小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

子どもの心を育てるために、投資すべきもの

2022/01/21
#投資すべきもの #子育て #小児科医 #湯浅正太

記事【子どもの心を育てるために、投資すべきもの】

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心を育てるうえで役立つ情報を発信しています。

今回は、子どもの心を育てるために、投資すべきものについてお話ししたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

子どものために、何に投資をする?

皆さんは、子どもの心が育つために、何に対して時間やお金を使いたいと思いますか?つまり、子どものために、何に対して投資したいと思うでしょうか?昔から、可愛い子には旅をさせよ、と言います。子どもが可愛ければ、様々な経験をさせてあげることが大切、ということです。

僕も、子どもの心を育てるために、子どもに必要なものは経験と思っています。様々な経験は、その時には、何の意味があるのかわからないこともほとんどです。でも、そういった過去の経験が、将来につながります。こんなところで、あの時の経験が役に立つのかと思うものです。

医師の中には、こんな医師もいる

僕が医師として働いていると、こんな医師に出会うことがありました。医学部ではなく、他の学部を卒業して、社会人としての経験を積んだ後に、医学部に入り直して医師になった方でした。その人からある時、こんな話をしてもらいました。

それは、「遠回りをして医師になったことを、少し後悔している」という話でした。どうして、そんな風に思うのかと聞くと、ストレートにそのまま医師になった人と比べて、体力が違うからということでした。高校を卒業したら、医学部にそのまま進んで、医師になった方がよかったかもしれない。その方が体力も有り余って、バリバリ働けたかもしれない、ということのようです。

体力という面では、確かに若い年齢の医師と差が出てしまうということはあります。でも、どんな医師もどんどん年老いて体力がなくなっていくものです。それよりも、医療者にとってもっと大切なものがあります。それは、相手の気持ちを理解する心です。

怪我をするからこそ、怪我をした時の痛みを理解できます。理不尽なことを経験したからこそ、同じ立場の人の気持ちを想像できるようになるのです。様々な経験をするからこそ、様々な立場の考えや気持ちを想像できるようになります。

困った医師

医療現場で実際に経験するシチュエーションに、こんな場面があります。患者さんの気持ちを理解できない医師と、そういった医師に困り果てる患者さんが向き合う場面です。僕も同じようなことを患者さんにしてしまうかもしれないと、自分の立場をわきまえながら、このお話しをしようと思います。

患者さんの気持ちをくめない医師がいるのは確かだろうと思います。医学の知識とは関係なく、人の気持ちを理解できない、人の気持ちをくめない素質を持った医師は確かに存在します。そして、その相談を患者さん家族から受けることが、何と多いこと。

生まれつきの性格、としてしまう見方もあります。でも僕は、それは教育の影響が大きいと思っています。教育現場での評価の対象が、テストの点数や偏差値になってしまっている現状が、この問題を起こしているのだろうと思っています。

相手の気持ちを推し量ることができない医師の中には、「昔、神童と言われていました」と教えてくれる人もいます。才知が極めて優れている子ども、と言われていたということです。でも、そういった子どもが、大人になって人とつながれない状態になっていることは珍しくありません。

そういう人を目にするからこそ、子どもにとっての何を一番大切に育てられてきたのか、と思ってしまうのです。生きていくうえでの学問の知識は確かに大切なのだけれど、人としてもっと大切なものがある。人とつながる能力を育てることを、今の教育は本当に求めているのか、と疑うことがあります。

人の心を育てられない教育

では、日本だけがそうなのか。いえいえ、そんなことはありません。それぞれの国では、差別も含めて、もっと患者さんに寄り添えていない現状があります。加入している保険によって、受けられる治療が決まってしまうということもあります。ですから、日本はまだ患者さんに優しい状況と感じています。

そうは言っても、現在の日本の教育は変えなければならないと感じています。人の心を育てられない教育のもとで大人になった人たちが、子どもを育てる。あるいは、人の心に寄り添えない人が、医療者になる。人を見ないで、データばかり見る。そんな社会は、とても怖いと感じるのです。

自分が、大人になり、小児科医になり、そして子どもを育てる親として生きる中で、そう感じます。

人の心に寄り添える医師

僕に相談をしてくれた医師の話に戻ります。気持ちを理解できない医師についての相談を何度も受けたことがある身としては、他の学部を卒業して、社会人まで経験してきた、そのことに大きな価値を感じてしまいます。色々な人の気持ちがわかることで、様々な人とつながれる。きっと社会のために活躍する人になる。そう感じるのです。

実際にその医師は、人の心に寄り添える先生でした。相手に対して真摯に向き合い、対話ができる医師です。ですから、その医師には、これからの可能性を強く感じること、これまでの経験がきっとこれからの人生に生かされることを伝えました。

だからこそ、世の中の子どもたちには、家庭的な背景に関わらず、色々な経験を積ませてあげたいと思います。そのために、子どもたちへのそういった投資を社会は考えなければならないのです。

今回はここまでです。

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記事のポイント!

  • 子どもに様々な経験を
  • 心を育てる教育を
  • 子どもの心を育てようとする社会に

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