子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

小児科医としての今年の夢は

2022/03/28
#AprilDream #小児科医としての今年の夢は #子育て #小児科医 #湯浅正太

記事【小児科医としての今年の夢は】

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今回は、子どもらしさを考えてみたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

自分らしさ

あなたは、自分らしさってなんだと思いますか?あるいは、あなたらしさを考えたことはありますか?誰にも、その人らしさ、その人にしか出せない味があります。当たり前ですが、きっと、あなたにもあなたらしさがあります。そのあなたらしさを感じることができているかって、とても大切なことと思っています。

僕は小児科医として子どもたちに向き合う中でいつも、それぞれの子どものその子らしさを感じます。でも一方で、その子自身は、まだ自分らしさに気づいていません。自分らしさなんて、そんなにすぐに意識できるものではありません。子どもという時期の最後の方に、自分らしさがぼんやりと見えてくればいい。そんなものです。

そんなその子らしさが周囲の大人によって大切に育てられると、子どもたちはどうなると思いますか?子どもたちは、前を向いて生きようとする力を獲得していきます。自分は将来こんな風になりたい!そうやって、希望を抱きながら生きようとするのです。そういった様子を目の当たりにすると、周りの大人の対応が子どもの心の成長にとって、いかに重要なのかがよくわかります。

周囲の関わりによってつくられる子どもの行動

世の中には、ピグマリオン効果というものがあります。例えば、教師が接している子どもに、この子の成績は向上すると思っていると、実際にその子どもの成績が向上するというものです。あるいは、ホーソン効果というものもあります。これは、治療を受ける人が、信頼する医療者などに期待されていると感じることで、行動に変化が起き、結果的に病気が良くなるというものです。

いずれの効果にも賛否両論ありますが、ただあなたはなんとなく、このピグマリオン効果もホーソン効果も、そうだよなと思うところがあると思います。周囲の人に自分は認められていると感じることが、自分の心の支えになった経験が少なからずあるのではないでしょうか。

つまり、子どもたちの行動は、周囲の関わりによってつくられているということです。そしてその行動を集めたものが、結局その子らしさになっていきます。ということは、周囲の関わりのおかげで、その子らしさが形づくられるということです。それは例えば、土をコネながら、素晴らしいひとつの焼き物の作品をつくっていくようなものです。そして、窯で焼いてみると、予想もしなかった良い色合いの変化が焼き物に生じるように、ようやく育っていった子どもにも、周囲が思いもしなかったその子らしさが現れるものです。

面白い個性

そういったことを感じるからこそ、僕が誰かに会ってその人らしさを感じた時には、ちょっと得したワクワクした気分になります。この感覚を理解してもらえるかどうかわからないのですが、周囲の関わりによって作り出されているその人らしさを貴重なものと感じているからこそ、その人らしさを発見した時には、貴重なものに触れた少し嬉しいような楽しいような気分になるのです。

面白い話し方だなあとか、言葉の表現が個性的だなあとか。様々な人と出会う中で、そういった楽しみを感じています。そして続けて思うことは、その人がどんな人生を歩んできたんだろう、ということです。もっと言うと、どんな関わりの中でこの人らしさが生まれたのだろうということです。親御さんにどんな風に関わってもらっていたんだろう、ということを思うのです。

そんな僕なので、初対面の方であっても、「この人、面白い!」と感じる人には、時々こんな質問をしてしまうことがあります。「面白い個性をお持ちですよねえ」って、そんな風に聞いてしまうことがあるのです。どんな人にも、そんな風に聞いてしまうわけではありません。でも、聞いても大丈夫かなと思ったら、「面白い個性をお持ちですよねえ」って言ってしまいます。でもそうすると、ちょっと照れながらも「そうですかあ」と笑ってくれる方がほとんどです。そして、もう少し聞いても大丈夫かなと思ったら、「どんな風に育ってきたんですか?」なんて聞くのですね。

そんな風に思う僕の今年の夢は、自分らしさをより追求することです。自分らしさをもっともっと知ることで、それまで生きてきた中での様々な関わりを感じることができるようになります。そうやって、様々な人が関わってくれた自分の人生を感じて楽しむことができるようになるのです。

人が生きるということには、そんな風に、色々思うところがあります。だいじょうぶ。まあ、なんとかなりますよ。

記事のポイント!

  • 周囲の関わりがその人らしさをつくる
  • その人らしさから関わりがわかる
  • 自分らしさをもつからこそ、生きる勇気が湧く

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