小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

コメントに感謝しながら今日も放送

2022/05/14

記事【コメントに感謝しながら今日も放送】

#コメントに感謝しながら今日も放送 #子育て #小児科医 #湯浅正太
こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。今日はまずは、忘れないうちに新しい書籍のことを紹介させていただきます。僕の新しい書籍『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』が、6月6日(月)から全国の書店で発売されます。専門用語は使っていませんので、医師だけでなく、一般の若い人から社会人の方まで広く読んでいただける内容になっています。ぜひ色々な方に読んでいただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。今日の放送の別のチャプターに、この書籍に関するAmazonのURL(※このブログでは、以下)を貼っています。ぜひアクセスしてみて下さい。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

つながりは色々あっていい

それでは今日もコメントをご紹介させていただきます。まずは、ラジオネーム「だんご魚さん」。コメントありがとうございます。

「こんばんは。今日も娘が眠った後に、拝聴しています。『子どもの頃に自分の気持ちを外に出せる経験を積めるということは、子どものその後の成長につながる』。この先生の言葉を今まさに目の当たりにしています。娘は、たくさんの人の前で話をすることや、初めて会う人と話すのが苦手でした。

そんな娘がダンスを習いたいと訴え、ダンスを習い始めました。初めてのスタジオという慣れない環境、初めて会う先生やお友達。初めは、緊張した面もちで、挨拶や自己紹介も満足にできませんでしたが、レッスンが始まると真剣にレッスンを受け、次第に先生やお友達とも笑顔で会話をするように。先生やお友達と打ち解けるまでが、ダンススタジオでは格段に短かったです。さらに、ダンスであれば、自ら人前に立つことを望む様子に驚きつつ、嬉しくなりました。

娘は、ダンスで自分のエネルギーを表現し、ダンスで人とつながることができるのだと思いました。本当に『つながり方は、人それぞれ』ですね。娘は、これから山あり谷ありあるのでしょうが、自分を表現できる手段の一つを見つけた事で、少したくましくなった気がします」。

「だんご魚さん」、どうもありがとうございます。ダンスを通して、娘さんが色々な人とつながっていけている、ということですね。世の中で人生を楽しんでいる人を見ると、そんな人ばっかりですからね。つながる方法は、どんな方法でもいい。「こうでなければならない」という押し付けがましい偏った捉え方ではなくて、「協力するから、やってみなさい」という捉え方が大切ですよね。

大人になると気づきます。「こうでなければならない」と決めつけている判断には、実はそのほかにも色々な解決策がある。そういうことに気づきます。そして、人生を楽しんでいる人ほど、その解決策を幾つももっているものです。考えを柔軟に変化できる人ほど、つながり方も上手。そんなものですよね。

一つの決まったレールを進むことは確かに安心感が得られるかもしれませんが、それはあくまで社会を生きるうえでの一つの方法に過ぎません。それは社会に合わせた生き方であって、人として求めるものを考慮した生き方ではないですね。色々な個性があるからには、人それぞれ違った人生の歩み方があるものです。ですから、その人らしい「人とのつながり」が見つけられたら、それほど素晴らしいことはありません。そのつながり方を利用しながら、その人にあった人生の楽しみ方が手に入れられますからね。

僕は小学生から中学生の頃にサッカーをやっていました。そのサッカーは、僕を表現するための一つの方法でした。心が疲れていても、サッカーボールを蹴っていれば心が楽になりました。サッカーを通して、友だちと触れ合うということを経験しました。そうやって、その子らしいつながり方、ぜひ見つけてみて下さい。

頼っていいつながり

次にラジオネーム「スイフトスポーツさん」。コメントどうもありがとうございます。

「NHKの視点・論点を見て、湯浅さんのことを知りました。子どもの成長が遅れると、つい焦ってしまいますが、もっと大切なことがあると気付かされました。今を楽しむこと、子どもに寄り添うこと、妻やきょうだい児のメンタルを大切にすること。当たり前を大切にしたいです」。

スイフトスポーツさん、NHKの番組を見ていただいて、どうもありがとうございます。番組を通して僕のことを知っていただけたということを聞くと、やっぱり番組に出演させていただいてよかったなと思います。色々な経験が、人生を通して様々につながる。それは、面白い化学反応のようなものですね。自分でも想像していなかった展開になる。そんなことを何度も何度も経験してきました。その度に「人生って、面白いな」と思うのですね。

スイフトスポーツさんが「もっと大切なことがあると気付かされました」と言ってくれたように、子どもや人とのつながりを意識すればするほど、大切なものが見えてきますね。人がつくった社会でのつまらない価値観に惑わされずに、本当に人が求めるつながりを意識できれば、それまで感じていた生きづらさが解消されていくものです。

そしてつながりの中で、「人に頼っていいんだ」ということを理解できます。「人に頼ると、こんなに人生が楽なんだ」とわかります。それが健康的なつながりであれば、そのつながりに頼ることであなたは必ず救われます。そういうものです。

AIの時代だからこそ、人間らしさ

最後にラジオネーム「ひのきさん」。コメントありがとうございます。

「『もっと若い時に人の心のカラクリを知りたかった!』社会人入学で昨年、大学に入り直し、心理学や社会心理学の講義を受けましたが、本当にそう思いました。心のカラクリを知らずに行き当たりばったりで学ぶよりは、若い時に等しく教育を受けられる機会があれば。必要なことです」。

