子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

季節外れのクリスマスから考える大切なこと

2022/07/02

記事【季節外れのクリスマスから考える大切なこと】

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもに関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今日は、僕が大切にしている子どもの行動についてお話ししたいと思います。僕が外来をやっていると、外来を受診してくれた子どもたちが時々プレゼントをくれることがあるのですね。例えば、折り紙で作った動物や乗り物とか、自分で作った物語とか、僕の似顔絵とか、色々です。昨日はビーズで作ったドーナツをいただきました。どうもありがとうございます。

そういった、「相手のために何かをやってあげて相手を喜ばしたい」という子どもの気持ち、それを僕はとても大切にしたいと思っています。今後もその子がそんな行動を続けてみたいと思ってくれるように、最大限努力します。それは別に、これからも自分に何かを持ってきてもらいたいという意図がわけではありません。誰か他の人に対しても、喜ばせてあげたいという気持ちを生かせるようにしてあげたいと思うからです。

なぜなら、相手を思いやる気持ちこそ、人とつながるうえで欠かせないからです。子どもたちの生きやすさを生み出すうえで、人とつながることが欠かせません。そのつながりをうまく作っていくためには、相手の気持ちを想像しながら、相手につながろうとする好奇心が大切なのですね。

人とつながろうとする好奇心があるからこそ、様々なコミュニティを作って、色々な人たちを知って、そして自分を知るようになります。そうやって人生を楽しむことができるようになるのです。そうやって人生を楽しむうえで欠かせないものが、相手を喜ばせてあげたいという気持ちですね。

しかも、相手を喜ばせたい行動は、幸せを倍に増やしてくれる面白い効果があります。例えば、あなたが相手にプレゼントをあげたとします。そのプレゼントをもらった人が喜ぶと、その喜びぶ様子を見たあなたは、どんな気持ちになりますか。嬉しい気持ちになりますね。つまり、一人から始まった「相手を喜ばせよう」という行動は、結果二人を喜ばせることにつながるということです。自分と相手と、二人を喜ばせることにつながるのですね。喜びが倍になるということです。これって、すごくないですか。すごいですよ。

そういった理解があるからこそ、「相手のために何かをやってあげて相手を喜ばしたい」という子どもの気持ちは最大限大切にしたいと思うのですね。そういう行動を大人が大切にできれば、子どもの幸せは倍に倍に広がっていきます。

もしも学校のクラスの中で、相手の幸せを考えてとった行動を大切にできれば、そのクラスには幸せが倍に倍に広がっていくということです。会社の中で、上司でも部下でも同僚でも、相手の幸せを考えてとった行動を大切にできれば、その会社に幸せが広がっていきます。そういった社会って、生きやすいですよね。

世の中が健全に成長できるためには、この理解が欠かせないと思っています。

季節は全然違いますが、例えばクリスマスの時期を思い浮かべてみてください。僕が子どもの頃は、クリスマスは子どもたちのためにある、と思っていました。クリスマスプレゼントをもらった子どもたちは、もちろん喜びます。だから、子どもたちがサンタさんからクリスマスプレゼントをもらえるクリスマスという日は、子どもたちのために設けられた日、そう思っていました。

でも、小児科医あるいは社会人として過ごす中で、その理解は変わっていきました。どんな理解になったかというと、クリスマスは、大人のためなのだろうと思うようになったのですね。

どういうことかというと、クリスマスがあるおかげで、大人はどんな体験ができるでしょうか。例えば、クリスマスプレゼントを子どもたちが手にする時の喜んだ表情を思い浮かべながら、大人はクリスマスプレゼントを用意するでしょう。大人は、そうやって相手が喜ぶ姿を想像できるチャンスを与えてもらえるということです。

冒頭でお話ししたように、相手を思いやる心は、人が健全に心地よく生きていくうえでとても大切です。社会にとっても、とても大切です、お互いを思いやれるからこそ、つながりながら、助け合いながら、社会を発展させることができます。

ただ社会で働いていると、あまりの多忙さから、中には心の余裕がなくなってしまう大人もでてきます。働くことが忙しすぎるあまり、相手の心を思うやる余裕がなくなってしまうこともあるでしょう。そうやって心の余裕がない状態で働くことばかり優先していると、家庭での家族とのやりとりもなおざりになってしまい、家族の心が崩れていくことだってあるのです。

そんな大人たちがクリスマスプレゼントを子どもにあげるというチャンスをもらうことで、子どもの喜ぶ気持ちを想像する機会を与えてもらっているのです。そしてもちろん、プレゼントをもらう子どもたちにも喜ぶ機会を提供します。そして、それはまた大人に返ってきて、喜んぶ子どもたちを見て、大人がまた幸せになる。そうやって、大人の心を健全に保ち、幸せを倍に倍に増やしてくれる機会を作ってくれる。それが、クリスマスと思います。

季節外れのクリスマスのお話しでしたが、相手を思いやる気持ちを大切にする教育。社会が健全になるために、幸せが増えるために、ぜひ考えてみてださい。

子育てに悩むこともあると思いますが、だいじょうぶ。

まあ、なんとかなりますよ。

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