小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

小児科医が子どもの保育を考える

2022/03/19
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記事【小児科医が子どもの保育を考える】

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心を育てるうえで役立つ情報を発信しています。そんな、子どもの心を育てるということを、あまりかたく感じないでください。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今回は、子どもの保育について、今日と明日の2回に渡って考えたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

あなたは、子どもを保育施設に預けたことはありますか?あるいは、預けていますか?あるいは、預けようとしていますか?保育園への待機児童問題が指摘され、子育てをしながら親が働けるように、保育の充実を求める声が上がっています。そうやって、少子高齢化・人口減少を迎える社会の中で、働きながら子育てをする世代の生きやすさが求められています。

そんな少子高齢化・人口減少を迎える社会は、いつ頃から予想されていたのでしょう。実は1975年には合計特殊出生率が2.0をきり少子化がスタート、その後人口減少は2010年から始まっています。つまりこの少子高齢化・人口減少は、40年以上前から予測されていました。

でも少子高齢化・人口減少が予測されていた1970年代は、どちらかというと世界で人口爆発が問題視されていました。人口が増えると、資源の消費が増えるほか、貧困や経済格差の拡大が進んでしまう。そういった懸念から、例えば中国では、1979年から「一人っ子政策」が始まっています。日本での人口減少が予想されていながら、その対策が遅れた背景には、そういった人口爆発を考えていた世界での社会的な風潮も影響したのかもしれません。

少なくとも今世紀前半を通じて日本の人口は減少の一途を辿っていく。そんな社会であっても守るべき子育てのポイントをシンプルにすると、2つに集約されます。1つ目は、子どもに安心感を抱かせること。そして2つ目は、親に心の余裕をもたせることです。

シンプルにこれら2つを守るという観点から、保育を考えたいと思います。

子どもは色々な社会を体験する中で、様々な新しい経験を通して成長していきます。成長していく過程では、ある程度ストレスを抱えるものです。でも、そのストレスを特定の養育者との関係の中で解消していくのです。この特定の養育者は多くの場合、親です。子どもは、親がいるからこそ、社会で感じる不安を乗り越えながら成長できるということです。

例えば世の中には、様々な事情により実の親とは一緒に暮らせない子どもがいます。そういった子どもをどんな環境で養育するかを考える時に、施設養護と家庭養護という環境が考えられます。施設養護は、複数人の子どもたちが様々な職員がいる施設で育つという環境です。一方で家庭養護は、家庭のように、特定の養育者といっしょに密に生活を共にするという環境です。

子どもの発達にとっては、特定の養育者と信頼関係をつくりやすい家庭養護が望ましいとされています。施設で育った子どもたちが、様々な心の問題を抱えることが明らかになったという背景もあり、欧米ではすでに1950年代から家庭養護が勧められています。子どもの発達にとってはやはり、特定の養育者と信頼関係をつくりやすい家庭養護が一番ということです。

このことを考えても、家庭で親と一緒に過ごす時間をしっかり設けることの意義がわかっていただけると思います。しかし、ただ単に家庭で親子がいっしょにいるのがいい、というものではありません。しっかり心に余裕のある親といっしょにいることが、子どもにとってよいということです。例えば、家庭の中でイライラして情緒が不安定な親といっしょに子どもが暮らすことになると、子どもの心も不安定になってしまいます。あくまで、心に余裕のある親といっしょにいることができる家庭が、子どもの育つ環境として望ましいということです。

そういったことを考慮して子どものよりよい発達を考えると、保育施設や親の働き方改革を通して達成したいことは、子どもに安心感を抱かせて、心に余裕のある親といっしょにいられる環境をつくるということなのです。

今日はここまでです。明日は、この続きをお話しします。

記事のポイント!

  • 子どもにとっては家庭が一番
  • 子どもに安心感を抱かせること
  • 親に心の余裕をもたせること

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