子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

子どもの幸せを追求する小児科医のこだわり

2022/03/08
#私のこだわり #子どもの幸せを追求する小児科医のこだわり#子育て #小児科医 #湯浅正太

記事【子どもの幸せを追求する小児科医のこだわり】

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心を育てるうえで役立つ情報を発信しています。そんな、子どもの心を育てるということを、あまりかたく感じないでください。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今回は、子どもの幸せを追求する小児科医のこだわりについて触れたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

子どもに求められる穏やかな心

あなたは、子どもに幸せになってもらいたいと願っていると思います。子どもが幸せを手にするには、子どもには自分の能力を存分に発揮してもらう必要があります。子どもが能力を発揮するには、子どもの心がどんな状態であることが望ましいでしょうか。

子どもの心がどんな状態なら、能力を発揮しやすいのか。あるいは、どんな心の状態だと、正しい判断や行動がおこなえるでしょうか。そのことを考えるために、人の能力を最大限に活かせる心の状態を考えたいと思います。

人には、怒りや喜びの感情があったり、緊張した心の状態もあります。そういった感情の波があるおかげで、豊かな生活ができるのかもしれません。ただ、いつも感情に揺らぎがあると、心も身体も疲れてしまいます。それに、あなたが疲れる以上に、あなたに接する相手はもっと疲れてしまうかもしれないのです。

スポーツ選手が成果を達成したいと願う時に心がける心理状態は、どんな状態でしょうか。心穏やかな状態です。仕事でのプレゼンテーションの時に心がける心理状態も、心穏やかな状態です。僕のような医療者が患者さんの処置をするときに心がける心理状態も、心穏やかな状態なのです。

つまり、感情に揺らぎがあることは仕方ないこととしても、心穏やかな状態を保っていることは、人が適切な判断や行動をとるうえで大切なことなのです。人の能力を最大限に活かせる心の状態は、心穏やかな状態ということです。

心が穏やかということは、心に余裕があるということです。心に余裕があると、周囲への心遣いが可能になります。すると、人とつながりやすくなる。人とつながれるからこそ、社会で生きやすくなる。心に余裕があるおかげで、生きるうえでの好循環が生まれるのです。

ここまで、子どもが自分の能力を最大限に活かせる心の状態は、心穏やかな状態であることをお話ししました。そして、心穏やかな状態は、人とのつながりをつくり、生きやすさまでも生み出すことに触れました。

求められる、心穏やかな親の心

では、子どもを心穏やかな状態にするために、最も効果的な方法は何でしょうか。子どもを習い事に行かせることでしょうか。子どもを進学校に入れることでしょうか。それとも、子どもに厳しい訓練を課すことでしょうか。その答えは、子どもに接する親の心を、心穏やかな状態にするということです。

親が穏やかな心をもって子どもに接することができれば、子どもにも穏やかな心が備わります。以前の放送で心の鏡の法則に触れたように、人の心は伝播します。子どもの心に最も影響を及ぼすのは、毎日接している親の心なのです。親の心が、子どもに伝播するのです。

親がイライラしていれば、子どもはイライラした人に育ちます。親が不安をしょっちゅう口にする場合には、子どもも不安を口にするようになります。ですから、子どもに心穏やかに生きてもらいたいと思うなら、子どもに接する親には心穏やかな態度が求められます。

子どもの幸せを追求する小児科医のこだわり。それは、子どもたちに接する自分の心を穏やかにするということです。子どもの生きやすさの出発点は、すべて大人の側にあります。大人が自分の心をコントロールすることで、子どもの人生は大きく変わるのです。

今回はここまでです。

2022年4月3日(日)のオンライン講演会のご案内

僕がお話しさせていただく、2022年4月3日(日)のオンライン講演会のご案内です。

このオンライン講演会を主催するのは、NPO法人アクセプションズさんです。NPO法人アクセプションズさんは、ダウン症がある子を持つ親御さんが集まって立ち上げた団体です。

一般的に、障害のある子どもの兄弟姉妹のことを、ひらがなで「きょうだい」と表現することがあります。そんな「きょうだい」に関わるうえで大切なことは何なのか。 そういったことを、小児科医であり、きょうだいという立場で育った僕がお話しさせていただく、オンライン講演会です。

コチラの「Down’s Innovations Vol.34 親なきあと・シリーズ第6弾「小児科医、きょうだいの視点から」をクリックしていただくと、このオンライン講演会への参加申し込みが可能になります。あらゆる「きょうだい」の心を考える良い機会になると思いますので、ぜひ参加してみてください。

記事のポイント!

  • 子どもに必要な穏やかな心
  • 子どもの穏やかな心は、親から
  • 親から始まる子どもの心

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