小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

言わない方が治る子どもの行動もある

2022/04/02
#言わない方が治る子どもの行動もある #チック #子育て #小児科医 #湯浅正太

記事【言わない方が治る子どもの行動もある】

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今回は、言わない方が治る子どもの行動について考えたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

子どもの行動

あなたは、子どもに「やめなさい!」と注意をして、子どもはその行動をやめられることが多いですか?あるいは、なかなか止めようとしないことが多いでしょうか?

何度も何度も注意しても、子どもがその行動をやめられない、なんてこと、多いんじゃないでしょうか?

子どもの行動を、大きく2つのタイプに分けて考えてみます。意図的におこなっている行動と、無意識のうちにおこなっている行動の2つです。

子どもの行動の中でも、意図的におこなっている行動は比較的修正しやすい。逆に無意識のうちにおこなっている行動は修正しづらい。そういった特徴があります。

子どもが意図的におこなっている行動は、その時の意識がその現場にあります。子どもの意識がそこにあるから、あなたはその意識を操作しやすい。

でも、子どもが無意識のうちにおこなっている行動は、意識はそこにありません。子どもの意識がそこにないからこそ、あなたはその意識を操作しづらい。

実は、子どもが無意識のうちにある行動をとっている時、実はその行動につながっているもっと深い意識があるはずです。

チックを考える

例えば、チックという病気を考えてみましょう。チックという病気は、一瞬の素早い動きをおこなってしまう特徴があります。その人本人がやろうとしてやっているというよりも、やってしまうと言った方が適切です。

咳払いをしたり、首をふったり、瞬きをしたり、様々です。そして、そのチックの症状は多い日もあれば、少ない日もあります。その差は何でしょう?それは、その行動には日常生活で変化する他の意識がつながっているからです。なんとなくチックの症状を出しながらも、実はその行動にはその人自身も気づかない意識がつながっています。

例えば、明日のちょっと嫌なマラソンのこと、今朝怒られた出来事、将来ちゃんと生きていけるんだろうかという不安なこと。どんな意識でもいいのですが、子どもが実は気にしている様々な意識が、チックという行動につながっていたりします。

そういった出来事を背景に、心が緊張したり、不安になったりすると、チックの症状が悪化します。咳払いが増えたり、やけに瞬きが多くなったりします。

そんな時に、表に見えているその症状を「やめなさい!」なんて注意しても、止まないわけです。逆にそんな風に注意すると、チックの症状は悪化するかもしれません。そういうものです。

表に出ているのはチックの症状だったとしても、もっともっと深いところで関わっている意識があるからです。その意識自体が変わらない限り、チックの症状は変わりません。

本当は明日のマラソンが気になっているのであれば、明日のマラソンが終われば、チックの症状は良くなっているかもしれません。今朝怒られた出来事が心の中で解消されれば、チックの症状はよくなるものです。

そっと寄り添うこと

実は、子どもの行動の多くに、表に現れている行動の他に、その行動に影響を与える意識があったりします。だからこそ、表に現れた行動を注意しても、その行動が治らない。そんなことがたくさんあるわけです。

この行動は、いったいどこの体験と結びついているんだろう?そんなことを思いながら、子どもたちを診察します。でも、多くの場合、関係しているであろう物事は、なかなか見つかりません。

見つからないからといって、それをあえて見つけにいくようなことはしなくて大丈夫です。子どもはあえて心の奥底にしまおうとしているかもしれないからです。そうやって心の奥にしまうことが、自分を守る防御手段かもしれないからです。

ですから、そっと寄り添う。それがとても大切な対応です。もし子どもが相談してきたら、即反応してあげて、不安を聞いてあげる。子どもが相談してこなかったら、そっと一緒に何かを行動してあげる。それだけで、心の奥の方にしまってある物事は解消されていきます。

あえて深掘りせずに、そっと寄り添うだけの力。その威力は凄まじいです。チックも含めて、子どもの様々な行動が改善していきます。

そんな風に色々思うところがあります。だいじょうぶ。まあ、なんとかなりますよ。

記事のポイント!

  • 無意識の行動は、指摘しても修正しにくい
  • チックの症状は、指摘せずに寄り添いながら変える
  • 寄り添うことで子どもは変わる

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