子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

小児科医は血液検査をこう解釈する

2022/07/06

記事【小児科医は血液検査をこう解釈する】

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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

子どもが病気に罹った時に少しでも落ち着いて関われるように、今日は子どもの血液検査の見方について触れてみたいと思います。皆さんは血液検査を受けたことはありますか?大人であれば我慢をして血液検査を受けられるかもしれません。でも、子どもだと、中には大暴れでなかなか血液検査をできないことだってあります。

血液検査には、そんな様子も結果として反映されることがあります。採血で血液を採取するときに、なかなか採取できない場合には、少量の血液を一生懸命に採取しようとすることだってあります。そんな時には、血液が固まってしまったり、血球成分が破壊されてしまうこともあるのですね。

血液が固まると、血を固めるために血液中の血小板が消費されます。すると、血小板が消費されてしまって、血液データとして現れる血小板の数値が極端に低くなってしまうこともあります。また、血球成分が破壊されると、血液中に逸脱酵素というものが増えたりすることもあります。

そういった血液検査データのカラクリを理解しながら、小児科医は血液検査結果をみています。でもそのうえで大切なことは、血液検査を受ける子どもの様子を知っていることです。検査の時にじっとしていられそうか、とても元気なのか、そういった子どもの様子を知った上で血液検査結果を分析するのですね。

仮に血小板の値が低くても、見た目はとても元気で困った症状もないけれど、採血はとても嫌がっていたことがわかれば、血小板が低いことを採血手技による影響と考えられます。でも、体に紫斑と言って、血小板が少ない時に出る体のアザみたいなものがあって、血液検査でも血小板の値が低ければ、病的な血小板減少と考えるわけです。

ところで、僕は子どもの神経の病気を専門にみる小児科医です。そういった病気の中にはてんかんという病気もあります。てんかんというのは、脳の神経細胞から異常な電気信号が出て、その結果発作症状が出てしまう病気です。例えば、てんかんの発作症状の一つに、けいれんがあります。そういった発作症状を抑えるために、薬を内服していただきます。

薬は内服すると、血液中の薬の血中濃度が上がります。薬を決まった量、しっかり内服していれば、血液検査での薬の血中濃度はある程度の値を示します。そういった薬の血中濃度と、てんかんの発作症状が起きていないかを確認しながら、適切な薬の量を決めていくのですね。

逆に、その薬を飲み忘れたり、飲むのをサボっていたりすると、薬の血中濃度は低下します。例えば、てんかんで治療中のお子さんが1年ぶりにてんかん発作を起こして、救急外来にやってきたとします。そんな時には血液検査を行って、薬の血中濃度を確認することがあります。

もしも内服しているはずの薬の血中濃度が下がっていたとすると、薬を内服していない可能性があるのですね。「お薬をしっかり内服しているかな?」と尋ねると、「実は・・、薬を内服するのをサボっていました」と教えてくれる。そういうことを時々経験します。

でもそんな指摘をする時には、「薬を内服しないとダメじゃないか」とはお伝えしません。誰もが薬なんて内服したくはないですからね。それでも、普段から薬を内服してくれていた目の前のお子さんに感謝します。「薬を内服するのも面倒くさいよね」「みんなと同じように薬なんて飲まずに生活したいよね」、そんな気持ちをもちながら、子どもたちに接するのですね。そうすると、「は〜い」と言って苦笑いしながらも内服を続けてくれるようになります。

そんな風に、血液検査結果と実際の症状の両方を確認しながら、目の前の血液検査結果の意味を考えるのですね。血液検査結果だけ見ていても、症状だけ見ていても、正解はわかりません。それぞれの情報が必要で、そこで症状を血液検査結果から分析できるかどうかには経験が関わってきます。臨床経験の豊富な医師ほど、そういった分析に長けていると言っても過言ではないでしょう。

意味のわからない血液検査結果だけ持っていても不安が高まるだけですから、もしも血液検査をいただける機会があれば、今の症状と照らし合わせた血液検査結果の解釈をおおまかに教えていただくといいかもしれないですね。

子どもについてのわからない物事は色々あるかも知れませんが、

だいじょうぶ。

一つひとつ解決して、一歩ずつ前に進みましょう。

まあ、なんとかなりますよ。

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