記事【暑くなったこの時期にふらつきを覚える病気】
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる
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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。
最近は暑くなってきて、「頭がクラクラします」という中学生が増えてきました。中学生に立ちくらみがあると、「貧血でクラクラするんじゃない」なんて言う人もいますが、実際に血液検査をすると貧血でないことが多いものです。
では、この「頭がクラクラします」という症状はどうして起きるのでしょうか。その症状の原因は、起立性調節障害と言う病気であることもあるのです。この病気は自律神経の調整が苦手になることで起きると言われています。
起立性調節障害は、小学生ではまだまだ少なく、中学生以降に発症しやすい特徴があります。しかも気温が暑い状況になると、症状が出やすい特徴があります。ですから、夏に近づいた頃に中学生が「頭がクラクラします」と言って外来にやってきてくれた時には、この病気も考慮することになります。
起立性調節障害には、「頭がクラクラする」という症状以外にも、「朝起きにくい」「朝食欲がない」という朝から午前中の生活しづらさとして症状が出ることが多いです。
この起立性調節障害に対しては、薬はあるものの、薬で良くするというよりも、日常生活での水分摂取や塩分摂取が大切なのですね。しかも、そんな起立性調節障害の背景には、精神的に落ち着かない生活状況が隠れていることも少なくありません。学校や家庭でのストレスや不安の状況を改善することも大切ということです。
暑くなってきたこの時期、中学生に起きやすい起立性調節障害、ちょっと気にしてみてください。
適切に対応できれば、症状は改善していきます。
だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。
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