小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

同じものを同じものとして理解する大切さ

2022/02/03
#同じものを同じものとして理解する大切さ #子育て #小児科医 #湯浅正太

記事【同じものを同じものとして理解する大切さ】

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心を育てるうえで役立つ情報を発信しています。

今回は、同じものを同じものとして理解する大切さについて、お話ししたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

同じものを見ていない可能性

あなたは、子どもたちとコミュニケーションをとる時、どんなことに配慮しながら言葉を交わしていますか?僕は、小児科医として子どもたちと話す時に、自分と子どもたちとが同じものを感じながら会話できているかということを気にしています。

例えば、「ブタ」について話すとしましょう。大人であるあなたは「ブタ」と聞いたら、ブーブーと鳴いて、四本足で歩く動物を想像するでしょう。たぶん僕の想像している「ブタ」と、あなたが想像している「ブタ」は似ているはずです。

では今度は、鳴き声に注目して考えてみましょう。動物の鳴き声をどのように表現するかは、その国で使われている言葉を発する時の口と喉の様子、そして聞こえる音の範囲に影響を受けていると言われています。

日本に住んでいるあなたは、「ブーブー」と声を出す動物は何でしょうと質問されたら、「ブタ」を想像してくれると思います。でも海外の人に同じ質問をしたら、「ブタ」とは答えてくれないかもしれません。

なぜなら「ブタ」の鳴き声は、世界各国で微妙に異なるからです。「フリューフリュー」、「ゴワンゴワン」、「ホンホン」というように、各国の「ブタ」の鳴き声は様々な音で表現されています。

共通認識を持てないことでの不安

このように豚の鳴き声について話そうとしても、認識している鳴き声が違っては会話が成立しないことを理解していただけると思います。ここで、大切なことがもう一つあります。それが、各国の「ブタ」の鳴き声を知った時の、あなたの感情です。

世界各国の豚の鳴き声を聴いた時に、あなたが心の中で思ったことを思い出してみてください。「変なの」「おかしい」、そんな気持ちを何となく感じたと思います。もしくは、はっきりと意識できていなくとも、何となくしっくりこない感じを抱きませんでしたか。

それが、異質なものを受け入れたがらない、人の心です。人には、自分が認識している世界とは異なるものを、「変なもの」と認識して排除しようとする性質があります。その性質自体は、悪い、悪くないというものではなくて、人の心の性質なので仕方ありません。

日本という一つの同じ文化の中で暮らしていると、成長するに従って共通認識というものができてきます。会う人との間で共通認識を持てるからこそ、安心感を得て暮らせるようになるのです。そうやって、自分と相手に共通点を見出すことで、人は安心感を得ます。

共通認識を持てない子ども

ここで、子どもたちのことを考えたいと思います。子どもたちには、知らない世界がまだまだたくさんあります。生活の中で出会う人との共通認識をまだまだ獲得できていません。つまり、子ども自身の捉え方と、相手の捉え方には違いがあって当然ということです。

子どもたちの生活では、自分と相手との間に認識の違いが生まれる機会が多い。つまり、子どもは不安を感じる機会が多いということです。不安が生じると、大人の指示が入らなくなることもあります。

このように、同じものを違う視点で見ている可能性がある子どもたち。そんな子どもたちは不安を抱くことが当たり前。だから子どもたちと接するうえで大切なことは、しっかり同じものを同じものとして理解できるように心がけるということです。

共通認識を持つことから始める関わり

そのために大人ができること。それは、子どもたちと話す時に、大人が見ている世界を言葉を使って説明してあげるということです。そうやって共通理解を設けたうえで、会話を進める。そういった工夫で、大人と子どもたちとの間に安心感を生み出し、スムーズなコミュニケーションができるようになります。

つまらないことと感じるかもしれませんが、子どもたちとの間であえて共通認識を作るということは、子どもたちがイキイキと生活するうえで絶大な威力を発揮します。「今、Aくんがリレーを一生懸命走っているね」という、大人である自分が見ている世界を子どもたちにも認識してもらう。

そうやって共通認識を持ってもらったうえで、子どもたちとのやりとりすること。そうすることで、子どもたちとの間で安定した関係が築けるようになります。そういった共通認識を持つことを習慣化していくと、子どもたちは安心感を持って、大人の指示をきいてくれるようになります。騙されたと思って、そんなやりとりを習慣化してみてください。

今回はここまでです。

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記事のポイント!

  • 子どもと共通認識を持てていない可能性を感じる
  • 共通認識を持てていない子どもの不安を理解する
  • 共通認識から始める会話の重要性

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