子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

アイデアの生み出し方

2022/01/22
#アイデアの生み出し方 #子育て #小児科医 #湯浅正太

記事【アイデアの生み出し方】

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心を育てるうえで役立つ情報を発信しています。

今回は、アイデアの生み出し方についてお話ししたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

過去の自分と、今の自分

皆さんは、普段どんな時に創作をしますか?つまり、新しいアイデアを生み出そうとするのは、どんな時ですか?どんな時でも、ポンポンとアイデアは出てくるよ、という方もいるかもしれません。でも、どんな人も、過去の自分のアイデアを振り返って、何かを感じるものです。

例えば、「あれ?なんでこんなアイデアを思いついたんだろう?」あるいは「我ながら、よくぞこのアイデアを思いついたな」と、過去の自分のアイデアを、客観的に評価する自分がいるものです。つまり、アイデアを思いついた過去の自分と、今の自分とでは何かが違うということです。

僕がアイデアを生み出す時によく利用するのは、自分の中にある、こういった変化です。もう少し突き詰めると、そこに関係するのは、人の身体が持っている恒常性というものです。

人の恒常性という機能を意識してアイデアを生み出そうとすると、人生が豊かになる。今回は、そんなお話をしたいと思います。

恒常性

恒常性とは、身体の状態を一定に保とうとする性質のことです。人の身体は生き続けるために、なるべく身体を一定の状態に保とうとします。

そのために、身体の中にあるたくさんの神経やホルモンが関わって、様々な機能を活性化したり、抑制したりして、バランスを保っています。活性化というのは、活発に活動するということです。抑制というのは、活動を抑えるということです。

例えば、人が怒るという現象を考えてみましょう。怒りがずっと続いていたのでは、身体が疲れてしまいます。そのため、様々な神経やホルモンが働いて、怒りを静めようとします。そうやって、身体が疲れすぎないように、一定のバランスに維持しようとする働きが自動的に生まれます。

あるいは、睡眠によって身体を休めることを考えてみましょう。脳や身体はずっと働き続けると、疲れて精神的にダウンしてしまいます。ですから、夜間には眠気のホルモンが出て、脳も身体も休めるようになります。でも朝になると、その眠気もとれて、再び活動できる状態になるのです。

このように人の身体は、常に変わり続けながらも、常に一定の状態を保とうとするのです。ある時は活性化、ある時は抑制という具合に、身体の中の神経やホルモンが調整してくれています。

アイデアを生み出すパターン

そういった、人の恒常性を理解したうえで、アイデアを生み出すということを考えたいと思います。アイデアを生み出すという行為には、二通りあります。意識的にアイデアを作り出すパターンと、無意識のうちにアイデアが生まれるパターンです。

意識的にアイデアを生み出すことは、いつでも可能です。いいアイデアかどうかは別にして、意識的に考えればいいのですから、無理矢理にでもアイデアを作り出せます。

でも、無意識のうちにアイデアが生まれることは、無理矢理アイデアを生み出すのとは少し異なります。スウっと、無意識の世界からアイデアが出てきます。

しかもタイミングに、特徴があります。それは、脳が活性化した後に抑制がかかって、しばらくした状態の時です。つまり、ホッとして、気持ちに余裕が出てきた時です。

脳が活性化して色々と考えを巡らせている時には、その活動の意識が優位に立ちます。その時には、無意識の世界におさまっているものは、無意識の世界にとどまります。

でも、そんな無意識の世界は、脳が休まって少し余裕がでるタイミングに、スウっと現れます。その時の、無意識の世界から出るアイデアは、自分の個性がにじみ出たアイデアであることが多い。

心を豊かにできる

ですから、僕自身は、活性化した脳が休まって、少し余裕が出てきたタイミングを楽しみます。それが、自分では意識できていない自分と触れる瞬間です。朝目覚めた時、お風呂でゆっくり休んだ時など、頭を使うことを休めて、しばらくした時。そんな時をねらって創作活動をしています。

逆に、会議で話し合いをした後の、頭が疲れている時に生まれたアイデアには、少し注意します。その時に「いいアイデアができた」と思っても、後から振り返ってみると、「なんでこんなつまらないアイデアを、いいと思ったんだろう?」と感じることが多いからです。

こんな風に、身体の状態を一定に保とうとする恒常性を利用すると、自分のアイデアや気持ちなどをあやつる生活ができます。すると、自分の心を豊かな方向に向けることが可能になります。子育てにおける気持ちの持っていき方にも、ぜひ、身体の恒常性を利用してみてください。

今回はここまでです。

僕が運営しているYukuri-teという法人を通して情報発信を続けています。その法人でLINE公式アカウントをはじめました。Voicyのチャプター画面に貼り付けてあるURLにアクセスしていただくと、友だち追加が可能です。友だち追加していただくと、VoicyやYouTube、講演会などの最新情報を受け取れます。ぜひ登録してみてください。

今しかない、子どもの時期。普段からこのチャンネルでは、その子どもの心を育てるために、様々な知識を提供しています。フォローしていただくと更新通知が届きます。ぜひフォローしてみてください。

記事のポイント!

  • 恒常性を利用する
  • 無意識に生まれるアイデアがある
  • 活性化した脳が休まったタイミングがチャンス

これからの時代を生きる子どもたちの心を育てたい。 当法人の活動に賛同くださり、ご支援いただける場合は、右の「寄付ボタン」からお願いいたします。     ページが表示されるまで、少々時間がかかる場合がございます。

寄付ボタン

友だち追加

お問い合わせについて

         

施設/事業所サポート

         

子どもの保育/教育/支援に関わる施設/事業所様を応援する当法人のサポート情報は、「施設/事業所サポート」ページからご確認ください。

施設/事業所サポート

お問合せ

         

「子育てセミナー」「施設/事業所サポートのご相談」「取材依頼」「講演依頼」「そのほか」についてのお問い合わせは、「お問い合わせフォーム」をご利用ください。

お問い合わせフォーム
   

気軽にYukuri-teとつながってみてください!

これからの時代を生きる子どもたちのことを思い、この法人を設立しました。