小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

不思議の国のアリス症候群〜医学と今日の発見〜

2022/01/17
#今日の発見 #不思議の国のアリス症候群 #子育て #小児科医 #湯浅正太

記事【不思議の国のアリス症候群〜医学と今日の発見〜】

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。このチャンネルでは、子どもの心を育てるうえで役立つ情報を発信しています。

今回は、「不思議の国のアリス症候群」、そして「今日の発見」についてお話ししたいと思います。

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

「不思議の国のアリス」という童話から

皆さんは、ルイス・キャロルが書いた「不思議の国のアリス」という童話をご存知ですか。幼い少女アリスが不思議の国に迷い込み、様々な体験をする中で、身体が小さくなったり、大きくなったりと変化します。

この「不思議の国のアリス症候群」は、この童話にちなんで名付けられた病名です。どうしてそんな童話にちなんだ名前をつけたのでしょう。それは、童話の主人公が体験したような症状を、生じるからです。

「不思議の国のアリス症候群」は、特徴的な4つの症状が知られています。

一つ目は、自分の身体の大きさや形が変化したように感じるという症状です。

二つ目は、見ている物体の、大きさや形、そしてそこまでの距離が変化したように感じるという症状です。

三つ目は、自分がふわふわ浮いているように感じられる症状です。

そして四つ目は、時間の経過が、早く感じられたり、遅く感じられるという症状です。例えば、ビデオを早送りしているような感覚と言えば、わかっていただけるでしょうか。

不思議ですよね。でも、納得します。納得するというのは、僕も子どもの頃から不思議の国のアリス症候群をもっているからです。別に、身近な人に相談したことも、病院にかかったこともありません。小児科医になり、この病気を学んで、「あ、コレだったのか」とわかりました。

子どもの頃は、「不思議なことがあるもんだなあ」と思いながら、その感覚を楽しんでいました。つまり、「不思議の国のアリス症候群」をもっている子どもは、その症状を言葉にして誰かに伝えることはしないかもしれません。この症状があっても、生活に困らないからです。

「不思議の国のアリス症候群」の色々

「不思議の国のアリス症候群」への特別な治療はありません。そのままにしておけば、その症状はよくなります。ただ、中には基礎疾患がある場合もあります。その基礎疾患として報告されているのは、片頭痛、てんかん、感染症など色々です。その中でも、片頭痛が多いとされています。

これにも納得します。納得するというのは、僕は典型的な片頭痛をもっています。片頭痛については、別の放送でお話ししようと思いますが、子どもの頃に「不思議の国のアリス症候群」という状態を経験して、大学生になり典型的な片頭痛を経験しました。

自分の身をもって、「不思議の国のアリス症候群」と片頭痛を経験しています。ですから、「不思議の国のアリス症候群」の症状をもった子どもが受診したときには、自分自身の経験をそのままお話しします。すると、「え〜何でわかるんですか?」と言ってもらえます。だって、僕自身が経験していますから。

子どもは困っているか

「不思議の国のアリス症候群」の症状で僕の外来を受診する場合、子どもはたいてい、「別に困っていないです」という顔をしています。では、どうして外来を受診するのでしょう。それは、親が、子どもが言うことが不思議で、不安に思って受診されるというケースがほとんどです。

ですから、明らかな「不思議の国のアリス症候群」の症状で受診された場合には、今回お話ししたような内容をお伝えします。また、心理的なストレスが背景にある時に、症状が出現したりします。ですので、もしも症状がある時には、何か心理的なストレスがないかなということにも注意してもらうようにします。

医学と今日の発見

ちなみに、「不思議の国のアリス」を書いたルイス・キャロルの名前は筆名で、本名はチャールズ・ラトウィッジ・ドドソンです。彼はイギリスの数学者であり作家です。実は彼は、片頭痛もちだったとも言われています。そんな彼がこの「不思議の国のアリス症候群」をもっていた可能性もあります。だからこそ、一般的な視点とは違う「不思議の国のアリス」という童話を書けたのかもしれません。

医学を学ぶというのは、人のことを理解することにつながります。自分がそれまで経験してきたことの理由を、発見できる瞬間があります。そういうことだったのかあ、と理解でき、今日の発見につながるということです。「不思議の国のアリス症候群」もそんな発見の一つです。皆さんの発見にもつながるように、そんな医学の世界をこれからもご紹介していきたいと思います。

今回はここまでです。

僕が運営しているYukuri-teという法人を通して情報発信を続けています。その法人でLINE公式アカウントをはじめました。Voicyのチャプター画面に貼り付けてあるURLにアクセスしていただくと、友だち追加が可能です。友だち追加していただくと、VoicyやYouTube、講演会などの最新情報を受け取れます。ぜひ登録してみてください。

今しかない、子どもの時期。普段からこのチャンネルでは、その子どもの心を育てるために、様々な知識を提供しています。フォローしていただくと更新通知が届きます。ぜひフォローしてみてください。

記事のポイント!

  • 不思議の国のアリスと、同じ感覚をもつ子どもがいる
  • それ自体は特に怖い病気ではない
  • 症状がある時の子どもの心を気にする

これからの時代を生きる子どもたちの心を育てたい。 当法人の活動に賛同くださり、ご支援いただける場合は、右の「寄付ボタン」からお願いいたします。     ページが表示されるまで、少々時間がかかる場合がございます。

寄付ボタン

友だち追加

お問い合わせについて

支援の実施情報について

子ども/親/きょうだい(※)を対象にした当法人の支援の実施情報は、「活動に参加」ページからご確認ください。

活動に参加

支援についてのお問合せ

子ども/親/きょうだい(※)を対象にした当法人の支援についてのお問い合わせは、「お問い合わせフォーム」をご利用ください。

お問い合わせフォーム

※きょうだい:障がい児/者の兄弟姉妹

これからの時代を生きる子どもたちのことを思い、この法人を設立しました。