子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

子どもたちが変化に対応できるように

2022/07/03

記事【子どもたちが変化に対応できるように】

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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

#子どもたちが変化に対応できるように #子育て #小児科医 #湯浅正太

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

昨日からの通信障害で、携帯電話をはじめとした通信手段が利用できなくなっていた人もいると思います。あなたは大丈夫でしたか。こういう経験をすると、自然災害などでも大規模な通信障害が起きた時に、どうやって通信手段を確保しておくべきなのかを考えますね。

例えば、家族全員が同じ会社の携帯電話を使う形の家族割で契約すると利用料金が安くなるために、家族割で契約している家族は多いと思うのですね。でもそうやって家族みんなが同じ携帯電話だと、今回の障害では家族みんなが通話できなくなってしまったわけですね。一人でも違う会社で契約していれば、その会社の携帯を使える。

それに加えて今回の通信障害でよくわかったのは、一つの会社の通信機能が僕たちの日常生活のあらゆるところで利用されているということです。便利な生活が、実は一瞬で不便となりうる状況であることがわかりました。

同じ状況が医療の現場でも起こります。例えば、日頃からよく使う薬です。ある病気に対して使う薬というのが、ある程度決まっています。その薬が事情により処方できない状況になると、病気を治療するときにやはり不便になってしまうのですね。実際にそういうケースはあって、治療の質を保つことが難しくなってしまうこともあり得ます。処方日数を制限せざるを得なくなることもあるのですね。

今はジェネリックという、新薬と同じ有効成分を含む医薬品が処方できるようになりました。有効性が同じものがいくつもあれば、処方する側としては助かります。この会社の薬が使えなくても、いつでも別の会社の薬でまかなえる。そういう環境であれば、利用者はとても助かります。

ただ、そこで大事なことが、人の側がその変化に対応できるかどうか、ということですね。例えば、子どもは味だったり薬の形に敏感です。ある薬を飲むことに慣れていたけれど、その薬が処方できなくなったから、他の薬を試す。そうすると、味が微妙に違ったり薬の大きさが違って、変更した薬を飲めないことがあるのですね。

慣れることは素晴らしいことだけれど、慣れるからこそ、新しいものに変更するうえで不安が生まれるものです。そういった変化に対応しやすい心を持てるかどうかは、安心感のあるつながりを持てているかがとても大切なのですね。

新しい薬の内服をチャレンジする時には、そっと安心感のある親の存在があるかどうかはとても大切なのですね。そういった安心感を感じながら、子どもたちは物事にチャレンジしていきます。「いつもと薬の味が違うけど、ママが一緒にいてくれるからちょっと試してみようかな」、そんな安心感が欠かせません。

これから様々な技術が発展して便利な暮らしが期待される中で、その技術がエラーを起こしてしまうこともあるでしょう。でも、そんな時でも落ち着いて行動できるコミュニティであるためには、しっかり安心したつながりが構築できていることが大切なのだろうと思います。子どもが成長したり、人類が発展するためには、やはりつながりが欠かせない。

子どもたちは明日もきっと新しい体験をしますよ。そして不安も生まれるかもしれません。

でも、安心できるあなたの存在があれば、

だいじょうぶ。

まあ、なんとかなりますよ。

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