記事【コメントから見えてくる子どもにとってのつながり】
#コメントから見えてくる子どもにとってのつながり #子育て #小児科医 #湯浅正太
おはようございます。絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。
今日は、コメントから見えてくる子どもにとってのつながり、というテーマでお話ししたいと思います。
そういえば、この放送を聴いてくれているリスナーの方の中にも、まだコメントを送っていただいていない方もたくさんいらっしゃると思います。ぜひ遠慮せずに僕にコメントを送ってみてください。色々なコメントをご紹介する中で、子どもが求めるつながりが具体的に見えてくると思うのですね。そうすると、子どもたちに必要な本当の教育が見えてくると思っています。そして、ぜひフォローしてください!
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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる
NHK番組「視点・論点」への出演
それではコメントです。最初は、ラジオネームいまちゃんさん。どうもありがとうございます。
「視点・論点、視聴させていただきました。ありがとうございました。つながりの大切さ、しみじみです。いろんな方がいるのですよね。」
いまちゃんさん、どうもありがとうございます。昨日のNHK番組「視点・論点」、観てくれたのですね。嬉しいです。その番組の放送後、色々な方から「観ましたよ〜」というコメントをいただきました。これまであまりSNSなどを使ってこなかったのですが、SNSでも色々な人から連絡をいただくようになってありがたい限りです。
これまで色々な新聞やラジオ、そしてNHKさんでも取り上げていただけるようになりましたが、実は僕の法人Yukuri-te(ゆくりて)が6月に1周年を迎えるんです。自分に「おめでとうございます〜」と言ってあげたいです。小児科医として働きながら、マイペースに法人を運営していますが、様々な人に僕の考えに共感していただき、色々な情報発信の機会を与えていただき、本当にとても感謝する1年でした。
そんな風に1周年を迎えるので、6月の後の7月18日の海の日に、1周年記念の参加費無料のオンライン講演会を開催しようと思っています。午後1時くらいからオンラインですね。もう少ししたら告知も出そうと思うので、ぜひ参加してみてください。それに新しい書籍ももう少ししたら発売になるので、その書籍のこともどんどん発信したいと思います。
親の頭痛の影響
それでは次のコメントをご紹介したいと思います。ラジオネームひのきさん。どうもありがとうございます。コメントを一部抜粋してご紹介させていただきます。
「超絶出遅れましたが、子どもの頃からの片頭痛?に最近対処して、会う薬も見つかりだいぶ過ごしやすくなりました。1日我慢しないように対処した、という親の背中がいつか子どもに伝わればと思います。ありがとうございました!」
なるほど、コメントありがとうございます。実はこの頭痛に対処するって、親子がつながるうえでもとても大切なことなのですよね。だって、頭痛があると、人と話のも億劫になることがありますよね。頭痛があると、子どもにうまく接することができないこともある。そうやって、頭痛が原因で人となかなかうまくつながれない現実を知っているのです。
特に片頭痛は生活にかなりの支障をきたすので、頭痛の中でも片頭痛かどうかはとても大切なポイントです。しかも、片頭痛であることかどうかが大切な理由は、もう一つあります。それは、片頭痛用の薬がしっかりあるからです。商品名を出すと宣伝になるため薬の名前は言いませんが、片頭痛に対してしっかり片頭痛用の薬を使うと、世界が変わります。
だからこそ大切なのは、自分がもっている頭痛が片頭痛かどうか、ということです。片頭痛でもない頭痛に、片頭痛用の薬を使ったって、意味がないのです。よくなるわけがありません。よくある間違いは、「片頭痛用の薬を使ったけれど、頭痛がよくならない。だから、片頭痛用の薬は効かない」。患者さんやそのご家族から、そんな話を聞くことがあります。
でも実は、この「片頭痛に片頭痛用の薬が効かない」には、わけがあるのです。それは、そもそもその頭痛が片頭痛ではなかった、ということが少なくありません。
例えば典型的な片頭痛の一例をご紹介すると、こんな感じです。なんだか目の前がぼやけたり、チカチカするような眩しい光が見えます。なんだかおかしいなと思っていると、次第にズキンズキンする頭痛がじわあっと出てきます。そこで頭痛を我慢して過ごしていると、なんだか太陽の光や蛍光灯の光が異常に眩しく感じるようになります。そうこうしているうちに、なんだか吐き気まで出て、ベッドで横になってないといられない状態になります。これが、典型的な片頭痛の経過です。中には目の前がぼやけたり、チカチカした光が生じない片頭痛もあります。
今お話ししたような経過ではなくて、なんだかずーっと頭が重いような頭痛も世の中にはあります。それはたいてい片頭痛ではありません。中には、片頭痛という文字から、頭の片方が痛くなる頭痛を片頭痛と勘違いしている方もいます。片頭痛は必ずしも、頭の一方だけに起こるというわけではありません。大切なのは、典型的な経過かどうかです。
片頭痛は明らかに生活に支障をきたします。生活に支障をきたすということは、子どもとのやりとりにも支障をきたすということです。もしもこの放送を聴いてくれているリスナーの方が片頭痛で悩ませれていたとしたら、その辛い表情を見るお子さんも辛い気持ちになるはずです。親の辛い表情を見たい子どもなんていないのですよ。
