小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

兄弟姉妹の育ち方の違いはこうやって生まれる

2022/06/14

記事【兄弟姉妹の育ち方の違いはこうやって生まれる】

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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今日は、僕の新しい書籍『ものがたりで考える医師のためのリベラルアーツ』を置いてくださっている東京の代官山 蔦屋(つたや)書店さんに、この本を出版いただいたメジカルビュー社の方とともに伺ったのですね。

各書店さんでは、本の展示の仕方にも色々あって、例えば本の表紙を見せる形で置いてくれる面陳(めんちん)、本を棚に挿して背表紙を見せる棚挿し(たなざし)、あとは本をそのまま上に積み重ねる平積み(ひらづみ)といった展示の方法があります。今回伺った蔦屋書店さんでは、面陳で置いてくださっていたのですね。どうもありがとうございます。面陳だと表紙が見えやすいので、本が目につきやすいのですね。

今日のお話しは、昨日お話しした子どもの反抗期についての続きですね。今日は、兄弟姉妹によって、反抗期の現れ方、あるいは主張の仕方に違いが出るということのお話です。

例えば、長男・長女を育てる時のことを考えてみましょう。

長男・長女を育てる時には、お母さんもお父さんも、新米ママや新米パパであることが多いはずです。そうやって初めて子育てをする時には、初めてのことだらけです。子どもを育てるということで、どんなことに遭遇するのか、想像もつかないことが珍しくないのです。

長男・長女が初めて経験する物事は、親にとっても初めての体験であったりします。そんな初めての体験は、人に不安を生じます。子どもに不安が生まれるのは当たり前ですが、新米ママや新米パパにも不安が生まれるのです。

そうやって人に不安が生じると、人の心はどうなると思いますか?例えば、落ち着かなくなり、イライラしたり、怒ったりします。そんな様子を見た人も、そういった心がうつるのです。それがまさに、長男長女や新米ママや新米パパが経験することなのです。

初めての子育てでは、子どもにも親にも不安が生まれやすい。そういった特徴があります。よく「長男長女は不器あるいは慎重」なんて言う方がいらっしゃいます。そりゃそうですよ。新米ママや新米パパの行動には不安が生まれやすくて、子どもも親もたくさんの失敗を繰り返しながら、どうにかこうにか成長してきたのです。

そんな親子の状態があるのですから、長男長女自身が原因で不器用であったり慎重であったりするわけではなく、不安が当たり前で試行錯誤しながら育った背景があるからこそ、そうなるのです。

でも、長男・長女は特別な環境を経験します。どんな環境だかわかりますか?それは、親を独り占めできる環境です。そんな環境で長男・長女は育つのです。年下の兄弟姉妹がいなくて、「僕/わたしを見て〜」と言えば、親が見てくれる。そういった、親を呼べば応えてくれる、親の愛情を独り占めできる環境を経験できるのが、長男・長女です。

その環境がうまく働けば、親によって認められる経験を積みます。だからこそ、自己肯定感が強い長男・長女が育ちます。生活での不安を乗り越えて、自分を大好きな長男・長女が育つのです。そんな背景があったうえで、反抗期を経験するのです。

では、次男・次女の場合はどうでしょうか?お父さんも、お母さんも、既に長男・長女の育児を経験しています。だから、育児の中で起きうる物事をある程度想像できるようになっているのです。子育ての見通しを持てている、ということです。見通しが持てているということは、心に安心が生まれやすいということです。ですから、器用に子育てを行えるようになっています。

次男・次女は器用、そんなことを耳にしたことはありませんか?そのカラクリは、長男・長女の失敗を見て、自分は失敗しないように学習しているという捉え方もあります。でもそれ以外に、親から次男・次女に対する関わり方が既に器用になっている、そういった影響もあるのです。

その一方で、生まれた時には既に長男・長女がいるため、親の愛情を独り占めできるかというと、そういう環境ではありません。だからこそ、あらゆる人と社交的につながりながら、自分の自己肯定感を高めるように行動します。次男・次女は人付き合いが上手なんて言うことがありますが、それはそうなる必要があったからなのです。

でも、そうは言っても、次男・次女に親の関わりは必要です。器用に社交的に振る舞うことができていたとしても、心の奥では親の関わりを欲しているものです。ですから、次男・次女にも、やはり個別に親が関われる機会を設けてあげてください。いくら器用に物事をこなしていたとしても、社交的に色々な人と交流していたとしても、「失敗しても良いんだよ」「お父さんやお母さんと一緒に時間を過ごそうね」、そうやって、どんなに失敗をしても、親から愛されるという経験を積ませてあげてください。

この兄弟姉妹の育ちにとって重要なのは、それぞれの子どもたちが親からの安心できる関わりを経験するということです。親から兄弟への関わりが不均等であった場合、どちらかの兄弟姉妹に生きづらさが生まれます。器用だと思っていたのに、中学・高校以降にうまく生活できなくなっていく。そんなことが実際に起こりうるのです。その場合、うまく生活できない兄弟姉妹が抱える課題は、自己肯定感の低さです。

中学生以降の第二次反抗期は別として、2〜4歳頃の第一次反抗期での主張の仕方が兄弟姉妹で異なることはあります。その背景には、今日お話ししたような物事が隠れています。

こんな風に子どもの人生には、あらゆる親子の関わりがつながっています。この時のこういった親子の関わりがあったからこそ、今のこういった行動があるのだ。そんな風にすべてがつながっているものです。本当に面白いですよね。

子育てするうえで不安があるかもしれませんが、

だいじょうぶ。

まあ、なんとかなりますよ。

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