小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

子育てに役立つライフハック

2022/05/17

記事【子育てに役立つライフハック】

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おはようございます。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今日は、子育てに役立つライフハックというテーマでお話ししたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

自分の心を振り返る

あなたは、ライフハックっていう言葉を聞いたことはありますか?ライフハックとは、生活の質を上げたり、仕事の効率を良くするためのアイディアやテクニックのことです。あなたも日々生活する中で、色々な工夫をしながら過ごしやすさを追求していると思います。もちろんそれを意識しているか、というとそうでもないかもしれません。無意識のうちに自分が過ごしやすいように、自然と生活の工夫をしている。そんなものです。

以前もお話ししましたが、自分の行動は他の人や環境の影響を受けるものです。自分の感情も同じです。相手がそわそわして落ち着かなければ、それを見ている自分もソワソワしてしまいます。つまり、自分の行動があらゆるものに左右されるということです。それは、子育ても同じです。子どもが笑顔なら、親も笑顔になります。子どもがイライラしていれば、親もイライラします。

そんな風に、社会の中で出会う人や環境の影響を受けて、親の行動がつくり出される。そしてその親が子どもに接することで、社会から受けた影響が子どもに伝わる。逆も然りです。学校という環境の中で様々な影響を受けて、子どもの行動が作り出される。その子どもが自宅に帰ってきて、今度は子どもから親に学校で受けた影響が伝播する。そうやって、一つひとつの行動がつながっていきます。

それを理解するからこそ、自分の心を操るクセをつけておくことがとても大切です。実は、今回6月に出版する予定の書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」には、その感情の操り方が書いてあります。社会の中で様々な感情を抱きながら生きていく時に、その感情に惑わされずに自分の心をどうやって操るか、ということです。

そういったことを、一般の方にもわかるように書かせていただきました。本のタイトルには「医師のための」とは書いていますが、医師だけでなく、一般の若い人にも、社会人の方にも理解いただける内容です。社会には色々な感情が常に存在しています。

当たり前ですが、その感情を意識できるかどうかで、人生が決まります。それほど、とても大切なことです。感情が、どんどん色々な人へ伝播していく。それを意識できているからこそ、自分の心の変化に気づくことができる。自分の心の変化に気づくから、自分の行動を良い方向へと操っていける。そういうものです。

僕が働いている医療現場では、常に感情が錯綜しています。病気や障害というものがある場所には、もちろん不安や悲しみが当然あります。あるいは、生命の誕生の場面や病気が良くなる場面には、喜びがあるものです。そんな色々な感情に触れていることを意識することで、自分の心の平静を保つことができるのです。あらゆる感情に翻弄されてしまうのではなく、自分の心を操ることを大切にしています。

そのために必要なこと。それは、自分の心を振り返る、ということです。自分を俯瞰的に見て、自分の感情と行動を客観的に捉える。それは、社会で生きるうえでも、子育てをするうえでも役に立つライフハックです。例えば、何だかソワソワしている自分に気づく、あるいはいつもと違って忘れ物に多い自分に気づく。そうやって、「アレ、自分の気持ちや行動が何か変だぞ」と意識する。そこから始めてみたいものです。感情や行動の変化から、いつもと違う自分に意識を向ける、ということです。

そういうクセがついてくると、あなたの行動が変わっていきます。社会あるいは環境に操られない、自分が求めるものを追求できるように、心の操作ができるようになってきます。それに、自分の心の変化に気づいて、心を操作できるようになってくると、あらゆる人の行動がわかるようになってきます。

すると、例えその人が誤った行動をしたとしても、「その行動は、あなたが悪いのではなくて、あなたの行動を生み出したこの環境がいけないよね」という思考に変わります。そうすると、あらゆる場面でのイライラがなくなっていくものです。それはとても面白い世界ですよ。ぜひ試してみてください。

すべて過去の教育からつながる

それではコメントをご紹介したいと思います。

まずは、ラジオネーム「あぴか」さん。コメントありがとうございます。

「いつも先生のお話で心が温かくなります。ありがとうございます。春から学校に行けるようになった子どもさんのお話嬉しいですよね…。私も息子が不登校のときに先生に出会っていたかったと思いました。息子は時間がかかりました。私たち夫婦のつながりがしっかりできていなかったと反省します。いろんな過去のことを思い出しながら、それでも今からに目を向けて生きていきたいです」。

「あぴか」さん、どうもありがとうございます。「あぴか」さんが「息子は時間がかかりました」とおっしゃるように、時間がかかるものですよね。不登校の子どもに接する時には、その解決には時間がかかり色々な波があるのが当たり前と思いながら、でも、つながりの効果を信じる、ということが大切ですね。