ですから、片頭痛かどうかを明らかにして、片頭痛であればしっかり薬を使う。すると、世界は変わります。あなたが頭痛に対処できるようになると、子どもにも良い影響が及びます。そういうものです。
その人の様子から見えてくるつながりの世界
では次に、ラジオネームmamalion(ママライオン)さん、コメントどうもありがとうございます。
「湯浅先生のお話に出会ったのは3月頃。以来、共感しながら拝聴しています。心のカラクリ、社会・家庭環境からの影響の強さ、心のつながりの大切さ、とてもよく分かります。豊かではなくても、とことん話を聞いてくれ、話をしてくれた母のお陰で、私は心をこじらせずに生きてこれました。とても感謝しています。対して、夫は習い事をたくさんやらせてもらい、スキルをたくさん身につけた子ども時代でしたが、心のつながりをもてないまま成長し、寂しさからやんちゃをし、大人になっても親との心のつながりは諦め、淡々と接し、反面教師としています」。
mamalion(ママライオン)さん、どうもありがとうございます。3月から聴いてくれているのですね。とても嬉しいです。大人になった時の様子で、子どもの頃の養育環境が想像できる。それは本当にそうですね。人と接する時の仕草だったり、子どもとのやりとりなどに、子ども時代のつながりの様子が見えてくる。やはりすべてがしっかりつながっています。
その人が育った環境がなんとなくぼんやり見えてくる。その人が子どもの頃に浮かべていた表情や気持ちがなんとなく見えてくる。そうすると、ちょっと同情のようなものも加わることがあるものです。今の愛情のかけかたやつながり方に感じていた違和感が、すうっと理解できる。そうすると、その人を責めていたことがバカらしく感じられるものです。
育った時の環境やその後の大人になった時の様子。色々な人の様子を、こうして一緒に考えることでつながりの力が見えてきますね。それは、僕が小児科医として外来で確認している作業と同じです。色々な子どもたちを知る、そしてその子のつながりを知る。そうすると、心の化学反応の連鎖がよ〜くわかるようになるものです。
mamalion(ママライオン)さん、これからも色々なコメントお待ちしています。
では次に、ラジオネームみほさん。いつもありがとうございます。
「特性をもつ娘は、小6になると友達とのトラブルが多くなり、自らつながりを断ち切っていました。先日、違う中学校に行ったクラスメイトのA君が遊びに来てくれました。A君と娘はケンカすることも多かったのですが、卒業後LINEで連絡を取り合っていたみたいです。兄弟の多いA君は、親から手をかけてもらえていないことを娘から聞いていました。私は勝手に愛情に飢えている子と認識していました。A君は来るなり、何やらいっぱい入った買い物袋をお土産と言って渡してくれました。『お母さんによろしくね』とお礼を言うと、『母でなく、オレからです』と言うのです。話を聞くと、お手伝いをして得たお小遣いを貯めて買ってきたとのこと。袋の中をみると娘が好きなお菓子、妹用のお菓子、私の好きな紅茶まで入っていました。その心遣いに驚かされました!娘と会話を楽しみ、A君は帰りました。しばらくしてA君からLINEが届きました。『学校に行けるおまじない』というメッセージとともに、A君の好きだという曲が添付されていました。私は思わず涙が出てきました。クラスで浮いてしまった娘を、卒業してからもつながり続けてくれるA君に感謝しかありません」。
みほさん、どうもありがとうございます。A君は人へ優しさをプレゼントできる子なのですね。みほさんのコメントに「兄弟の多いA君は、親から手をかけてもらえていないことを娘から聞いていました」とありますが、A君は親からか、どこからか、やはり優しさをもらっているみたいですね。あるいは、みほさんの娘さんから、優しさをもらっているのかもしれないですね。
以前に、子どもとつながると親の心が成長することをお話ししました。過去に親子のつながりが薄かった人も、自分の子どもとつながることで、自分の心が満たされていく。すると、自分の心に余裕ができて、過去の親子のつながりを振り返れるようになる。振り返れるということは、過去をある程度克服しているということです。そんな力が親子のつながりにあります。それとまったく性質が同じというわけではありませんが、つながりの力の効果を感じることがあります。それが、友人や恋人、そして夫婦のつながりです。
人は永遠とつながりを求める生き物です。自分が子どもの頃は親とのつながりを求めます。分離不安という言葉があるように、幼い頃は自分にとって大切な母親がいなくなると不安になり、母親を探し求めます。でも、成長する過程で、その分離不安はなくなり、親から卒業します。それは、子どもの心の成長としてごく自然な発達です。その後、友人や恋人、そして夫婦としてつながりを求めていくわけです。そこで、面白い現象が起きます。相手とつながることで、自分の心が満たされることを感じる。なんだか温かい心になる。そうやって、無意識のうちにつながることで自分が癒やされていく経験を重ねます。
みほさん、温かくなるエピソードありがとうございました。色々なつながりを大切にしたいものですね。
そんな風に色々思うところがあります。だいじょうぶ。まあ、なんとかなりますよ。
記事のポイント!
- NHK番組「視点・論点」への出演、観てくださりありがとうございます
- 親の頭痛にしっかり対処することは、子どもへいい影響がある
- 人の行動からその人のつながった経験がわかるもの
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