小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

疎なところにも密な心のつながりがある

2022/05/18

記事【疎なところにも密な心のつながりがある】

#疎なところにも密な心のつながりがある #子育て #小児科医 #湯浅正太

こんにちは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今日は、疎なところにも密な心のつながりがある、というテーマでお話ししたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

安心できるつながり

色々なコメントやエピソードをvoicyやYukuri-teのLINEにいただいています。嬉しい限りです。なので、いただいた翌日の放送でタイムリーにコメントを共有することがなかなか難しいのですが、順次ご紹介したいと思っています。また、voicyのコメントは文字数制限があって、書きづらいところもあるみたいですね。そんなわけで、Yukuri-teのLINEにコメントを送っていただいた方もいますね。ありがとうございます。コメントはvoicyのコメント機能でも、Yukuri-teのLINEでも、お問い合わせフォームでも、いずれでも大丈夫です。ぜひコメントやエピソードを送ってきてください。

では、早速コメントをご紹介したいと思います。

ラジオネームみほさん。コメントどうもありがとうございます。

「引っ込み思案の私に、亡くなる少し前に父から言われた言葉『自分から人と関わっていきなさい。安心できるつながりを持ちなさい』と。つながる価値に重きを置いて生きること。湯浅先生のお話を聞くことで、父の本当に伝えたかったことが最近、はっきりと理解できるようになりました。若い時の私は、それこそ成績、社会的地位やお金に惑わされることが多かったと思います。他人軸の私は、相手に価値観を合わせたり…。これからは、つながりに価値を見出すことを自分の軸として生きていきたいです」。

みほさん、どうもありがとうございます。亡くなられたお父様がつながりの大切さをお話しされていた、ということですね。人が人生を歩むと行き着くのは、やはりそこ、ということだと思うのですよね。つながりに価値を感じる、ということですね。また、もしかするとお父様には、娘であるみほさんともっとつながりたかった、という思いがあったのかもしれません。子ども時代にも、もっとつながっておきたかった。そんな思いがあっての発言かもしれない。そんな風に思いました。

人生を歩む中で、自分の子どもに生きやすさが生まれるかどうかは、子どもの頃の親の関わりが欠かせなかったと気づいていたのかもしれないですね。だからこそ、自分の娘にはそのつながりの価値を伝えたかった。そんな風にも感じます。様々なつながりが、次のつながりを生む。親子同士のつながる経験から、子どものつながる力が育つ。そして家庭で育んだつながる力をもとに、子どもたちは社会でどんどんつながっていく。そのことをお父様は感じていたのかもしれません。

それにお父様のおっしゃった「安心できるつながりをもちなさい」ということは、とても大切なことですね。何か不安があっても、いつでも戻れる場所を確保しておくということですね。例えば、僕はのほほーんという性格なので、僕がつながりたいと思う人にピリピリした人はいません。やっぱり優しい人とつながりたい。そう思います。そしてそれが、僕の安心できるつながりだろうと思います。そうやって自分にあった温かいつながりを調整していくことで、自分がホッと安心できる。そんなものですよね。

みほさん、ステキなエピソードありがとうございます。これからもコメントをお待ちしています。

心のつながりのカラクリ

では次に、ラジオネームいまちゃんさん。コメントどうもありがとうございます。

「今日も心に沁みるお話をありがとうございました。今日上の子の卓球ラバーを替えにスポーツ店の店主のおじさまと雑談を交えて話してきました。『実はうちの1番下の子が発達が遅くて、手厚く支援してくれるところで伸び伸びと外遊びから制作から、たくさんの刺激いっぱいを育んでくれる素敵な園に通ってるんですよー』と話していたら、『今は身体動かさない子が勉強勉強で逆になってしまった子が多くて、おかしなことが多い世の中だけどね、本来はお宅の一番下の子みたいな教育をすべての子に与えてあげる世の中に変わらなきゃいけないんだよ。後は食べ物ね。あまり添加物は長生きしないように、僕は思うなー』とお医者さんのようなことをおっしゃいました。そして『これでラバーも新しくなったから、きっと試合も大丈夫だよ(笑)』って気さくな粋なおじさま店主と話してきました。これも、つながりでしょうか。『頑張ってねー、試合観に行けないけど、ってお兄ちゃんによろしくね』っておっしゃってくれました。楽しい時間でした。」

いまちゃんさん、コメントどうもありがとうございます。スポーツ店の店主のおじさまとの、楽しいつながりですね。そういったつながりはとても大切ですよね。自分の心を乱されることがなくて、そっと心に寄り添ってくれるような優しいつながりですね。

今の世の中は核家族化が進んで、地域での交流の機会も少しずつ薄くなっている。その店主との会話のようなつながりも少なくなっていますね。特に都会では、そんな傾向が強いですね。マンションの隣の住人のことも知らない。そんなことも珍しくありません。都会では、見えているつながりは密なはずなのに、心のつながりは疎。よく言われることです。逆に過疎化が進む田舎の方が、隣の住人とはつながれているかもしれません。見えているつながりは疎なはずなのに、心のつながりは密になる。面白いものです。