それに、人とつながることの意義、つまり人生の中で人のつながりがどんな効果を発揮するのか、つながりがどんな風に人を助けるのかを学ぶ教育がなかったわけですから、不登校への対応はどうしても行き当たりばったりになってしまうものです。つながりの効果を理解していなければ、誤った対策をとってしまう。そういった現場をたくさん目にしてきました。

そういった世の中のカラクリを知っているので、不登校の原因はこの社会にある、あるいは教育にある、と思っています。教育の中につながりを重視する教育がないと、つながりの価値を理解しない社会できてしまいますね。テストで点数をとれればいいといった偏った価値観で人を教育してしまうと、人とつながることに意義を見出せない社会が育つ。その社会がまた人を教育する。そんな連鎖があります。不登校の子どもはどんどん増えています。

でもその原因は、「今」にあるわけではありません。過去の教育によって創り出された社会の中で、様々なつながりにくさが生まれていき、そして「今」不登校の子どもたちが増えています。すべては、過去からつながっているということです。

つながりの価値を教育されてこなかった人も、いつか気づく日がきます。「あれ?子どもの頃に教育されてきた価値観では、私の、僕の幸せは得られないぞ。」「私は、僕は、何か違うものを求めているのではないか?」そんなことを考えるようになります。そのきっかけになるのが、子育てや色々な人との出会い、そして別れです。つまり、大切なつながりを感じる経験を通して、人が本来求める「つながり」の価値に気づくようになるということです。

でも、それに気づけるかどうかは、本当に環境次第になってしまう。それが現状です。あともう少しで人生を終えるという時になって、ようやくつながりの価値に気づける人もいます。人生をずっと歩んできて、最後にようやく自分の求めていたものがつながりだったと気づく。それって、やはりもったいないですよね。

「あぴか」さん、「あぴか」さんの生きてこられた人生には大きな価値があります。僕はそう感じています。ぜひ経験されたことを今後も共有いただければ嬉しいです。

親権を手にして変わる?おかしな世界

次にラジオネーム「さりゅ」さん。コメントどうもありがとうございます。

「親子の関係って、どうしても上下関係と捉えてしまうことが多いけれど、私は仲間、同志、同等だと思っています。子どもだって、1人の人格者で、意思や価値観を持っている。その意識を大人が持つだけで、子どもへの接し方が変わり、子どもも変わってくると信じています。そんな我が子とのつながりは、信頼関係だと思っています。お互いに信頼関係があれば何があっても大丈夫。私も自分の子どもたちを信じています。生きてるだけで素晴らしい!と、私は思います」。

「さりゅ」さん、どうもありがとうございます。子どもを1人の人格者として尊重するということですね。そうすることで、子どもへの接し方、子どもとのつながり方が変わってきますね。そうやってできた子どもとのつながりには、信頼関係が出来上がりますね。その信頼関係があるから、それを支えにして、学校などの社会で子どもは勇気をもって生きていけますよね。

子どもとつながるためには、子どもを尊重することが大切。それは、親という立場の人がもちたい意識ですね。親は、子どもをもつと「親権」を手にします。親の権利である「親権」です。そんな親権を手にすると、あたかも親が偉くなったかのように勘違いしてしまう人もいます。どんなにみっともない行動をしていた人でも、子どもをもつと親権を手に入れる。

親権を手に入れると、不思議な現象が起きます。これまで自分ではできなかったことを、子どもに求めるようになる。遅刻常習犯であった親が、子どもに「遅刻するんじゃない」なんて言う。そんなことが実際にあります。そこで待っているのは、子どもたちの混乱です。親は子どもに「〜をやれ」と言うけれど、でもその指示をしている親はそれができていない。学校では「挨拶をしましょう」なんて習うけれど、親を見ていると、全然挨拶をしていない。そうなると、子どもは何を信じていいかわからなくなってしまいますね。

そうやって、子どもを尊重できる心が親にあるかどうかは、やはりその親が受けてきた教育が関わってきます。ラベルで評価せずに、その人の本質を見極められる教育を受けてきたか、ということです。病気や障害、あるいはあらゆるラベルで一方的な評価をせずに、相手を尊重しながらつながれるか。そういった教育を受けてきたか。そのことがとても大切と思います。

そうやって、その人の本来の価値に気づけるようになると、「生きているだけで素晴らしい」という感覚がもてる。そういうものですね。

子育ての中ではあらゆる感情によって、子どもを尊重するという心を見失ってしまうこともあるかもしれません。だからこそ、自分の心を振り返るという癖は、子育てに役立つライフハックなのです。「自分は今、子どもを尊重できているだろうか」「親権を乱用していないだろうか」、といった心の振り返りはとても大切と思っています。そんな風に色々思うところがありますが、だいじょうぶ。まあ、なんとかなりますよ。

記事のポイント!

  • 自分の心を振り返るクセが欠かせない
  • 過去の教育から今の社会がある
  • ラベルで判断しない心を育てる教育が必要

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