小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

いかに使うかという教育の大切さ

2022/04/14
#いかに使うかという教育の大切さ #子育て #小児科医 #湯浅正太

記事【いかに使うかという教育の大切さ】

おはようございます。絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今回は、いかに使うかという教育の大切さ、についてお話ししたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

つながりたい人間がSNSを手に入れた

あなたは学校の昼休み、どんなことをして過ごしていましたか?みんなと校庭ではしゃいでいましたか?それとも、教室の中で一人で何かをやっていることが好きでしたか?

人はつながりたい生き物です。つながりたい生き物だからこそ、人と会って話したり、人と手をつなぐことを楽しみます。でもそのつながり方には、その人のペースがあります。

しょっちゅう誰かとつながっていることが好きな人もいるでしょう。時々誰かとつながるぐらいがちょうどいい、という人もいるでしょう。

それに中には、直接つながることが苦手な人もいます。でも、たいていそれは、つながりたくないということではありません。そっとそばにいてくれることが、本人の快適なつながりだったりするのです。

「え、そんなつながり方があるの?」という人もいるかもしれませんが、そういうつながり方は珍しくありません。目を見るわけでも、手を握るわけでも、直接話すわけでもありません。ただ、一緒の空間にいるだけです。そういったつながりだけで、落ち着く。そういうこともあるのです。

世の中には、一人でいることが好き、という人がいます。もちろん一人の時間は大切です。現実の世界とはちょっと離れて、自分のペースで暮らせる、自分の世界に没頭できる。そうやって心を穏やかに保つ。そういうこともあるでしょう。

でもそれは、つながりが嫌いというのとは、ちょっと違うことがほとんどです。しばらく一人の時間を楽しみながらも、どこかできっと誰かとつながろうとするものです。手元の携帯を使って、SNSなどで誰かにちょっとメッセージを送ろうとする時がやってきます。周りの世界はどうかなって、外の世界とつながろうとするタイミングが再びやってくるものです。

今ちょっと触れましたが、つながりたい人間の世界に、つながりやすくなる手段が登場しました。それが、SNSです。携帯やパソコンがあれば、遠くの誰とでもつながれます。直接会おうとすると何時間もかかるはずの地球の裏側の人とも、すぐにつながれます。

ここまで、人はつながりたい生き物で、SNSという手段をも手に入れた、というお話をしました。

勝手に膨らむ想像の世界

ここで少し違うことを考えたいと思います。以前の放送で少し触れたかもしれませんが、人が過ごす空間には現実の世界の他にもう一つ世界があります。それが、想像の世界です。想像の世界とは、あなたが頭で考えてイメージを膨らませて出来上がる世界です。

想像の世界は果てしなく広い。だって、想像の世界には終わりがないんですよ。自分が想像しようとすると、どんどん想像の世界は広がっていきます。その人が自分でしっかりブレーキをかけてあげないと、あるいは誰かがしっかりブレーキをかけてあげないと、想像の世界は延々と広がっていきます。

その発展していく想像にブレーキをかける役目が、現実の世界にはあります。膨らむ想像に対して、実際にはそういうことはあり得ないよね、そんな具合に、現実の世界と触れることによって、想像にブレーキがかかるのです。このブレーキって、とても大切なのです。

現実の世界と、想像の世界とで、あなたの心に影響を及ぼしやすいのはどちらでしょうか。それは実は、想像の世界です。一つの想像が生まれると、想像の世界は果てしなく終わりがない自由な世界ですから、次々に自由に想像が発展します。広大に広がった想像は、あなたの心を操る力をもつものです。

人と会わずに、実際の世界と触れずに生きようとすると、想像の世界が勝手に膨らんでいきます。例えば、学校に行かずに、人との接触を避けて過ごしていると、想像の世界で学校に対する不安が膨らんでいくものです。

別に学校に行くことがいいことというわけではなく、社会で生きやすくなるためには、少々現実の世界に触れておくことがいいこと、ということです。ちょっと外に出ることは、とてつもなく大きな意味があるのです。

SNSと想像の世界

このように、想像の世界の力に触れた後は、また、つながりたい人間が作り出したSNSの話に戻りましょう。

今はSNSでつながる機会が増えました。自分が会ったこともない人とつながれます。つながりが増えることで、様々な機会が増えます。新しいつながりによって、新しい事業に発展するかもしれない。そうやって、SNSが社会の発展に寄与しているところは間違いなくあります。

ただ、それでも注意したいことがあります。それが、SNSを使う時に想像の世界に操られないようにする、ということです。人の心というのは、想像を膨らませてしまうところがあります。想像の世界をあらゆる方向へと広げていこうとしてしまう。そういう傾向があります。

SNSで直接会ってもいない相手を想像して、その相手の心も想像してしまう。自分の想像を膨らませて、突っ走ってしまう人も出てくるわけです。

人は感情を、言葉からだけではなく、身振り手振りや表情からも受け取ることが知られています。だからこそ、なかなか表情を理解できないようだと、人の感情はやはり理解しにくくなるものです。

そういうわかりにくい部分があるから、SNSでの顔マークは大切だったりします。そういったマークも利用しながら、なるべく現実世界の感情をそのまま伝えるように工夫されているのです。

SNSを正しく利用できる教育

そこで、SNSが普及している今を生きる子どもたちの教育を考えたいと思います。人はつながる生き物で、SNSによりそのつながりは様々な発展を遂げている。でもそこには注意しなければならないことがある。それは、想像の世界が一方的に広がってしまいかねないことでした。

実際の世界では生じていない感情も、想像の世界では生じかねないのです。その想像の世界に操られることは避けたい。

今の教育に必要なことは、SNSを避けた環境で学ぶということではありません。学校でSNSを使えなくったって、必ずどこかでSNSに触れるようになります。そうやってSNSを使うようになった時、想像の世界がみるみるうちに広がっていきます。だって、SNS使っちゃダメって禁止されればされるほど、子どもたちは余計に使ってみたくなるからです。そうやって興味関心が強くなっているからこそ、SNSをむやみやたりに使って、実際には存在しない感情や言葉が一人歩きします。そして、そうやって膨らんだ想像の世界が、子どもたちを操ってしまうのです。

そうならないように、これからの時代を生きる子どもたちに必要なのは、どうやって正しくSNSを利用するか、という教育です。SNSの便利なところ以外に、想像という世界で操られる危険性を理解してもらうこと。そういった教育が、これからの時代を生きる子どもたちに必要です。

世の中では、学校に行きたがらない子どもが増えています。それは決して、その子ども自身が悪いわけではありません。その子どもの環境が大きく影響しています。SNSの正しい使い方を学んでこなかった子どもたちです。自分の想像の世界がどれほど自分を操ってしまうのか。そのことを学んでこなかった子どもたちなのでです。

SNSと想像の世界、ぜひ考えてみてください。

そんな風に色々思うところがあります。だいじょうぶ。まあ、なんとかなりますよ。

記事のポイント!

  • つながりたい人間が、SNSを手に入れた
  • SNSを正しく使える教育が必要
  • 現実の世界に触れることが欠かせない

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