小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

小児科医が伝授する子どもの頭痛に惑わされないコツ

2022/03/25
#頭痛#小児科医が伝授する子どもの頭痛に惑わされないコツ #子育て #小児科医 #湯浅正太

記事【小児科医が伝授する子どもの頭痛に惑わされないコツ】

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心に関わる物事を気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今日は、voicy放送100回記念です!継続は力なり。小児科医のひとりごとを、自由気ままにお話ししています。パチパチパチ(拍手)!

こんな風にvoicyをやったり、本を出版したりしていると、時々「どうして発信するようになったのですか?」と聞かれることがあります。そうなんです。僕はもともと自分から発信するようなことをしている人ではありませんでした。

それはですね、小児科医として子どもたちに向き合う中で、「自分の生きたいように生きないともったいない!!」と思ったからです。コロナ流行の世の中を経験して、その気持ちがなお一層強くなりました。

ですから、voicyもほぼ自分の趣味として発信しています。強制されている感はまったくありません。だから、今日100回記念を迎えました。これからも、どうぞお付き合いください。

今回は、小児科医が伝授する子どもの頭痛に惑わされないコツ、についてお話ししたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

頭痛を見極める

以前の放送で、子どもに接する際の「見通す力」についてお話をしました。その時には、「目に見えない物事を見抜く」という意味の「見通す」という力に触れました。今回は、子どもの頭痛に絡めて「物事のなりゆきを予測する」という意味の「見通す力」を考えたいと思います。

当たり前ですが、子どもの頭痛は、他人が見ることも感じることもできません。その子どもが頭痛をもっていると言ったら、頭痛があるということになります。こちらがみてはっきりとわかるのであればいいのですが、頭痛は子ども自身が感じているものを頼りに診断や治療をするのです。

小児科医として子どもたちと接していると、「僕、頭痛あるよ〜」なんて笑いながら教えてくれる子どももいます。子ども自身はあまり困ってなさそうに見えるけれど、頭痛をもっていると言われた親の方が困ってしまう、なんてシチュエーションもよくあるのです。

それに、子どもの頭痛に関連して多いのは、不登校という状態です。不登校や登校しぶりの子どもには、慢性的に頭痛をもっている子が珍しくありません。頭痛があるから、学校に行けない。そんな子も珍しくないのです。

このように、子どもの頭痛という言葉に操られないように、頭痛を見極め理解することは、子どもたちに対応するうえで大きなメリットがあります。

片頭痛

人はたいてい数種類の頭痛をもっています。その中でも、片頭痛は代表的な頭痛です。子どもですと、小学生で3%程度の子、中学生で5%程度の子が片頭痛をもっているとされています。

子どもの時期は男女差はあまりないのですが、思春期以降になってくると、女の子の方が片頭痛を多くもつようになります。

しかも、家族性というものがあって、お母さんやお父さんが片頭痛をもっていると、その子どもも片頭痛をもつようになることが知られています。

そんな片頭痛の特徴は、発作的に突然起き始めて、じわじわ症状が悪化することです。一旦片頭痛の症状が起きると、痛くて立っていられないなんてこともあります。生活への影響が大きいのです。

そんな症状が起きるものだから、片頭痛を体験した子どもは不安を覚えるわけです。次に同じような頭痛が起きたらどうしよう。そんな風に思うことさえあるのです。

すると、ちょっと頭痛が起きただけで、片頭痛かもしれないなんて思ってしまう。そんな不安を何度も何度も経験するうちに気持ちが塞がってきてしまう。つまり、嫌な頭痛が起きるんじゃないかという不安により、子どもの生活に支障をきたすということです。

不安が頭痛を呼び、頭痛が不安を呼ぶ。そんなサイクルが起きる。頭痛をもつ子どもが僕の外来に来たときに行うことは、そのサイクルから脱却です。そのサイクルから脱却するためには、まずは片頭痛を見極めるということが大切です。

片頭痛は、頭痛の症状が起きた早期のタイミングでしっかり薬を使うことで、頭痛の程度を軽く抑えることができるようになります。だからこそ大事なことは、やはり片頭痛を見極めるということなのです。

本当に片頭痛か?

冒頭でお話ししたように、人は複数の頭痛をもっていることが珍しくありません。複数の頭痛に対して、どれも同じ対応をするのではないのです。片頭痛をしっかり認識して、片頭痛の時はしっかり対応する。それが大切です。

ですから、僕の外来に頭痛もちの子どもが来てくれたら、まずは片頭痛を見分けるという作業をします。なぜ片頭痛を見分けることが大切なのか。それは、片頭痛には片頭痛用の薬があるからです。そして、片頭痛用の薬は、そのほかの頭痛を改善する訳ではないからです。

例えば、「毎日1日中ずーっと片頭痛があって〜」と言う人が時々いるのですが、「毎日1日中ずーっと」と聞いただけでも、それは片頭痛ではないとわかります。片頭痛は痛みは、山なりのカーブを描きます。徐々に痛くなって、徐々に止む。そんな感じです。ずーっと一定の痛みが持続することはありません。

つまり、お話を聞いていると、片頭痛と言っているものが片頭痛ではなくなっていくことが少なくありません。「え〜今まで片頭痛だと思っていました」と言われることもあります。

緊張型頭痛

どうでしょう。ここまで片頭痛についてお話ししてみました。片頭痛の対応ができるようになったら、次は緊張型頭痛の対応です。世の中の頭痛には、片頭痛以外にも緊張型頭痛というものがあります。特に不登校になっている子どもたちには、片頭痛よりも緊張型頭痛をもっていることが多いのです。

緊張型頭痛の特徴は、ダラダラ続くということです。片頭痛のように、発作的に始まって、どんどん頭痛が悪化するという経過ではありません。頭が圧迫されたり、締め付けられるような感じの頭痛が、ダラダラ続くのです。

片頭痛もそうですが、緊張型頭痛の背景には心理的な負担というものが潜んでいることが少なくありません。ですから、その心理的な負担を軽減することがとても大切になります。

こんな風に、まずは片頭痛かどうかを見極める。そして緊張型頭痛を探っていく。そうやって、頭痛のなりゆきを予測できるようになってください。闇雲にすべての頭痛が一緒と思わずに、対処する相手をしっかり見極めて、頭痛のなりゆきを予測して、いいタイミングで薬を使う、あるいは心理的な背景を見極める。

そうやって、一つひとつ整理していくのが頭痛の対応です。ぜひ実践してみてください。

そんな風に、子どもが生きるということについて、色々思うところがあります。だいじょうぶ。まあ、なんとかなりますよ。

記事のポイント!

  • どのタイプの頭痛があるのか見極める
  • 片頭痛に早めに気づき対応
  • 緊張型頭痛の背景に心理的要因がないか注意

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