子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

小児科医が思う子どもの睡眠とスマホ

2022/03/22
#小児科医が思う子どもの睡眠とスマホ #子育て #小児科医 #湯浅正太

記事【小児科医が思う子どもの睡眠とスマホ】

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心を育てるうえで思うことを、気ままに発信しています。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今回は、子どものイライラに関係する睡眠についてお話ししたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

眠りを妨げる光

あなたは時差ボケを経験したことはありますか?飛行機に乗って海外に行って、眠たいけれど、お日さまが出ているから眠るに眠れない。そんな経験をしたことはありませんか?明るいと眠れないという経験です。

最近では、夜でも明るい状態の中で生活している子どもが増えています。お日さまが出ていないのに、海外へ旅行しているわけでもないのに、眠る時間になっても明るさを感じている。何でだと思いますか?原因は、スマホです。

夜ベッドの部屋で、スマホを見る。スマホの明かりに照らされると、人の体の中ではどんな現象が起きているでしょうか?眠気のホルモンが出にくくなってしまうという現象が起きています。暗くないからこそ、眠気が出ずになかなか眠れないのです。

人は、メラトニンというホルモンが分泌されるおかげで、眠りにつくことができます。特に子どもの時期は、このメラトニンがたくさん分泌されることが知られています。

子どもの体にはメラトニンがたくさん分泌される必要があるために、メラトニンがたくさん分泌されるのです。人という生き物が生きるために、そのようにつくられています。

眠りに必要な疲れ

眠りには、他にも必要なものがあります。体の疲れです。医師として働いていると、体の疲れが眠りに強く関係していることがよくわかります。それは、患者さんが入院すると眠りにくくなるからです。

あなたは入院したことがありますか?普段は歩いたり走ったりして体力を使っているかもしれません。でも、入院すると普段よりも運動量が激減します。運動する機会が減るから、体力を使いません。体力を使わないから、体が疲れません。体が疲れないから、夜なかなか眠れなくなってしまうのです。

子どもも同じです。日中に体を動かさない生活をしていると、夜眠れなくなってしまうのです。日中にスマホばかりいじって体力を使う機会が減ってしまうと、夜眠りにくくなるのです。

人の生活に後から入ってきたスマホは、確かに人の生活を便利にしました。でも、それは不自然な生き方が採り入れられたとも言えます。日中に体を動かす機会が減ったり、夜に明かりを浴びるという現象を生み出したのです。

冒頭でお話ししたように、眠気のホルモンであるメラトニンは、子どもの時期にたくさん分泌されるようになっています。そのメラトニンの分泌が、スマホなどの利用によって少なくなってしまう。そうやって、子どもにとって大切な睡眠の時間が奪われてしまうのです。

便利だからついついスマホを使い続けてしまいがちです。でも、スマホを使い続けてしまうと、子どもにとって大切なメラトニンの分泌を妨げてしまうことにつながります。

スマホが離せない子ども

そんなスマホを使っている子どもが僕の外来にやってきます。どんなことで受診すると思いますか?「夜なかなか眠りません」「日中イライラしています」。そういった症状をもっている子が少なくありません。

そんな子どもが僕の診察室に入ってくると、早速スマホを見ながら入ってくる。挙句の果てには、椅子に座りながらもスマホをいじっている。どれだけ日中にスマホを扱うことが習慣化しているのかが、よくわかります。

日中に歩く。夜に絵本を読む。スマホを使わずに、そういった行動をするだけで、睡眠は変わります。

そんな風に、子どもがおかれる世界には、色々思うところがあります。だいじょうぶ。まあ、なんとかなりますよ。

記事のポイント!

  • 睡眠のために、夜は暗くする
  • 睡眠のために、日中は体を動かす
  • 子どもの睡眠のために、スマホの使い方を工夫する

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