小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

子どもの心にとって最も大事なもの

2022/05/24

記事【子どもの心にとって最も大事なもの】

#子どもの心の発達で最も大事なもの #告白します #子育 #小児科医 #湯浅正太

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

いつもコメントありがとうございます。色々なコメントやご質問、エピソードを送っていただいているので、順番にご紹介しながら放送しています。どんどんコメントをいただければと思います。また、差し入れをいただいてありがとうございます。嬉しかったです。差し入れのメッセージにお返事できる機能がないため、こんな形で放送の中でお礼をお伝えしました。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

それでは、今日も早速コメントをご紹介したいと思います。ラジオネーム「なおちゃん」さん。コメントどうもありがとうございます。

「いつもありがとうございます。先生には以前長女のてんかんのことを相談し、とてもありがたかったです。今回ご相談したいのは、次女にはあまり怒れないことです。不器用なところが私と重なってしまいます。塾に週3日10時まで通っていて、追われている次女に本当に心配です。自分自身が塾を嫌でも、親に言えなかったという経験から、心配になります。夫は塾賛成派なところとか、意見が違います。どうしても次女をかばったりしてしまいます。思春期真っ只中で、関わり方も難しいです」。

なおちゃんさん、コメントどうもありがとうございます。子どもを怒れないことに困っている、ということですね。世の中では、子育てのコツとして「叱って育てる」「褒めて育てる」なんてフレーズを聞いたりすることがありますよね。シチュエーションによっては、「叱って育てる」ことによって子どもの行動が良い方向に向かうこともあります。一方で、「褒めて育てる」ことによってもうまくいく場合も少なくありません。

でも、子どもの一生を通じた幸せを考えた時、最も大事な育て方は「つながって育てる」という視点です。間違いありません。

子どもと話したり、目を合わせたり、抱きしめたり、そういったつながりを育てられれば、叱ることも、褒めることも、子どもの心のより良い成長につながります。逆も然りです。叱っても、褒めても、親子でつながれていなければ、期待した効果は得られません。そういうものです。
ですから、なおちゃんさんの抱えている「子どもを怒れない」という悩みは問題ではありません。怒れなくてもよいです。もっと大切なことは、子どもとつながることです。子どもにとって親が、安心安全な場所であってください。そのために、子どもと目を合わし、挨拶を交わす、身体に触れる、そういったつながりを大切にしてください。

子どもとつながって育てるということが守られていれば、子どもは社会で経験する様々な困難を乗り越えていけます。不安を抱えて当然な外の世界で色々なチャレンジをできるようになります。塾に行く行かないということについても、そのこと自体は問題ではありません。塾に行くということを乗り越えられるだけの、親子のつながりがしっかりあるかどうかの方が大切です。

そういった安心した親子のつながりを原点として、社会の中で友だちとつながり、先生とつながり、たくさんのつながりをつくりながら、自分にはない世界を開拓していきます。

そういった新しい世界をどんどん開拓していって、ようやく自分らしさを発見します。友だちや先生とも違う、親とも、兄弟とも違う、自分という存在に気づくのです。そして、自分らしさを追求するために、人生を楽しめるようになるのです。

今日は午前中はサポートのために児童養護施設へ伺い、午後は障がいのあるお子さんのきょうだいについて親御さんのカウンセリングを行なっていました。どんな状況に置かれている子どもであっても、大切なものは身近な人との安心したつながりです。そんなことを、午前中も午後も、お話ししていました。

世の中には親と一緒に暮らしていない子どももいます。そのような場合は、子どもが暮らしている施設の職員さんとのつながりが欠かせません。そういった人との安心したつながりを頼りに、一つひとつのチャレンジを繰り返していくのです。不安が生まれても、安心できるつながりを頼りに乗り越えていく。そういうものです。

世の中では、親の心の負担を考慮して、子どもの行動の原因を親の関わりに求めないという視点もあります。でも正直なところ、それでは解決できないことが少なくありません。だって、子どもの行動の多くが、親子のつながりをベースに生まれてきているからです。

さらに、実際の現場での真実は、子どもの行動を親子のつながりから変えていこうとする親御さんは、成功します。成功しますし、それによって得られる効果は子どもの一生を通じて続きます。それほど、子どもの行動を、親子のつながりから考える姿勢はとても大切なのです。