ひのきさん、どうもありがとうございます。そうですね、人の心のカラクリを誰もが理解する。しかも家庭環境によらずに、等しく心のことを学べる。そのことが大切ですね。僕は、そのためにはやはり義務教育期間に子どもたちに、人の心のカラクリを学ぶ教育が提供されることが大切と思っています。でも、おそらく注意した方がいいのは、人とのつながりを念頭においた、人の心の教育が欠かせないと思っています。

例えば、大学闘争が盛んに行われていた時代には、哲学を学ぶ、思想を考える、そういったことを当たり前におこなっていたかもしれません。これまでの時代も、人の心のカラクリを知ろうとする若者はたくさんいたんです。でも、それで人とのつながりが上手くなったか、子どもの生きやすい社会を考えられたかというと、その結果が今ですから、やはりそれは少し違うと思います。

人の心のカラクリを哲学などを通して考えることはとても大切なのだけれど、人とのつながりを柱にそういった人の心を捉える、という姿勢が最も大切と思います。そしてそういう教育が提供されることが必要と思います。しかもそれは、机にかじりついて学ぶという学習ではありません。あらゆる人の人生を子どもたちに伝えて、どんな関わりの中で、どんな心が育っていくのか、そしてどんな最期を迎えることになるのか。そんな色々な人の人生を、見たり、聞いたり、読んだりして、学ぶということです。そうやって人間らしさを学ぶ、ということです。

これからの時代にはAIが活用されて、人の仕事はどんどんAIに代わっていきます。「AIがあるから、あなたはいなくて大丈夫」という時代がやってきます。そんな時代だからこそ、人間らしさを追求するのがこれからの時代です。人間らしさとはつまり、つながりを求め、つながりにより助けられるということです。これからの時代には、よりその人間らしさとしての、つながる力が必要なのです。

色々なコメントを送っていただき、本当にありがとうございます。こうやってコメントをご紹介しているのは、そのコメントを共有することに意義を感じているからです。当たり前ですが、自分の人生は1回きりですから、自分の人生だけを見ていたら「あの頃のこういった経験が、こういった結果につながった」と理解できるようになるまでにかなり時間がかかります。多分おそらく人生を歩んでずっと後になってから気づくのですね。自分の人生だけを見ていたら、自分の人生を振り返って、自分の心のカラクリに気づくのは相当後になってしまいます。でも、1回きりの人生を存分に楽しみたいですよね。そして、自分の子どもにも、楽しい人生を送ってもらいたいと思いますよね。そのために、ぜひこのチャンネルを活用していただきたいと思います。

例えば、色々な方の「子育てで困ったこと」あるいは「子育てでうまくいったこと」を共有することで、「子育てに困っているのは、自分だけじゃないんだ」「こうやったら、子育てってうまくいくんだ」、そんな理解をもっていただけたらと思います。

でもそれだけではなくて、「子どもの頃は、こんな親子関係だった」「こんな養育環境で育って、大人になった今、こんな風に育っている」、そんな情報も共有しながら、どんな親子の関わりで、どんな心がつくられていくのかがわかっていただけたらと思っています。

そういった話を通して人の心のカラクリが理解できると、人はつながりを求めて、つながることで生かされるものなのだ、と理解できるようになります。すると、自分のことも面白いくらい、わかるようになります。もちろん心の矛盾もわかるようになる。でも、それが人というものですね。

世の中には、宗教やスピリチュアルという世界があります。僕はどれを信じるということはありませんし、どれを否定するということもしません。ただそういった思想の中にもやはり、人とのつながりで解決しようとする考えがある、ということに気づきます。結局みんなそこに行き着くのだなあ、と思うのです。

僕は、小児科医として心理の世界を学んで、人の誕生や人の死に向き合って、生きづらさを抱える子どもたちの人生に寄り添いながら、人が求めるものは結局「つながり」なのだ、と理解できるようになりました。

僕は子どもの心を整えていく過程で薬を使うこともあります。でも、薬は子ども自身の心を改善させるわけではありません。心の回復に力を貸してくれる一つの方法に過ぎません。薬よりも何よりも大切なのは、やはりつながりです。つながりの力には即効性を感じにくいかもしれませんが、じわじわと持続的に効果を発揮します。

あ、今つながりの効果に即効性を感じにくい、とお話ししましたが、つながりに慣れないうちは即効性を感じにくいということです。子どもとのつながり方やつながった時の反応も含めて、つながりの力を理解すると、その効果を理解しやすくなるものです。慣れてくると、「つながることで、実は子どもはこんな早くに変わるんだ」と感じるようになります。すると、子どもとつながることでのわずかな変化の積み重ねが、大きな成果となって現れることを実感するものです。

しかも、その効果には特徴があります。それは、「子どもの頃ほど、短いつながりで長い強い効果を発揮する」ということです。もっと言ってしまうと、子どもの頃のつながれた経験は、「一生もん」ということです。そんな風に色々思うところがあります。だいじょうぶ。まあ、なんとかなりますよ。

記事のポイント!

  • つながり方は、いろいろあっていい
  • つながって、頼っていい
  • AIが普及する時代だからこそ、人間らしいつながりを

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