記事【子どもの生きやすさはこうやって始まる】
絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心を育てるうえで役立つ情報を発信しています。そんな、子どもの心を育てるということを、あまりかたく感じないでください。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。
今回は、子どもの生きやすさがどのようにつくられていくのか、について考えたいと思います。
このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。
【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる
好きという感情で軽減する不安
あなたには、好きなものがあると思います。子どもが好き。パートナーが好き。車が好き。そんな好きなものを想像してみてください。その好きという感情を抱いた時に、あなたが抱きにくくなっている感情があります。それは何だと思いますか?それは、不安です。
人は不安を抱いて当然の生き物ですが、好きという感情があると、その不安が軽減します。不安は決して悪いものばかりではありません。でも、人が生きるうえで、不安ばかり抱いていては困ります。特に人とつながろうとする時に、不安ばかり抱いていたらどうでしょう?人とつながれなくなってしまいます。
人は、人とつながることで、人からの愛を手に入れます。それは、人が生きるうえで欠かせない大切なものでした。もしも、不安を抱いて人とつながれなかったら、その愛を受け取れなくなってしまいます。人とつながる時に不安があると、人が求める愛を受け取りにくくなくなってしまうということです。
不安が軽減する行動
そういった人の不安は、初めての体験の時に特に強く現れます。初対面の人と会う時には、不安や緊張が高まることを経験した人は少なくないでしょう。そんな時には、どんなことでその不安が軽減するでしょうか?
例えば、笑顔です。相手が初対面であっても、相手の笑顔を見ることで、あなたはほっと安心すると思います。安心すると、コミュニケーションをとってつながりやすくなります。
そのほかに例えば、自分と同じところを見つけることで、不安が軽減します。人には、自分とは違うものを排除しようとする心が備わっています。逆に、自分と共通点があることで、それを受け入れやすくなる性質もあります。ですから、初対面の人であっても、自分と共通した点を見つけることで不安が軽減するのです。会話の中では、「〜県で育ちました」「そうなんですか、私もです〜」、相手との共通点を見つけて盛り上がるコミュニケーションの場を目撃した人もいるでしょう。
子どもに経験してもらう好きという感情
そうやって、どんどん人と人とがつながっていきます。不安が生じる場面でも、つながれるということ。このスキルは、人が生きていくうえでとても大切なのです。そういったつながろうとする場面では、共通の行動があります。それは、好感をもつということです。相手の笑顔を見たり、共通点を見つけたりすることで、あなたは相手に好感を抱くのです。
やはり好きという気持ちが現れる場面では、不安が軽減していくのです。このように、好きという気持ちを抱けることは、人生を生き抜くうえでとても大切なことです。それは、子どもも同様です。子どもが好きという気持ちを抱けることは、人生を生き抜くうえで欠かせないことなのです。
子どもが好きという感情を抱けるようになるのに、欠かせない大切なものがあります。それは、何でしょうか?それは、好きという感情で関わってもらう経験です。笑顔で関わってもらう、共通点を感じられる関わりをもってもらう。そうやって、好きという感情でつながることの心地よさを感じます。だからこそ、子どもは他の人とつながろうとするようになるのです。
子どもは必ず、他人とつながりながら自分の世界を開拓していきます。その開拓の出発点は、他人とつながるということなのです。他人とつながることが、それほど大切だからこそ、つながれる心を育ててください。そのためには、あなたが子どもに、つながることの心地よさを味あわせてあげる必要があるのです。そうやって、子どもの生きやすさがつくられていきます。
今回はここまでです。
記事のポイント!
- 好きという感情で不安は軽減する
- 不安を軽減しながらつながっていく
- 子どもに味わってもらう好きという心地よさ
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