子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

無駄にはならないあなたの関わり

2022/02/14
#無駄にはならないあなたの関わり #子育て #小児科医 #湯浅正太

記事【無駄にはならないあなたの関わり】

おはようございます。絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心を育てるうえで役立つ情報を発信しています。そんな、子どもの心を育てるということを、あまりかたく感じないでください。ですから、紅茶でも飲みながら、ゆる〜い気持ちで聴いてもらえればと思っています。

今回は、無駄にはならないあなたの関わりということについてお話ししたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

社会の心が、親そして子どもの心に

以前にこんなお話をしたと思います。心は鏡のようなもので、親がニコニコしていれば子どももニコニコするし、子どもが笑顔でいれば親も笑顔になる。どんな人でも同じです。自分が接している人が嬉しい気持ちでいれば、自分も嬉しくなる。人の心には、そういった鏡の法則があります。

自分の心が相手の心を反映するということは、社会で働く親の心は、社会で会う人たちの心を反映しているということです。気持ちのゆとりがある社会で、気持ちよく働く人たちと一緒に活動することで、そこで働く親の気持ちも明るくなります。もしも気持ちのゆとりがない社会で、暗い気持ちで働く人たちと一緒に活動していると、そこで働く親の気持ちも暗くなります。つまり、社会の心が親の心に反映されるということです。

社会の心が、親の心に反映される。そして親の心が、子どもの心に反映される。そうやって人の心は一連のつながりをもっています。それは、社会というものをつくりあげた人の宿命です。人は、誰かとつながることで生きることを選択した生き物です。人とつながるからこそ、社会をどんどん大きく発展することができました。

心を操れるように

一方で、人とつながるという性質を大切にするからこそ、お互いが同調する、あるいは同じでいようとする性質が芽生えました。そうやって同じでいようとするからこそ、自分たちとは異なるものを排除しようとする心も生み出していきました。自分たちと違うものは好まない。そういった心が自然と働いてしまいます。それが、良い、悪いというものではなく、性質なので仕方ありません。

そういう人の性質を理解すると、子どもたちが人生をイキイキと生き抜くために必要なことが見えてきます。それは、人とつながりをつくることへの柔軟な対応力です。人はつながりをつくる生き物です。そうやって社会を発展させました。つながりをつくるために、人の心は鏡のようにあらゆる人へと反映されていきます。そして、心は同調しようとして、異質なものを排除する心も生み出します。人と人がつながろうとする中で生じるこれらの心の変化は、良い悪いではなく、そういうものなのです。

だからこそ、そういった性質をもつ心を操れるように、子どもを育てる必要があります。子どもたちが人とつながりをつくる中で生じる心の動きに惑わされることなく、楽しい人生を送るために心の性質を子どもたちにしっかり伝える。それが、何より大切とわかります。そのためには、親が心の性質を理解しなければなりません。

余裕のない社会が生み出す問題

例えば日本には、こんな時代がありました。社会では経済が発展している一方で、学校では生徒により校舎の窓ガラスが破られてしまうような校内暴力が横行している時代がありました。それを、暴力をふるう子どもたちの責任として終わらせてしまうのか。それとも、生徒ではなく、他の原因を改めようとできるのか。人の心のカラクリをしっかり理解できていれば、生徒のみに責任を押し付ける勘違いをせずにすみます。

校内で暴力を起こしてしまった生徒の背景には、必ず家庭の心、そして社会の心があります。以前の日本には、経済成長目まぐるしく華やかに見える一方で、心の余裕のない社会がありました。社会が発展する中で、親は必死に働いていた。経済を盛り上げることが良しとされていた時代には、家庭をかえりみずに仕事に没頭する親の姿があった。親が子どもへ関わることなく、大人の世界に没頭しながら生活するうちに、親自身が心の余裕をなくしていく。親に心の余裕がないからこそ、子どもとの関わりがなおざりにされてしまった。

そういった社会そして家庭での心の様子が、子どもに反映される。心に余裕のない子どもが育ち、自分の気持ちを暴力という形でしかあらわせない子どもが育つ。だからこそ、経済が成長しているようなあたかも華やかしい時代のなかで、校内暴力という形で子どもたちが悲鳴を上げていたのです。そういった背景があります。

やっぱり純粋な子ども

僕の外来には、学校で荒れてしまうという子どもがやってきてくれます。そんな時に僕が使うのは、この心の鏡の法則です。いくら子どもの心が荒れていようと、僕自身が心をフラットにしてあたたかく子どもに接する。すると、学校で荒れているという子どもでも、「ありがとうございました」といって僕にお辞儀をしてくれるようになります。

そうやって大人の接し方次第で、子どもたちは変わります。そんな純粋な心をもつ子どもたちと接していると、やはり大人の責任を感じます。今起きている子どもたちの心の問題の多くが、実は大人の社会の心の問題を反映していることが多い。心の原理を理解していれば、そのことが容易にわかります。それを理解しているからこそ、こうやって心のカラクリを発信しているんです。

そして、人は大人になっても、人とのつながりを求めます。それは、人からの愛を求めるとも言い換えられます。もしもあなたが子どもに「こんな関わりをしてあげればよかったあ」と後悔しているのであれば、ぜひこうしてください。あなたの子どもに、あらためてあなたとの関わりをつくってみてください。その方法は、手紙でもいいでしょうし、短い電話でもいいでしょう。

人は人生を終えるにあたって、必ず理解します。自分は愛を求めて生きていたんだということを理解するようになるのです。そうやって、自分の過去を振り返る余裕が出てきます。あなたが手紙をよこしてくれたことや、電話をかけてきてくれたことを思い出すでしょう。そうやって、自分が愛を注いでもらえていたことを振り返ることができたときに、幸せを感じられるはずです。

幸せあるいは人からの愛を感じることができる時期は、人それぞれ違うかもしれません。でも、人は人生のいずれかの時期に、自分の人生を振り返ります。その時に、人からの関わりに気づき生まれてきた価値を理解できる。そう考えると、子どもがいつの時期であっても、親からの関わりを大切にしておくということは無駄にはならないと思います。

今からで構いません。ぜひ、あなたの子どもに関わってあげてください。

今回はここまでです。

記事のポイント!

  • 心は、社会から親に、親から子どもに
  • 心を操れる学びを
  • 親の関わりは無駄にはならない

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