小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

認められていると思うからこそ感謝できる

2022/05/25

記事【認められていると思うからこそ感謝できる】

#認められていると思うからこそ感謝できる #子育て #小児科医 #湯浅正太

おはようございます。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

それでは、今日も早速コメントをご紹介したいと思います。

ラジオネーム「いまちゃん」さん。コメントどうもありがとうございます。

「ボイシーを聴いていて、娘さんの反抗的な態度があるとありましたが、我が家の真ん中の娘にも、時にあります。そして大抵は学校でこんなことがあったんだと話してくれます。抱えていますね。そして時を重ねて娘も学習します。頑張れ頑張れと、自分を大切に励ましていました。自分を大切にする!と自己肯定感も芽生えたように振る舞っています。先日はお母さんにプレゼントと、百均のハンカチをいただきました。母の日でもないです。嬉しくて、大事に使ってます。子どもたち皆、環境に対応しようと頑張っています」。

コメント、エピソードを教えていただき、どうもありがとうございます。いまちゃんさんが教えてくれた「大抵は学校でこんなことがあったんだと話してくれます」という娘さんの行動に安心しますね。家族に心のうちを話せる環境があるからこそ、娘さんは自分を保てているのですね。自分の心に余裕を生む、ということができているのですね。自分の心に余裕が生まれると、外の世界が広く見えてきます。色々な世界が見えてきやすいから、自分のことを理解するようになる。そういうものです。

「色々な人がいるけど、社会ってそういうもの。自分は自分でいい」。その理解が欠かせません。自分の心に余裕があれば、他者へも感謝できます。「いつも話を聞いてくれてありがとう」。そうやってお母さんにハンカチをプレゼントできたのですね。プレゼントをお母さんにあげられるということは、お母さんへの感謝という理解だけではありません。お母さんが自分を認めてくれている、そういう気持ちが娘さんにあるはずです。実は人はある程度認められているという感覚がないと、他者の喜びを追求する行動をとりにくいものです。もしも娘さんの中に「誰も私のことを認めてくれない」という心があれば、自発的にお母さんにプレゼントをあげることはできません。

ですから、娘さんがお母さんにプレゼントをあげることができたと聞いて、自分は認められているという感覚をもっているのだなと嬉しくなりました。いまちゃんさん、温かいエピソードありがとうございました。では次に、ラジオネーム「メリー」さん。コメントありがとうございます。

今回のコメントは、以前僕が「子育てと働き方」という放送の時に、メリーさんのご相談をご紹介させていただいたことについての感想ですね。その時は、自分自身が人生を楽しむことを基準にして働き方を選択してもらいたい、ということをお伝えしました。また、親の心の平静を残していられる生活を選択しながら働き方を考えてもらいたいというお話をしました。それは、親の心の平静が子どもの一生に関わるから、だったですね。

「先生、早速質問にご回答くださりありがとうございます。親が心の平静を保つこと。なるほど、想像していたよりも答えがずっとシンプルですね。自分が小さかった頃、確かに父が単身赴任していた数年間、家庭に暗い影を落としていました。母親の寂しさや家庭を一人で支えていた不安を、小さい私なりに感じとっていたのかもしれません。また、小学生の頃は両親が共働きで忙しく、情緒不安定な時期がありました。今思えば、『お帰り』と迎えてくれる人がいてほしかったんだと思います。たとえ一緒に遊んだりしなくても、家という同じ空間に大人がいて、安心したかったのかもしれません。自分の子にはそういう思いをさせたくない…。しかし、本来なら社会や社会の制度を根底から変えていく必要がありますが、これにはとてもエネルギーが要ります。なので、在宅ワークや投資などで経済的、時間的な自由を、時間に融通を利かせて、子どもと接する時間をなるべく増やしたいなと考え始めています。ただ、現実維持バイアスが働いて、今の生活・コミュニティ・社会的地位を捨てる勇気がまだありません。私なりに中庸(ちゅうよう:どちらにも偏らないで、、調和がとれていること)を探して、ゆっくりこれからのことを考えていこうと思います。これからもよろしくお願いします。」

メリーさん、コメントどうもありがとうございます。親が働きながら子育てをするうえで大切にしてもらいたいことは、親が心の平静を保つ、というシンプルな答えでした。僕は、問題の解決にはシンプルな目標が大切と考えています。そのシンプルな答えを軸にあらゆる行動を合わせていく。すると、うまくいく。そんなものです。

僕はよく子どもを支援するために会議に参加することがあります。その時に、ガチガチにびっしり、あれもこれもやりたいことを盛り込むような目標を立てる人を見かけることがあります。正直なところ、子どもの支援において、あれもこれもと欲張って、柔軟性のない目標を立ててしまうと、うまくいきません。なぜなら、子どもや親、支援者は生き物だからです。ロボットではありません。気分のムラなどの心の揺らぎがあることが当たり前です。同じ状況でも、その時の気分で適切な行動がとれないことだってあります。そんな風に、人は如何様にも変化する心をもっているからこそ、支援の方針も柔軟性が大切です。そして、柔軟性の中にも、「これだけはゆずれない」という方針を決めておく。それが欠かせません。

メリーさんが子どもの頃に経験した、お父さんの単身赴任や両親共働きの状況。それは、ご両親にはどうしようもなかったことかもしれないですね。つまり、親の働き方って、親自身の問題というよりも、社会の問題なのです。だからこそメリーさんのおっしゃるように、「本来なら社会や社会の制度を根底から変えていく必要があります」。今はその過渡期です。社会は少しずつ変わろうとしています。それは、今の子育て世代が、「変えないといけない」ということに気付き始めたからです。「このままだと、自分の子どもたちにも同じ経験をさせてしまう」と気付いているからです。自分が経験したような、親の仕事のせいで親子のつながりが希薄になっていた環境を、再び自分たちの子どもに経験させてしまう不安を感じたからです。だから、今の子育て世代は「この社会を変えないといけない」と思っているのです。

でも、もちろんすぐには変わりません。親子がつながるということの価値が当たり前のように認められるようになるには、時間がかかります。今、不登校を含めた様々な子どもの心にまつわる問題が山積しています。実はそれらを解決するためにも、親の働き方改革は必須です。親の働き方が改善してはじめて、子どもの問題が解決するということがたくさんあります。だって、子どもは親とのつながりの中で心が育っていくからです。それほど、親子のつながりって大切なのです。だかこそ、これまでの当たり前は、これからの当たり前ではあってはいけません。これまでの働くことへの意識を変えないといけない。そう思っています。

ただ、今はその過渡期です。メリーさんが今の社会を生きるためには、メリーさんなりの中庸を探すという視点は大切ですね。何事も「1か0か」ではなくて、中間がいいということです。どうにかこうにか工夫しながら、程よい心の平静を探しながら、気長に構えておくことが欠かせないですね。この他にもたくさんコメントをいただいています。

まだご紹介できていないコメントがありますが、順次ご紹介したいと思います。引き続き、コメントやご質問、子どもに関わるエピソードなど、お待ちしています。

色々ありますが、だいじょうぶ。まあ、なんとかなりますよ。

記事のポイント!

  • 認められることで、人へ感謝できる心が育つ
  • 子育てしやすい社会に、これから変わっていく、変えていく
  • 程よい心の平静を保ちながら関わるということ

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