僕はココに、コレからの時代を生きるポイントがあると思っています。人の心は、実際に見えている状態とは乖離がある、ということです。見える世界でのつながりは密になっているはずなのに、心のつながりは疎。見える世界でのつながりは疎なはずなのに、心のつながりは密になる。そういう心のカラクリがあります。すると、これからの社会の生き方が見えてきますよね。

見える世界では疎でも、心のつながりは密

少子高齢化・人口減少によって、地方からどんどん過疎化が進み、多くの学校が廃校になります。見える世界は、明らかに変わっていきます。明らかにみすぼらしくなっていきます。つまり、これからの社会の中で見えるつながりの様子は、疎になっていく。でも考えてみてください。見えるつながりは疎なはずなのに、心のつながりは密になる、というカラクリがありました。そして、このチャンネルで何度もお伝えしているように、人の求めるものは心のつながりでした。ということは、人口減少により疎になる社会では、心は意外と充実するのかもしれません。

そしてもしかすると、国民は気づくかもしれません。「あれ?もので溢れたり、人が密集していた時代よりも、なんだか幸せだぞ」、そんな風に気づくかもしれません。みなさん、こんなコメントを聞いたことはありませんか。「都会から田舎に移って、心が楽になりました」。そんなコメントです。これはまさに、先程のカラクリが影響しているからです。

つまり、見える世界のつながりが密から疎に変わることで、実は心のつながりは疎から密に変わっている、ということです。だから、生きる勇気が湧く。生きていることが楽しくなる、ということです。面白いですよね。でもコレ、理解しておくと便利ですよ。

だって、普通に考えたら、人がいっぱいいた方がつながりもいっぱいでいい、と思うじゃないですか。そして、そういった見えるつながりばかり求めてしまう。でも、違うのです。騙されてはいけません。見えるつながりばかり求めても、実は心ではつながれていないことが少なくないのです。

そう理解した上で、学校に行きにくい子どものことを想像してみてください。生徒がたくさんいる学校だから、つながる経験を積める。それは正しいようで、間違っていることがわかります。人は疎であるほど、心がつながりやすくなるということもあります。すると、生徒がたくさんいるところに、心のつながるチャンスがあるわけではないことがわかります。SNSで多くのつながりがあるところに、密な心のつながりがあるわけではないこともわかります。

何度も言いますが、僕たちが経験するべきものは、密な「心」のつながりです。見える世界でのつながりというよりも、「心」でのつながりの方がはるかに大切です。ですから、学校に行きにいくく、心のつながりをつくりにくい状況があれば、まずは少人数でつながることが先決です。そんなことを考えると、少人数にピッタリの場所がありました。それは、どこだと思いますか?

それは、家庭です。家庭は心のつながりを設けるための要素がぎっしり詰まっています。親という存在もいる。少人数でもある。子どもの心を育てるために、家庭はやはり最適な場所なのです。「ALL IN ONE」なのです。クラスのように人数が多いわけでもない家庭という中で、しっかり心の密なつながりをつくる。そうやって、つながる力を養う。やはり、それがとても大切なのですね。

地域社会でも同じです。近所の方との少ない人数でのつながりを大切にします。それでいいのです。近所のお店に行ったら、その店主とつながる。そんな一つひとつの小さなつながりが大切です。大きく密な集団でのつながりではなくて、小さく疎な集団でのつながりこそ大切。これからの時代には、そのことを理解したいものです。

あと、いまちゃんさんから、「湯浅先生のオススメの本を知りたいです。読書にハマっています」というコメントもいただいていました。僕のオススメの本は、灰谷 健次郎(はいたに けんじろう)さんの『天の瞳』(てんのひとみ)です。主人公が成長する様子に、どこか幼い頃の自分を重ねながら読んでいた気がします。この本に出会ったのは、僕が小児科医になろうと思いながら医学生として歩み始めた頃です。その頃アパートに一人暮らしをしていましたが、同じアパートに住む友達にもこの本を紹介したりしていました。この本は、学生時代の懐かしい思い出でもあります。ぜひ読んでみてください。

いまちゃんさん、コメントありがとうございます。これからもどしどしコメントをお寄せください。今日はここまでです。色々なコメントをいただきありがとうございます。まだまだご紹介しきれていないコメントやエピソードがたくさんあります。明日以降の放送で、ご紹介したいと思います。コメント、ぜひお待ちしています。

色々ありますが、だいじょうぶ。まあ、なんとかなりますよ。

記事のポイント!

  • 安心できるつながりをつくる
  • 人がいっぱいいる方が心がつながりやすいわけでもない
  • 人が少なくても、心は密につながるもの

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