小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

Part2つながりの意識を量から質へ変化させていく

2022/06/21

記事【Part2つながりの意識を量から質へ変化させていく】

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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今日は、千葉県の木更津にある、とある本屋さんに伺ったのですね。そうしたら、その本屋さんでは、「みんなとおなじくできないよ」の絵本と「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の書籍をわざわざ並べて置いてくれてありました。湯浅正太の本ということで、わざと二つ並べて展示してくださっていたんですね。それを見て、とても感謝感激しました。本当にありがとうございます!

そして別の本屋さんに伺った時には、「この間NHKに出ていらっしゃいましたよね」と声をかけていただきました。働いている病院の近くの本屋さんだからと思いますが、知っていてくれて嬉しかったです。どうもありがとうございます!

そんな今日は、昨日の放送の続きですね。双子への関わり方についてお話ししたいと思います。その中で最も伝えたいことは、子どもの発達とともにつながりの意識を量から質へ変化させていくということです。そうやって意識を操作してもらいたい、ということをお話しします。

双子という立場であっても、歳の違う兄弟という立場であっても、生まれてくる子どもたちは、そもそもライバルなのですね。生き物は、生存競争を勝ち残って生き抜こうとするのですから、子どもたちがライバルになるのは当然のことですね。

親からの愛を独り占めしたい、自分を見てほしい、自分を認めてもらいたい。兄弟姉妹は、無意識のうちにそんな心を持っているものです。それは、良い悪い、というものではなくて、そういうものなのです。生き物として、生きるために本能的に持っている心の性質なのです。

歴史を振り返ってみると、兄弟同士で戦をすることもありました。そんな兄弟で戦をする背景には、必ずと言っていいほど、それぞれの子どもたちへの親の関わり方の違いがあったはずです。親の関わり方の違いが当たり前だった時代には、兄弟同士の戦も当たり前だったのです。

だけどそれは、今の時代には起きて欲しくはない事態ですね。少なくとも僕は、兄弟には仲良しでいてもらいたい。兄弟が幸せに生きてくれれば嬉しいし、兄弟が困ったらお互いに助け合ってほしいと思います。ですから、今回のお話は、兄弟が仲良く、それぞれが幸せに生きるために、親の関わりとして大切なことを考えてみたいと思います。

親から兄弟姉妹への関わり方が極端に偏っていない環境であれば、兄弟が互いを意識するということは、決して悪くはないのですね。互いを意識するからこそ、向上心が芽生えるということもあります。自分とは違う兄弟を知ることで、自分のアイデンティティを確立することにもつながるのです。

一方で、親から兄弟姉妹への関わり方が極端に偏ってしまうとどうなるのでしょうか。自己肯定感が低く、自分を認めてもらいたい欲求が過剰になり、誤った方法で自分の存在をアピールしようとしてしまいます。

例えば男の子であれば、暴力や盗みなど、そんな社会では許されない行動をとって、外にわかる形でアピールしようとします。そうやって、生活の失敗を繰り返します。あるいは女の子であれば、今とは違う自分を求めて、自分の体を変えようとすることだってあります。極端な例では、リストカットをしてみたり、体重を極端に減らして違う体を手に入れようとすることだってあるものです。

そうやって、双子あるいは兄弟として生まれてきた子どもたちのうち、親が片一方の子どもだけに愛を注ぐと、愛を注がれなかった子どもの発達を歪めてしまうこともあるのですね。そこに注意したいと思います。

だからこそ、子どもたちを個別に愛するということは、とても大切な意識なのですね。特に共に生きようとする今の社会では、兄弟が共に親から愛される経験が大切なのです。ライバルという意識が、子どもの生きづらさを生み出さないためにも、兄弟姉妹がそれぞれ親の愛を感じるということが欠かせないのですね。

でも、親が子どもに個別に関わるって難しいものなのです。それに、年齢を重ねていくと、子どもの個性がはっきりしてきて、同じように関わっているつもりでも、その反応がまったく違ったりします。そんな事態にどうやって対処するか。それを考えるにあたり、子どもの発達と社会についてお話ししたいと思います。

まずは、子どもの発達です。子どもの発達には段階があります。乳児期には一人でどこかにいくことができないため、母親を最も感じる時期になります。そして、そうであるべき時期です。だからこそ、乳児期には親子で触れ合う量が稼げる時期でしょう。

でも、乳児期を過ぎて幼児期、つまり歩けるようになってくると、子どもは一人で外の世界を探索できるようになります。一人で探索できるようになるということは、親元から離れる時間や空間が増えるということです。親元から離れて、お友達を知り、色々な環境を経験します。それは、社会の中で生きる人にとって必要不可欠な過程なのです。

そこで、子どもと社会を考えてみましょう。人間という生き物は、社会で生きることを選択しました。ですから、子どもの人生を考えるうえで、親以外に社会との関係も欠かせないものなのです。つまり、子どもの人生は、親とのつながりから始まり、社会とのつながりに発展していくということです。そして、人として生きるうえでは、その変化に適応していくことが非常に大切です。

このように、子どもは発達とともに、親から離れて社会を経験できるようになっていきます。そして、人として生きるうえで、子どもにとって社会とのつながりはなくてはならないものになるのです。

親とのつながりから、社会とのつながりへと行動が変化していくからこそ、親から子どもへの関わりも変化させる必要があります。もしも親が、子どもとのつながりは量が大切とばかり意識していたら、社会への探索がなかなかできなくなってしまいます。つまり、親との分離がなかなかできなくなってしまうということです。

それの極端な例は、親子の共依存という関係です。親が子どもと一緒にいることで落ち着き、子どもも親と一緒にいることで落ち着く。その状態が極端になり、お互いの存在をそばに感じていなければ落ち着かない、共に依存的な関係が出来上がってしまうことがあります。すると、子どもは親に依存的なために、外の世界を探索できないのです。これ、いつかの放送でもお話ししましたね。

ですから、既に子どもたちを個別に愛する価値を理解してくれている方にご提案したいのは、次のステップとして、親子のつながりを、子どもの発達に合わせて「量から質へ」切り替えるということです。

ではここから、「つながりの質を大切にする、とはどんなことか」を考えたいと思います。質を大切にする中で利用してみたいのが、移行対象です。でも、今日はこれで終わりますね。時間なので。ここからはまた明日お話ししたいと思います。

双子も、兄弟も、

だいじょうぶ。

まあ、なんとかなりますよ。

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