子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

子育てのセンスと心の余裕

2022/05/27

記事【子育てのセンスと心の余裕】

#子育てのセンスと心の余裕 #子育て #小児科医 #湯浅正太

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

こうやってVoicyの放送をしながら、日中には外来に出て小児科医をしていると、患者さんの親御さんから「Voicy、聴いてますよ」と教えてもらうことがあります。今日も日中にそんな風に教えていただいて、嬉しかったです。ぜひ何かコメント送ってみてください。

リスナーの方の中には、「こんなコメントを送ったら迷惑かな」なんて思っている方もいるかもしれません。でも、そんなことは考えずに、色々なコメントを送ってみてください。

コメントを書くために、子どもの心を観察する。そういうことがあっても、面白いのではないかと思っています。実際に考えてみる。実際に自分の頭の中で考察してみる。それがとても大切と思っています。ですから、子どもの心について思ったことを、コメントとして送ってきてみてください。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

では早速コメントをご紹介したいと思います。

ラジオネーム「あぴか」さん。コメントどうもありがとうございます。「子育ては大人が成長できる宝の宝庫」というお話をさせていただいた放送へのお返事ですね。

「先生の絵本『みんなとおなじくできないよ』、読ませていただきました。先生の心の優しさが伝わり涙が出ました。純粋な心に触れた思いです〜ありがとうございます。そして今日の放送もありがとうございます。子育てで大人が成長できる。私も子どもに育ててもらい続けてると実感しています。子どもたちは大人になってますが、まだまだ…継続中です」。

あぴかさん、どうもありがとうございます。僕の絵本『みんなとおなじくできないよ』を読んでいただいて、どうもありがとうございます。とても嬉しいです。絵本の中の子どもの心に触れていただいて、読み手の心が温かくなる。それと似たようなことが、子どもに接するという場面でも起きますよね。

僕は小児科医として働きながら、色々な子どもたちの心に触れます。楽しいウキウキした気分の子どももいれば、イライラしていたり、なんだか寂しい気分の子どもも少なくありません。どんな気分であっても、子どもたちの心の中には、必ず純粋な心があるものです。

社会で揉まれながら、少しずつずる賢さを獲得しながらも、ふとした瞬間に子どもたちの純粋な心に触れる。そういった瞬間があります。大人になると薄れていくような純粋な心を子どもたちの中に感じられるからこそ、子どもに関わる小児科医という仕事を続けていられるのだろうと思います。

絵本「みんなとおなじくできないよ」の他にも、今も色々な出版社の方々と新しい書籍をいくつも出版する予定を立てています。ぜひ色々な僕の本を手に取ってみてください。

では次に、ラジオネーム「みほ」さん。コメントどうもありがとうございます。みほさんのコメントも、「子育ては大人が成長できる宝の宝庫」という放送へのお返事ですね。

「コメントを取り上げてくださって、ありがとうございます。子どもが問題を抱え始めてから、かつて無いほど自分に向き合いました。心理学や子育ての本…色々読みあさりました。バラバラに取り入れた知識が、先生のVoicyを聴くようになってから、つながり始めました。また、色々な人からつながりの大切さを、今までにも聞いていましたが、私は変な価値観やプライでさえぎっていました。今日のお話を聴いていたら、『子育てはどの仕事よりも尊い』と教えてくれた祖母が、映画のワンシーンのように蘇りました。今、私は成長させるチャンスを子どもから与えられています」。

みほさん、どうもありがとうございます。心理学の本や、子育ての本、いっぱいありますよね。「これをしたら、子どもの問題行動はなくなる!」なんて書いてある本が本当にたくさんあります。どれも正しいだろうし、それらを子どもの状況によって、適切に使い分けていければ、子どもたちはイキイキと暮らしていけるだろうと思います。

子育ての知識を適切に使い分けていくということは、適切に判断するということです。それって、案外難しいのです。子どもが色々な感情を抱いているその場のシチュエーションに合わせて、自分の知識の棚にあるものから、適切な判断を選んでいくということです。それは、センスと言えるかもしれません。

センスって聴くと、「センスがある」とか「センスがない」とか言うように、なんだか訓練ではよくならないイメージがありますね。でも、そうではありません。子どものシチュエーションに合わせて、適切な関わり方を選択するセンスこそ、つながりの経験によって育ちます。

色々なつながりを通して、子育てのセンスが磨かれていく、ということです。

そして大切なものが、心の余裕です。心がソワソワしていたり、落ち着かなかったりすると、適切な判断はできません。人生は判断の連続です。一つひとつの判断の結果が、今です。それは、子育ても同じですね。子育てにおける一つひとつの関わり方の結果が、今であり、今後の未来なわけです。

いくら子育てのセンスがあっても、心の余裕がないと、適切な判断ができず、そのセンスを有効に活用できません。だからこそ、子育てでの親の心の余裕は必要なのです。

親御さんは、色々な子育ての本を読んで蓄えた知識をもとに、頑張ろうとします。例えば、何か子どもが達成できた時に、結果ではなく、それを達成できた過程を褒めてあげる、という考え方があります。それはその通りなのですが、大切なのはそれを行う親御さんの心の余裕です。知識ばかりに囚われて、肝心の心の余裕がどこかへ行ってしまっている親御さんは少なくないのです。

だからこそ、社会は親御さんの心の余裕を生み出す支援をしてもらいたい。そう思っています。

だいじょうぶ。まあ、なんとかなりますよ。

記事のポイント!

  • 子どもたちの中に純粋な心を感じる
  • 子育てのセンスがつながりを通して磨かれていく
  • 子育てのセンスをいかすためにも、心の余裕を

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