事の時など、毎朝のように大泣きします。

私は幼少期に母から体罰や怒鳴り声で抑圧されて育ってきたので、どうしても泣いたりわがままを言う息子に対して、自分は我慢してきたのに、と冷めた気持ちで見てしまいます。

私は大人になってから生きづらさを感じているので、息子には同じ道を歩んで欲しくないと、気持ちに寄り添い、やりたい仕事も我慢して一緒に過ごせるような短時間のパートだけにして、息子に負荷をかけないように気をつけています。しかし、一番肝心な気持ちの奥底では、どうしても愛することができないのです。

この先親の手を離れる日が来るとは頭ではわかっていても、何かあると人一倍不安定になる息子にどこまで優しくできるかと思うと、暗澹(あんたん)たる気持ちになります。

カウンセラーさんには、昔の自分を癒すように息子を可愛がるようにしたらとのお言葉をいただきました。でも、本心では産まなければこんなしんどい毎日を過ごさなくてよかったのに、という気持ちが消えません。

とりとめのない育児の悩みを聞いていただき、ありがとうございました」。

「マル」さん、コメントをいただきありがとうございます。「マル」さんのような体験をしている方は、決して珍しくありません。小児科医として様々な親御さんたちに会っていると、「マル」さんのような幼少期の体験をして、子育てに悩む方に何人も会ってきました。

そんな「マル」さんに、ぜひお願いしたいことが二つあります。

一つ目は、心穏やかな人とつながることを大切にしてください、ということです。今の「マル」さんの心は、心が不安定な他人に同調しやすい心になっています。それは、「マル」さんのせいではないかもしれません。「マル」さん自身が自覚している、幼少期からの体験を経て、そういった心をもっている可能性もあるでしょう。

イライラした人に会えば、そのイライラした感情が移りやすい状態です。そういう時こそ、心が穏やかな人とつながるようにしてみてください。それは、身近な人でも、医療者でも、誰でも構いません。心が穏やかな人とつながって、心を穏やかな状態に整える。穏やかな心の持ち主につながることは、「マル」さんの心を安定させるためにとても大切なことです。

二つ目は、子どもを好きになるということを、ぜひテキトーに考えて、「特別でも何でもない日常でいいんだ」と理解してください。何気ない日常が、子どもにとっても、親にとっても貴重なのです。いっしょに食事をする。いっしょに歩く。いっしょにお風呂に入る。ただそれだけのことが、実はとっても素晴らしいことなのです。

親から愛されるという経験が乏しい人、あるいは助けて欲しい時に親から突き放された経験がある人は、他人とつながりたいけれども、どこかで不安定になってしまう、そんなことがあるものです。「愛し方がわからない」という表現をする方もいます。でもそれは、あらためて安全基地となる人を見つけることで、少しずつ変わっていきます。人の心って、少しずつ変わるものです。

今日は、大切にしていただきたいことを二つだけお伝えしました。心が穏やかな人とつながること、そして、特別なものを求めず何気ない日常でいいという理解を大切にしてみてください。

だいじょうぶ。

あと10年もすれば、親が「愛そう」と思ってもウザがられる時期が来ますから、

まあ、なんとかなりますよ、くらいがちょうどいいのです。

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