子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

子どもが人生を楽しむために

2022/03/18
#子どもが人生を楽しむために #子育て #小児科医 #湯浅正太

記事【子どもが人生を楽しむために】

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心を育てるうえで役立つ情報を発信しています。そんな、子どもの心を育てるということを、あまりかたく感じないでください。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今回は、子どもが人生を楽しむために必要なことを考えたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

自分の価値

子どもが与えられた人生を存分に楽しむために必要なこと。それは何だと思いますか?

世の中には色々な価値があります。お金、名声、地位、名誉。どれも人が欲しがりそうなものばかりです。でも、それは決してゴールではありません。人は、そういった社会的に価値のあるものを得ることで、得ようとするもの、あるいは確かめるものがあります。それっていったい何でしょう?それは、自分の価値です。

例えばお金を使って、自分の欲しいものを手に入れる。その欲しいものを所有している自分を楽しむ。あるいは、誰かに何かを買ってあげる。そういった行動ができる自分を楽しむ。そうやって、自分の価値を確かめています。

自分を愛すること

では、自分の価値を確かめて、人はいったい何を手に入れたいのでしょうか。それは、人が生きていくうえで、なくてはならないものです。それができなかったら、生きる意味を見失ってしまうほど大切なことです。それが、自分を愛することができる自分です。

自分を愛することは、充実した人生を生きるうえで欠かせない。人生を生きる中で、多くの人がそう感じるようになります。多くの人がその思いを書き残していますが、詩人の吉野弘(よしの ひろし)さんもそのうちの一人です。

彼には「奈々子に」という詩があります。「奈々子」というのは、吉野弘さんの娘さんのことです。その詩の中で、「お前にあげたいものは・・・自分を愛する心だ」という一文があります。

子どもに獲得してもらいたいもの、親から子どもにあげたいものは、子ども自身が自分自身を愛する心なのです。

愛される経験から始まる

そして吉野弘さんは、自分を愛する心をどのように表現しているかというと、「かちとるにむづかしく、はぐくむにむづかしい」と表現しています。同じことを多くの心理学者が考えました。子どもに、自分を愛する心を育ててあげたい。でもそれは容易なことではない。では、どうすればいいのか。

そして、つながっていくのがアイデンティティというものです。子どもに自分を愛する心を育むためには、己を知ってもらうこと。自分が自分であることを知ること。それが必要。

子どもに自分を知ってもらうためには、外の世界をたくさん知ってもらう必要がある。外の世界を知るためには、外の世界を探究する際に生まれる不安を克服しなければならない。その不安を解消するためには、結局子ども自身が愛されるという経験が欠かせない。

つまり、子どもに自分を愛する心を育てようとするのなら、子どもが愛される必要がある。そういうことなのです。原点はやっぱり、子どもが愛されるというスタート地点に戻るのです。

今回はここまでです。

記事のポイント!

  • 子どもに自分の価値を感じてもらう
  • 子どもに自分を愛してもらう
  • そのために、子どもに愛される経験を与える

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