そういった親子のつながりをつくることを基本にして、次におこなうべきことは「親から行動する」ということです。「親の背中を見せる」ということです。

もしも子どもに「こうしてもらいたい」ということがあれば、親が率先して子どもにその行動を示してあげてください。子どもに「挨拶をしなさい!」というのであれば、親が積極的に色々な人に挨拶をしてください。その挨拶する姿を子どもに見せてあげてください。子どもに優しく育ってほしいと願うのであれば、親が様々な人に優しく接してください。その姿を見た子どもは、必ず優しく育ちます。

「親子で安心したつながりをつくり、親が率先して行動する」。そのことが守られていれば、子どもを怒れないことをあまり気にしないでください。怒るよりも、安心したつながりをつくったうえで、子どもにこうしてもらいたいという行動を、大人が率先して子どもに見せることの方が大切です。

「親子で安心したつながりをつくり、親が率先して行動する」という中で、子どもの行動が思っていた路線から外れてしまった場合、怒れなくても、「こうしたいね」と一緒に適切な行動を考えるというスタンスで関わってください。

親も、子どもと共に成長しています。「親も未熟だからこそ、子どもと一緒に成長したい」、そんな気持ちを大切にしてください。見栄を張る必要はありません。親子でしっかりつながり、問題を一緒に考える。そのことを大切にしてください。

小児科医として色々なお子さんを見ていくとわかります。親が率先して子どもに行動を示せる家庭では、叱るということがなくても子どもには豊かな心が育ちます。

もちろん、子どもを叱れる親も見ることがありますが、その叱るという行動の中には「親の都合」が影響していることも少なくありません。つまり、親の都合で子どもを叱っている、という現象も起きがちなのです。そんなことを理解しているので、実際には「お子さんを叱らなくても、親の行動を工夫するだけで、お子さんの行動は変わりますよ」と内心思うことも少なくありません。

当たり前ですが、子どもは親と暮らしながら、一つひとつの行動を身につけていきます。そこに大きく影響するのは、親の価値観です。子どもは親の価値観を、社会の価値観と思い込みます。
その価値観の中で、自分を評価し続けます。親の価値観の中で、子ども自身は自分の価値を見出していくということです。

例えば、「テストではいい点数をとって当たり前」「テストでいい点数がとれないと、人として認められない」「家庭では偏差値のことばかり話題になる」、そんな家庭で暮らしていると、子どもは自然と学力でしか自分を評価できない人物になっていきます。

「実際にそんな家庭、ないでしょう」と思いますか?ないと思いたいですが、実際にあります。そういった偏った価値観の中で育った子どもが、もしもテストで点数を取れないことがあるとどうなると思いますか?自己否定に陥ります。「自分なんて、ダメな人間だ」、そんな風に自分を否定する。他にもっとよい面があったとしても、自分を否定してしまうのです。

しかも、そういった偏った価値観の家庭では、そんな子どもを支えるということができません。逆に「なんでこんな点数とったの?」「もっとしっかり勉強しなさい」なんていう指導をしてしまうのです。自分で自己否定をしているうえに、さらに親からも守ってもらえない。世の中にはそんな家庭が実際にあります。

そういった学力でしか自分を評価できない環境で育ち、いざうまくいかなかったら、誤って不適切な行動を取ることもあります。ものを壊してみたり、盗みをしてみたり。そういった困った行動で、自分を見てもらいたい欲求を発散させようとしてしまうのです。すべての原因は偏った価値観なのに、子どもの問題にすり替わってしまうのです。

そういった心のカラクリを理解していただいたうえで、お子さんへの接し方を考えてみてください。
最後に一言は、「夜の3時間より、朝の1時間」です。朝方の勉強スタイルは、すべてを成功に導きます。最後はちょっと脱線しましたが、今日はこんなところで終わりたいと思います。

色々ありますが、だいじょうぶ。まあ、なんとかなりますよ。

記事のポイント!

  • 「つながって育てる」という視点が最も大事
  • 親子で安心したつながりをつくり、親が率先して行動する
  • 親子でしっかりつながり、問題を一緒に考える

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